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51話 セインの本気

やっと、セイン君の見せ場です

あ、でもセイン君が完全に無双する訳じゃないですよ?


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおぉぉぉぉっぉぉぉぉぉ!!!!」



全員がもうダメだと、生を諦めそうになった時...



黄白色の雨が降る






________________________



白氣で強化した目で魔物達が押し寄せる場所が見えてきたと時


セインの見に入って来たのは...



既にボロボロのみんなに、熊や大蛇などの上級の魔物が襲い掛かり、致命傷にもなり得る攻撃を受けたところだった



「な!?クソッッッもっと、もっと速く!!!」



セインはすぐにでも皆の所に駆け付けたかった


しかし、強化した目で見たものなので、現場に着くまでにあと2キロほどある


時間で言うと48秒ほどだ


短いと感じるかも知れないが、魔物達が既に致命傷を負っているジェイド達に止めを刺すのには十分過ぎる時間だった



クソ!!間に合わない!!


なにか、どうにか間に合わせないと皆が!!!



こうしている間にも魔物がジェイド達にジリジリと近付いていく


セインは、脳への負担を無視し、自身を【炎化】させ、さらに雷属性魔法で無理矢理脳の処理容量を増やし炎の翼をもう二対造り出した



雷属性魔法で無理矢理脳の処理容量を増やした付は後でかえってくるけど、今はそれも気にしない!


これでスピードも3倍近く出せる


あと16秒ぐらい!


間に合えってくれ~!!!



魔物がジェイド達の目の前にいる


自分が入るのには間に合わない!


なら、自分は落ちるけど関係ない!



