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『元世界ランク1位、異世界で【浮遊砲台】になる。~手足のないダルマに転生しましたが、FPS視点の「魔弾」でヘッドショット余裕です~』  作者: 暁月カケル
世界樹防衛編 ――星の楔(くさび)と、世界を巡る特使たち――

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天才の系譜と、エースパイロットの証明

【第3章・世界樹防衛編、堂々開幕!】

★毎日「朝7時」更新中!★

舞台は王都から世界へ! ついに「ファストトラベル」と「新たなロマン重火器(RPG&対空ミサイル)」が解禁!

剣と魔法のファンタジー世界を、FPSのロジックで圧倒する痛快無双劇!

※第1章・第2章(王都編まで)完結済み。今からの「一気読み」も大歓迎です!


広場での騒動の後、俺たちはバリンの案内でアイアンホルムの中枢――重厚な機械仕掛けの城にある『謁見の間』へと通された。


玉座に座っていたのは、鋼のように鍛え上げられた肉体を持つ質実剛健な武人王、トールガル王だ。

そして、その傍らに立つバリンは、アイアンホルムの宰相にして超一級の技師でもあるという。



「……なるほど。これがその、ギデオンの野郎が持たせた紹介状ワイロというわけか」


事の次第を聞いたトールガル王が、苦笑しながらバリンの手にある木箱を見た。


「はい。あいつは私の好みも知っていて、これは百年に一度しか咲かない『百年草マルコモ』のタバコの葉で、職人が魂込めて巻き上げた逸品です。昔、あいつとパーティを組んで、鍛冶師兼戦士として最前線で暴れ回った頃が懐かしいぜ」


「ほう、流石は伝説のパーティメンバー同士、お互いを良く理解しておるな。ガッハッハッ!」



王が豪快な笑い声を上げる。

だが、バリンはふと真面目な顔になり、その鋭い眼光をルルに向けた。



「ところで……ルルと言ったな。広場でボルグの孫だと聞いた時から薄々思ってはいたが……その瞳の色、そしてあの常識外れの腕前。お前さん……あの『アストリッド』の娘だな?」


「えっ? アストリッド? それ、誰のこと?」



ルルがきょとんと首を傾げる。

どうやら本人も、自分の母親の名前を知らなかったらしい。だが、その名前が出た瞬間、トールガル王をはじめとする重鎮たちの間に大きなどよめきが走った。



「アストリッド……アイアンホルムの歴代最高と謳われた、あの天才技師か!」


「ああ。俺やボルグですら遠く及ばなかった、まさに神の申し子だった。だが彼女はある日、『世界樹を守らないと世界が終わる』という言葉だけを遺して、忽然と姿を消しちまったんだ……。まさか、地上でボルグに娘を託していたとはな」



バリンの言葉に、ルルは驚きに目を見開いた。


「私のお母さん……そんなに凄い人だったんだ」


(世界樹を守らないと世界が終わる、か……)


その遺された言葉は、まさに今、俺たちが直面している問題そのものだった。

俺は一歩前に出て、トールガル王を見据えた。



「彼女のその言葉は、真実です。帝国の真の狙いは、地下の『大炉』に繋がる世界樹の根の魔力を吸い尽くし、世界樹を枯らして邪神を復活させること。俺たちはそれを阻止するために、特使として防衛協定を結びに来ました」



俺が帝国軍の動向と世界の危機について説明すると、トールガル王は深く頷いた。



「よかろう。我らアイアンホルムも、世界樹防衛の同盟に喜んで賛同する。……だが、先ほど報告があった通り、帝国の機甲兵団の到達まであと三日しかない。周辺国に使いを出したところで、援軍など絶対に間に合わんぞ」



王の言葉に、謁見の間が再び重苦しい空気に包まれる。

しかし、俺はあえて自信たっぷりに笑ってみせた。



「援軍など不要です。今ある石巨人ストーン・ゴーレムだけで、十分に敵を撃退できます。各機体を『分隊』として機能させ、地形を活かしたキルゾーン(十字砲火の罠)を構築して、敵を一方的に殲滅する防衛陣地を作るんです」


「なんと……そんな戦術で、あの圧倒的な性能差を覆せるというのか?」



FPSのタワーディフェンスにおける基礎戦術の概要を説明すると、王たちは半信半疑ながらも身を乗り出してきた。



(ソフィア。石巨人の戦力化は防衛陣地で対応するとして、遊撃枠としてウチのパーティーも前線に出したい。ヒロインたちにゴーレムの操縦は可能か?)


