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赤木の森の下影に  作者: 一人雅伸
舟人渡る川の畔
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 <田植え見学>

<田植え見学>


 担任の子どもが、

『先生、お父さんがね、明日田植をするのですって。見学に来ないか、と、言うの。』

そこで、子ども達に聞いてみたところ、皆見たいと言うのです。


 父親も、子供のカリキュラムをよく知っているなーと、感心しました。


 私の子どもの頃は、田植え時になると、一割の子どもは家の手伝いで早引きをするのです。田植え時になると、近所のおばさんたちを集めて、田植え(手植え)をするので、その忙しさにうんざりしたものです。処が、今の子ども達は田植を見たいというのです。時代の流れか妙な感覚にとらわれてしまいました。

 

 約束の時間に、10人の子どもを連れて行きました。道際の広い田んぼが細やかに耕されて、水も程よく満たされて、その水田の中を、一台の新型と思われる大型田植え機が幾筋かの苗をガチャガチャと植えていくのです。遠くで見かけた事はありますが、こんな近くで見るのは初めてです。

 それにしても、あの、賑やかな田植えは、何処へ行ってしまったのでしょう。おじさんが一人で田植え機に乗って、タバコを吸いながら運転しているだけです。2,30分も経つ内に、あの広い水田がきれいな緑の水田に変わってしまいました。昔なら、大勢の田植えのおばさん達で、一日がかりの所でした。


 やがて、田植え機を道路へ運び、子ども達に、その機能や仕組みをわかり易く説明してくれました。皆で、お礼を言って学校へ戻りました。


 それにしても、父兄たちが近代教育をよく理解しているのにはびっくりしました。それよりも、驚いたことは、農業の近代化・機械化が叫ばれていましたが、ここまで発展しているとは思いませんでした。

 田植の時期になると、月曜日に木尚地区の田んぼや船水川地区の田んぼを通って通勤しますが、一夜にして田植が済んでいることがこれでよく分かりました。 それにしても、農業の近代化はたいしたものだと感心しました。耕運機、田植え機、稲刈り機と、消毒機、種蒔き機等、本当に便利になりました。その分、機械の維持管理など、それなりに農業経営も一苦労だろうと感じました。


 それだけに、農家の生活も一変してしまいました。船水川のような、純農村地帯のほとんどの人が、勤め人になりました。土曜日、日曜日に、田んぼの仕事をやればよいようになってしまったのです。このように、農家の生活が激変した事は、日本の社会にとっても、大きな影響を及ぼす事になってきたと、やっと感じまました。


 社会がどんどん進化していくと同時に、教育も社会の動きに敏感に対応していかなければならないと、田植え機の新型機械を見学して、痛切に感じました。




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