セインは炎の翼の羽、一本一本を分解し、魔物達に向かって放つ


超高速の黄白色の羽が空を切る



「やめろぉぉぉぉぉぉぉおぉおぉぉぉおおぉぉぉおっぉぉぉぉぉぉ!!!」






________________________



セインは、自身の【炎化】を解き、重力に身を任せる


その方が速く地面にたどり着けるからだ


頭から落ちていく様はまるで落とされたミサイルのようだった



セインは着地の為に、白氣を【練氣】の技術を使って圧縮し、一時的に身体を超強化する



ドッッッゴォォォォオォォォォ



セインがジェイド達の前、炎の羽で殲滅した魔物達の目の前に着地し、直径4メートルほどのクレーターを作り出す



「カハッ......セイン...やっときたか」


「うん、ごめん皆。遅くなった」



そう言いながら、《魔素操作》で皆の大きな傷を治す



「これは!......セイン、お前はどこまでも規格外だな...」


「傷が、治った?」


「わ~!!もう全然痛くない!」


「は! 傷が殆どない?」


「スゴいっすね...セイン君、ありがとうっす」


「うぉ!!マジかよ、スゲーな」



「セイン、これなら我々も......」


「いや、ジェイド、皆はもう休んでてくれ。これは、傷は治せるけど体力とか魔力は戻らないから。ここは僕一人でやる」


「......大丈夫なのか?」


「ああ、大丈夫だ」



そう言って、僕は走り出す



「あれ!?セイン君は?」


「まさか一人で相手するつもりっすか!?」


「無茶だろ!?」


「セイン...」


「...セイン君」






________________________



「はは! 最上級が5体か、ちょっとヤバいな」



本気を出すしかないみたいだ



そう思い、セインは空間属性魔法の空間から刀をとり出すと、もう一度炎の羽を造り出し、魔物達に向かって放つ



キシャァァァァ


グォォォオオオオ



肉体を一瞬で灰にする熱をもった炎の羽も、最上級の魔物達にとっては少し火傷をする程度だ


しかし、上級の魔物達には防ぐ事が出来ないか様で、次々と体に焦げた穴を開け、その命を散らしていく



その間に、セインは少しずつ魔物達に近付きながら白氣と黒気を作っていた


白氣は、頻繁に使っていたが、黒気は殆どつかっていない


今までは《魔素操作》で事足りていたからだ


しかし、今回は本気で戦ろうと決めた


だから今出来る限界を出す



「ふぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」



作り出した白氣と黒気を、胸の中央に集め、凝縮し、反発し合う力押しとどめ、回転させながら同調する場所を探す


やがて、陰陽太極図のような模様が胸に表れる


陰陽太極図が徐々に回転していき、白と黒の見分けがつかなくなった時


高速で回転する陰陽太極図が、胸に吸い込まれていき


セインの放つ気配が変わる



魔物達の足も止まり、警戒した様子を見せる



セインから物凄い量の熱気が放出され、髪が逆立つ


体から脂肪が消えていき、ゴツゴツの細マッチョのような姿にかわり


体から赤い蒸気が噴き出す



「ふぅぅぅぅ...成功だな」



これが僕の本気


その名も【赤気(しゃっき)】だ


魔力と気力を合成した【闘気】


僕はまだ、魔力と気力をそのまま合成するには至ってない


でも、魔力と気力を仙氣を媒体にして合成する事が出来た


魔力と気力を水と油にたとえて、仙氣を界面活性剤にたとえたんだ


界面活性剤は、水にも油にも親和性がある


同じ様に、仙氣も魔力と気力に親和性があるから、同じように出来ないかなと思って色々やってみたら、この【赤気(しゃっき)】が生まれたってわけだ


赤気は、合成するのに、集中して同調する場所を探さなくてはいけない


赤気は消耗がヤバいし、慣れていないから長くは使えないけど、《多重思考》を使って、白氣を作るのと、黒気を作るのと、それを合わせて赤気を作る3つの思考を作った


一度合成してしまえば、《多重思考》でも作ることが出来んだ


まだ戦えるのに赤気か使いきって戦えないなってことにならないように



「いくぞ!!この魔物野郎!!」



セインは縮地に火と水素を加え、爆発力を高める


地面を蹴ると同時に爆発させ、一瞬で時速200キロまで加速する


刀を振るのに合わせ、自身の腕に、風を付与し方向性を付けた縮地を使い、刀速を更に高める



「っらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




巨大な最上級の魔物、獣鬼(オーガ)の左足に斬り掛かるが...



キィィィイン



最上級の魔物は鉱物のような鱗に何重にも覆われている


今の攻撃ではその鱗を数枚斬っただけだった



「チッ!!これでもダメかよ!」



しかし、セインは攻撃を止めない



「っしゃぁ!!!」



セインは、同じ所へ攻撃を何度も、寸分違わず当てることにより1体目の左足の肉が少し見えるまで鱗を削る事が出来た



「っらぁあ!!!!」



セインは透かさず【月輝之刀(つきのかたな)】を愛刀に纏わせ肉の部分を突く



グギャァァッァァァァァァァァァァァアアァァァァァッァッァァ!!!



獣鬼(オーガ)の巨体から発っせられる声は大地をも揺らし、セインはそのまま蹴飛ばされてしまった



「ぐはぁ!!!?」



セインは、そんな巨体から繰り出される蹴りを受けたにも関わらず、腕や肋骨の軽い骨折で済んでいた


セインは、蹴られるタイミングに合わせ、後ろに全力で跳び、自分にかかる衝撃をにがしたのだ


赤気の効果で、先ほど受けた傷は殆ど治っている


もう一度、今度は先ほど傷を付け、炭化している傷口目掛けて【月輝之刀(つきのかたな)】を振るう



ザァシュ!!


グガァァッァァッァァッァアァアァァッァァァァァァァ!!!?



炭化した傷口が良い切れ込みになったからか、今度は左足に深い斬り傷を、アキレス腱と思われる腱に傷を入れる事が出来た



しかし...



