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赤木の森の下影に  作者: 一人雅伸
吾が学び舎と共に
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 <初めての練習試合>

 <初めての練習試合>



 後援会の組織が出来上がり、道具も一通り揃って、子供達も熱心に練習に励んでいます。

後援会の人達から

『そろそろ、他流試合をやろう。』

という意見が出されました。

私は

『まだまだだ。』

と留めましたが、皆はやりたがります。

 木尚きなお地区のソフトクラブはどうかという声が上がり、交渉してみたところOKの返事です。


 ある日曜日に、五口ごくち小学校のグランドでやることになりました。クラブが出来て半年くらいの事です。


 当日、開始時間が迫ってきても、五口ごくち女子ソフトクラブチームは校庭に出てきません。木尚きなおクラブは、華やかなユニホームを着て、慣れないグランドでも活発に動き回り、校庭一杯に広がって準備運動に余念がありません。五口ごくちチームは、私の唱える『野良着ユニホーム』の体操着です。


 子供達は、校庭の隅に隠れて出てこないのです。 

 やっとのことで宥めて、試合を始めました。


 全然試合になりませんでした。


 30対0になっても、まだ終わりません。それで、監督から『試合中止』の申し出をして、終わりにしました。


 試合後、子供達が不平と文句を言います。

『一人先生の野良着ユニホームが負けたのだ。』

と、後援会の人達も頷きます。


 ついに、ユニホームを作ることに同意させられてしまいました。


 私の理想とする教育論が負けてしまったのです。


 業者に頼んでユニホームを作ることになりました。


お揃いのユニホームを着た子供達が6年生になり、大分、上手になってきましたが、他チームとの試合にはなかなか勝てません。野球通の人には『新しく出来たチームが、他所と対等の試合が出来るようになるには7年かかる。』と言う人もいます。

 試合にはなかなか勝てないものの、子供達は熱心にソフトの練習に取り組んでいました。


 だんだんと、他チームとの試合も格好がつくようになってきました。後援会の人達が車を出し合い、分乗して参加しました。父兄にしてみれば、子供の面倒を見たり、触れ合う機会が増えた事が、非常に楽しかったのでしょう。試合そのものを応援する事で、子供との一体感や、親子の情や親近感を深めることに繋がったようです。

 応援も、一層熱心になってきました。練習だけでなく、年に1回、山間の渓流地へ行き、子供達とのバーベキューを企画したりもしました。クラブの団結を一層強め、保護者同士や子供同士の関係にも大きく貢献したようです。


 このような事が子育てにも大きな影響を与えるのだなぁと、つくづく納得したものです。何事も、実践・体験を通して、子供も親も、絆を強め、成長していくのだと実感しました。



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