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赤木の森の下影に  作者: 一人雅伸
舟人渡る川の畔
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 <青空一杯の二年生その2>

 <青空一杯の二年生その2>


 とはいえ、学校の仕事、担任の仕事、雑用、それらを眺めながら、この大望の夢に引かれながら、無理をしない程度に、次のようなことを残していこうと考えました。


① 子どもの活動の場→給食の時間、掃除の時間、授業中の時間、休み時間、の記録アンケート調査票


② 子どもとの会話の中で、子どもの成長発達に関わることのメモの記録


③ 休み時間、給食の時間などのお喋りを録音にとる。


④ 友達の好き嫌い調査、


⑤ 日記の記録、毎日提出させ、感想や指導の言葉を添書する。


⑥ テレビの番組のアンケート


 などを時々集めて、月日をメモして資料集めの工夫をします。


 家に帰ってまとめられる資料から整理して、ワープロへ記録していきます。


 この様にわけのわからないことを夢中でやっている内に、はっと気が付いたのは、今迄見逃していた子どもの会話の中等に、子供の考えや気持ちが現れていることがだんだん見えて来た、という事です。


 二年目に入りました。引き続き3年生の担任になりました。


 手に汗を握るような緊張感が沸き起こってきました。


 私の思いの全てを、この一年にかける決意をしたのです。


 他人から見ると、本当にちゃちなものかもしれませんが、私の『児童理解』がまとめられていくのです。


 この時の興奮は、今でも忘れられません。


 誰も知らない秘密の内に、誰にも見せない、私一人の宝です。友達の製本屋さんに頼みました。


 終業式の日に、『青空一杯の二年生』を子ども達に渡しました。


『みんな、協力してくれてありがとう。お陰で、先生の宝物が出来たよ。』

と言いながら、乃木山から触れ合ってきた子供達が、それこそ、走馬灯のように走り抜けていくのを感じました。


 子ども達は、無邪気に読み漁り、

「あっ、誰さんのことが書いてある。」

「あっ、私が、こんなことをしたのだ、」

とお互いに懐かしそうに読み合いました。


 そして、私に言いました。

「先生、これ、僕の宝物だよ、」


 眼に、涙がたまりました。


 船水川小学校の桜の大木も、咲き始める頃でしょう。


 そっとあの門の所で眺めてみたいなと、思いました。


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