第弐二回戦!!マタギ
第弐二回戦!!
世界代表!地動説の父、ニコラウス・コペルニクス!日本代表!マタギ、大川春義!
彼は司祭の服を服を着た医者でもあった。彼は学者だった。彼は後世に大地の回転を示したのである。
対するは猟銃を背負った男。優秀なマタギの弟子であり数少ない三毛別羆事件の目撃者である。
第弐二回戦、開始!!
「この大地は太陽を中心に回転している。
私が提唱する地動説を見せてやろう。」
ニコラウス・コペルニクスの周りに現れた物。
質の悪い硬貨。銅のインゴット。月の模型。紙の束。
あらゆる物はその場で自転し円形に見えるようになるとニコラウス・コペルニクスの周りを公転し始める。
ニコラウス・コペルニクスが歩くと周囲の回転物体も連動して移動する。
速度は別々だが…、大川春義は標的に向かって猟銃を構え撃つ。
ダアァン。
弾丸は真っ直ぐ飛んだが回転する銅のインゴットに阻まれて明後日の方向に弾かれた。
「フゥー。こりゃ面倒だな。」
悪態を吐きたくなる大川春義。
だが標的ニコラウス・コペルニクスは近づいてくる。
よく見れば、先ほど弾かれた弾丸も回転物体に加わっている。
「まじか。」
「太陽はあらゆる物を捉えて自分の周りに留まらせると後世で私に続いた者が提唱したようでね。」
「ズルくないか?」
「飛び道具を持っている者に言われたくない。」
正論は正論で返される。
だがニコラウス・コペルニクスも甘くはない。
「弾丸の公転運動を解除。」
遠心力によってエネルギーが溜められた弾丸は大川春義に帰ってくる。
「ズルくないかッ!?」
「これは飛び道具ではない。私の支配から離れた残骸だ。」
「そっちがそう言うならこっちも対応させてもらう!」
足を大きく踏み込み怒気の声を発する大川春義。
彼の踏み込んだ場所を起点に広がる豪雪の大地は北海道の銀世界を再現する。
「なんと、これは雪か。だが、状況は変わらないぞ?」
硬貨が公転運動をやめて飛んでくる。
「それはどうかな?」
横に跳び、硬貨の弾丸を避ける大川春義。
そしてニコラウス・コペルニクスの背後を見据えて警告する。
「ここは厳しい雪山。野生動物は幾らでもいるぞ?
例えば羆とかな!!」
ニコラウス・コペルニクス、いや、その背後に立つ羆に照準を合わせて猟銃を構える大川春義。
ニコラウス・コペルニクスは羆に気付き横に飛び込むとさっきまでいた場所に爪が振り下ろされる。
羆は大川春義を視界に入れるが火薬の臭いに脅威を感じ近くの獲物に狙いを定める。
「ッ銅インゴットの公転運動を解除!!」
高速で羆に飛ぶ銅インゴット。
羆は怯み逃げるが、安心していられない。ニコラウス・コペルニクスは複数の足音の気付く。
振り返ると新たに3頭の羆。
カチ
視線だけで後ろ見ると今度は自分に猟銃向けるマタギ。
公転する物は月の模型と紙の束。羆は3頭。
「一応聞くが熊に喰われるか、俺に撃たれるか、降参するかどれがいい?」
ニコラウス・コペルニクスは両手を上げるしか選択肢は無かった。
マタギ・大川高義
「親父はマタギだが戦地に行って人も撃ってる。復讐者だった親父は山中じゃ誰にも負けんかったよ。」