『マスター。事前の演算結果を報告します。エリスの無限魔力、ヒルデの武術トレースによる機体同期、ミリーナの空間把握能力を各石巨人の制御系に直接リンクさせた場合、事前の操縦訓練なしでも、即座にエースパイロット級の挙動が可能であると推測されます。また、ルルは既に操縦できる技術があり、彼女のユニークスキル『機工の神髄ザ・メカニクス』を用いれば機体を自身の身体のように扱えます。ただし、ニアだけは規定の魔力量に達しておらずゴーレム操作は非推奨です』


(なるほど。ニアにはハティのお守りを任せよう)



ソフィアの頼もしい裏付けを得て、俺は仲間たちを振り返った。


「みんな、俺と一緒に専用のゴーレムに乗って前線に出てくれないか? お前たちの魔力や能力なら、絶対に機体を乗りこなせる」


俺の唐突な提案にも、彼女たちは一切の迷いなく力強く頷いてくれた。



「私でよければ、全魔力をもってポンタさんを援護します!」


「うむ、我が武を機巧の巨体に宿せというのだな。面白い!」


「私の耳で、戦場のすべてを把握してみせます」


「ゴーレムのカスタマイズと操縦なら任せてよ! 最高の機体に仕上げてみせるから!」



皆が力強く答えてくれる。俺はバリンに向き直った。



「バリン。俺の仲間たち用にも、カスタマイズした石巨人を三機用意してくれ。彼女たちで、戦場をかき乱す『遊撃特種部隊スペシャル・フォース』を結成する」


「なんだと!? 馬鹿なことを言うな!」



俺の提案に、ドワーフの重鎮たちが一斉に反発した。


「ゴーレムの操縦は、一朝一夕で身につくものではない! 長年の修練を積んだパイロットですら手こずるものを、素人の小娘たちに扱えるわけがなかろう!」



その時だった。

エリスの膝にあった『聖樹の枝杖』が眩く光り、ポンッと中空に若枝の精霊ユーグが顕現した。



「せ、精霊!? しかもその気配……ま、まさか世界樹の御霊か!?」


突然現れた神聖な存在に、ドワーフたちが大層驚き、ざわめきが広がる。


「僕はポンタの言うことなら、何でもできちゃうと思うけどなー。彼らに任せてみたら良いよー。アルメニアの三万のスタンピードを、わずかな手勢で撃退する力があるからね」


「さ、三万だと!?」


「世界樹の若枝の君がそう仰るのなら……し、しかし……流石に石巨人を素人が動かすなど……」



ユーグの言葉にどよめきつつも、どうしても不安は拭えないようだ。



「言葉で言っても信じてもらえないか。なら……俺がグランゼリアのSランク冒険者になった理由を、見せよう」



俺はそう言って、謁見の間の横にある、広大な地下都市を見下ろせる巨大なベランダへと歩み出た。



「エリス、魔力供給を頼む」


「はい、ポンタさん!」



エリスが胸の前で手を組み、祈るように魔力を練り上げる。

次の瞬間、彼女の持つ『接続者コネクター』の力が発動し、目に見えるほどの圧倒的で膨大なマナの奔流が、何もない中空へと一気に集束していった。


バチバチッ!! と、青白い火花が空間を弾く。



「な、なんだ!? 空間が……割れただと!?」



バリンが目玉を飛び出させて驚愕する。

中空に生じた巨大な亀裂――次元開口。その暗闇の奥から、重厚な金属の駆動音と共に、ゆっくりと「それ」が姿を現した。


全高三メートル。

真紅の装甲に包まれた、ずんぐりとしつつも恐ろしいほどの威圧感を放つ、次元航行船にして最強のゴーレム。

タイタンモードの『吉祥天ダルマ』だ。



「さあ、起動するぞ」



俺の身体が淡い光に包まれて無数の粒子となり、その場からふっと姿を消す。

次の瞬間、俺の身体を形作っていた粒子が吸い込まれるようにダルマの内部へと溶け込み、搭乗を完了させた。


浮遊レビテーション』のスキルが発動し、巨大な鋼鉄の塊がフワリとベランダの上空へ舞い上がる。

そして、ヒヒイロカネで構成された強靭なボディが赤熱するように光を放ち、まるで地下都市に出現した「もう一つの太陽」のような凄まじい輝きと、肌が粟立つほどの恐ろしい魔力プレッシャーを謁見の間全体へと叩きつけた。



「おおおおっ……!?」


「な、なんという神々しさ……なんという魔力だ……!!」



その圧倒的なデモンストレーションに、王も、重鎮たちも、そしてバリンも、ただただ息を呑んで震えることしかできなかった。



「わぁぁっ……! おっきいポンタお兄ちゃん、かっこいいのー!」


「わふわふっ!」



ニアが下からダルマを見上げて目を輝かせ、ハティも大興奮で跳ね回っている。



「どうだ? うちのパーティーを信じて、ゴーレムを任せてみる気になったか?」


ダルマの外部スピーカーから問いかけると、ドワーフ王トールガルは、震える手で自身の膝を力強く叩き、立ち上がった。



「……信じよう!! 我らアイアンホルムの全技術と石巨人を、特使殿に預ける! 国を挙げて、迎撃の準備にかかるぞ!!」



王の咆哮と共に、謁見の間にいたすべてのドワーフたちが、地鳴りのような歓声を上げた。

絶望に包まれていた地下都市の士気が、最高潮へと跳ね上がった瞬間だった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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