今度は避けきれず、獣鬼(オーガ)の蹴りを諸にくらう



「ぐっがぁ!!」



セインの体、左半身がほぼ潰れる


《苦痛無効》を持ってしても、体が潰れた時の感覚と違和感と不快感が脳内を、思考を掻き回しパニックをおこす



意識が消えかかるぎりぎりのところで一つ目の荒技を実行した


体の主導権と感覚の殆どを《神工叡智(レクト)》に譲ったのだ


そうすることでパニックの原因を回避し、思考を落ち着かせる事が出来る


その間に、《神工叡智(レクト)》が《魔素操作》を使い、体を修復する



[A.マスター、思考の回復は終了しましたか?]


ああ終わったよ


[A.それでは、体をお返しします]


おう、ありがとな、レクト


[A.いえ、かまいません]


まったく...役に立ってくれるし、色々考えなくちゃなぁ...



体の主導権が戻ってきた


その瞬間、酷い疲労感が襲ってきた


赤気を使っている事による消耗が思っていたより多いらしい


このままじゃもたないな...



「しょうがない、賭けるか」



セインは早々ながら賭けに出る事にした


赤気の制限時間を悟ったからだ


今の自分では後3分と持たないだろう



「ふぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁあ!!!」



二つ目の荒技は.....


自身を赤気を使ったまま【雷化】させることだ


赤気を使っている状態での【雷化】は、雷が深紅に染まる


名付けて【紅雷化(べにいかずちか)】だ


そして、この【紅雷化(べにいかずちか)】には、雷の物理的制限を一部無効化する効果がある


例えば、「先駆放電無しでの雷速移動は秒速200キロ」と言う基本的な物理法則を、

「雷速移動は基本秒速10万キロだ」に一時的に書き換えられるんだ


これは、黒気の能力が強化されたことによる、一時的かつ部分的かつ限定的な理の変更だ


これのお陰で、先駆放電で此方の位置や通る軌道を読み取られる事もないし、その場で思った通りに移動出来る


そして攻撃力が桁外れだ


単純計算で、刀を振った時の当たった場所にかかる重さは5.85×10^15だ


まあ、これは理論上なので本当は前後するだろうけど...


しかし残念な事に、この威力には、武器も肉体も壊れるだろう


いや、確実に、絶対的にぶち壊れるだろう


赤気だけのスピードでも、刀が当たる場所にかかる重さは845000キロだ


それで砕けない刀も、砕かれない鱗も凄いが


それだけ赤気の強化が強力だと言う事だ


しかし、いくら赤気とはいえ、刀も肉体もそんな途方もない、千兆の位に達するような重さなんかに耐えられる訳がない



......と、言う事で、大切な刀は閉まっちゃいます!



で、強化された黒気の力を使って、ついでに特大の炎球も空に放って、空に雷雲を呼び出して...


そして、特大の雷雲に溜まった雷を...



バチィィィィィィィィィィィィィィィイイィィィィ!!!!


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォオオオォン!!!!



全っっっっっ部自分に落とす!



雷雲はその後すぐに晴れていく


セインは自分に落とされた雷を【雷化】した体内に取り込み、自身の雷と同調させ、電圧、電流を高めていく


バチバチと、体から深紅の雷がの放電現象を起こし、地面と、そこに転がる魔物の死体を焦がす


元々数千億ボルト、数億アンペア程あった雷を吸収した事で、今、僕は数十兆キロワットもの電力が籠っている


放電現象を押さえ込み、自身が深紅に輝いたとき






雷速移動で魔物の頭の内を通り抜けた...




【雷化】状態では実体がない


その【雷化】した体で利用し、魔物達頭を通り抜けて、超高電圧の電流で脳を焼く作戦だ


続け様に最上級の魔物達の頭の内を通り抜けていく




1秒にも満たない、セインの渾身の一撃のあと......












そこには誰も、何者も、立っている者はいなかった


今回も読んで頂きありがとうございます!!


今日のお話はどうだったでしょうか?


最上級の魔物、強過ぎない?

って思うかも知れませんが、一応、設定上は問題ないです。


温かく見守ってください。


次の更新も多分来週です


今の自分には、これが限界見たいです...


これからも頑張って書くので読んで頂けると嬉しいです

よろしくお願いします

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