↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の旅人  作者: 夏候燕
3/13

戦闘は計画的に

 この話から週一更新になると思われます。

 ご注意ください。

「まずは力の使い方について調べていかないと」


 ん?魚はどうしたんだって?素手で魚が捕まえられる訳ねぇだろぉが!!

 んんっ。気を取り直して能力に移ろう。

 力を使いこなせば、あんな魚の一匹や千匹など簡単に捕まえてくれるわ。

 さて、まずは復習しよう。

 俺はすでに四つの属性攻撃を可能としており、基本的に弱点は無いと言うことになる。

 図に表すとこんな感じ↓


 火←水

 ↓ ↑

 風→土


 そこでまずは能力の操作をしてみることに。

 指先に意識を集中して、火が灯るイメージをする。

 …………しかし、なにも起こらない。

 無性に恥ずかしくなってきたので腕を下ろし、失敗の原因を考える。

 あれか、MP的なやつがないからか?

 そこで今度は座禅を組み、自分の中へと意識を集中させる。

 すると、前世では感じられなかった靄のようなものが二種類、身体の中を巡っていることに気がついた。

 片方は力強く、暖かく感じるものが時計回りに。

 もう片方は冷たく、けれども不快ではなく心地よい冷たさを感じるものが逆時計回りに身体を巡っていた。

 恐らく、時計回りが気と呼ばれるもので、逆時計回りが魔力と呼ばれるものだろう。

 さて困った。どちらを使えば能力が発動するのだろう。

 暫く顎に手を当てて考えてしまったが、両方試してみればいいじゃないと思い、実行。

 結果、どっちでもできますた。

 右手には魔力で作られた火が、左手には気で作られた火が、それぞれに蝋燭ほどの大きさで灯っている。

 しかしあれだ。

 気が減ると疲れるわ、魔力が減ると意識が朦朧としてくるわ、あんまし気分のいいもんじゃねーな。

 そう思いながら両方の手でそれぞれ人差し指に火を、中指に水を、薬指に土を、小指に風を、気と魔力を使って球体を作って回転させる。

 これが地味に集中力がいるので疲れるが、更なる高みを目指すためには必要なので、真面目に努力する。

 一通りやり終えると、次のステップに移る。

 紙には、この四属性以外にも属性同士を合成して他の属性にすることができるらしいと書かれていたが、その仕方がわからない。

「よくあるラノベでは火と風を合わせて雷系の魔法を使っているけど……」


 思い立ったが吉日、早速試してみることに。

 某デスメガネ風に。


「右手に火を、左手に風を」


 意識を集中して同程度の魔力を流すと、赤々と燃える火が右手を包み、左手は風に包まれた。

 そして両手を胸の前に持ってくる。


「合成……って、のあぁっ!?」


 両手を勢いよく会わせる。

 しかし、両手を包んだ火と風は俺の予想を反して暴走してしまい、火は風にあおられてより大きな炎となり、風は炎を纏った鎌鼬のようになり周りの木々と俺を吹き飛ばした。


「あててて……何がいけなかったんだ?」


 力の配分をミスったのか、俺のいたところを中心に木々が薙ぎ倒されており、まるで爆弾が爆発したみたいな状況になっていた。


(身体は無事か……?)


 そう思い身体を見るが、左肩が無くなっていた。

 さっきの爆発で失ったのだと認識すると、思い出したかのように激痛が俺の脳を襲った。


「がぁっ!!?……ぎ、ぐうぅぅ」


 痛みを我慢しながら辺りを探ると、肩口から綺麗に切り落とされた左腕が落ちていた。


「ど、どうしよう……」


 そんなとき、前世の俺がやっていたゲームでは、水の治癒魔法があったのを思い出した。

 そこで俺は藁にもすがる思いでそれを実行する。


「い、癒しの水よ。我の傷を癒したまえ」


 先ほどの訓練で、俺の能力には言葉の力[言霊]を加えることによって効果や動きを与えることが出来るらしい。

 なので、俺は詠唱っぽいものを唱えているのだ。

 ……とても恥ずかしいが、痛みに比べたらそんなものはなかった。

 それに、効果は確かなものだったらしく、何処から集まったのかは知らんが傷口が水に覆われ、みるみる傷が癒え、腕がくっついた。


「……これはすごいな」


 左手を握ったり開いたりを繰り返し、腕も曲げたり伸ばしたりして調子を確かめるが、完璧にくっついていた。

 もう痛みすらない。


「言霊を使えば別に水じゃなくてもいいんじゃないか…?」


 そんな疑問持ったが検証することはできないようだ。

 耳に草木が擦れる音が届いたのだ。

 何だ?敵か?

 人か?

 獣か?

 そんなことを考えている間にも、どんどん音が近づいて来ていた。

 こちらは完全に補足されている様だ、まぁあれだけ大きな音を出せばなぁ。

 耳が、息を吐く音を捉えた。

 その数、たったの一つ。

 しかも、もう目の前だ。


「グオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ!!」


 それは前世で言う、熊のような獣だった。

 熊のような獣(面倒臭いので熊さんと呼ぶ)は飛びかかると同時に、右腕の鋭い爪で俺を引き裂こうとしているらしい。

 俺は冷静にバックステップを踏み、熊さんが着地するであろう場所からなるべく離れる。

 そしてそれは見事に的中し、避けられると思わなかった熊さんの目は血走り、もはや俺しか見えていないようだった。


「グルルルゥゥゥ」


 威嚇をしながらこちらの様子を伺う熊さん。

 しかし熊さんならば、前世でも狩猟したことがあった今の俺にとって、それほどの驚異ではない。

 いや、一撃でも喰らったら死ぬけどね?

 しかし、これはチャンスだ。

 先ほど考え付いた属性に言霊で効果を付属させる実戦(実験)ができる。

 そこで俺は、右手に魔力を込めて、イメージを固める。


「風よ、刺され」


 イメージしたのは空中にとどまる、数百の針。

 そして風は、見事にそのイメージ通りの現象を創り出し、熊さんに殺到する。

 当然のごとく、熊さんには風の針は見えてないので、一瞬にして針の見えない針千本が出来上がった。


「ガアアアアァァァ!!?」


 何が起こったのかわからない熊さんは、突如として現れた全身の痛みに暴れまわる。

 しかし、暴れられるのは面倒臭いので、拘束させてもらう。


「鉄よ、捕らえよ」


 地中にある砂鉄を熊を纏わりつかせ、四肢を地面にくくりつける。

 そしてとどめの一撃として、右手の人差し指の先に水の球を創り出し、半身になって、熊の頭を狙う。


「水よ、穿て」


 指先から放たれた水球は見事に熊の頭に命中し、頭蓋に穴を作り出した。

 少しの間が空き、大地に倒れ伏す熊さん。

 辺りに響き渡る滝の音により、この世界に来て初めての実戦が終わったことを理解した。


「……はぁ」


 鼻に香る濃厚な血の匂い。

 特に気分が悪くなることもなく、しかし、精神的に来た疲れに身を任せ地面に座り込む。

 そして、命を奪い取ったのだと言う実感を感じながら練習あるのみだな、と先ほどの戦闘に評価を下した。

 だが、次に思い付いたことで、頭を捻るはめになった。


「どうやって熊さん捌こうかな……?」


 地面の砂鉄を使ってナイフを創ればいいと思い付いたのは、それから三十分後だった。

 感想、批判、誤字脱字のご指摘などなど、桑田佳祐の曲を聞きながら、まったりとお待ちしておりま……ちょっ、石投げないで!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。