4、爆発プログラムを捜せ!
バタバタバタバタ……パタン
最後の1人が出て行った足音を背中で聞き終え、ミナトはアソウの左隣へ着席する。
「アソウ、インカムつけろ」
横目でチラリとアソウのインカム着用を見届けたミナトは、これから酷使する目の負担軽減を考慮して、自身も胸ポケットに常備しているメガネをかけた。
続けて、赤いウサギに読唇されないよう、口元を手で覆いながら、インカムで上司のカナエに依頼する。
「ボス、タイムカウント」
「分かったわ……27分前…5、4、3……」
今の状況は、あとどれくらいの時間が残っているかを確認するワンアクションさえ煩わしいため、ミナトは別室で見守っているだろうカナエに、残時間カウントを事前に頼んでいた。
「プラン通りいくぞ!」
アソウにそう声をかけてから、ミナトは右手でマウスを、左手でキーボードを操り、該当部分を探す。
まずは……配信中継を止める!
膨大なプログラム群から該当場所を探し出すのは至難の業だったが、2年も赤いウサギに付き合っていると、なんとなくクセのようなものが見えてくる。
あった、ココだ!
ミナトの読みは間違いなかったようで、すぐさまカナエが状況を伝えてきた。
「ミナト、成功よ!
4分割されていたうちの3画面で、こちらの状況をそれぞれ違う角度から映し出していた映像が、予定通り……齧られたニンジンの絵に切り替わったわ」
カナエの報告を聞いている間も、当然ながらミナトの指先は休むことはない。
「次」
ミナトの指先がキーボードを滑らし終わった途端、右隣の男の肩が大きく揺れた。
目の前の巨大スクリーンの絶世の美少女の口が大きく横に広がり、目は太線のように細くなったからだ。
「イイじゃん……先輩……」
普段無口で、後輩といえどその能力は時々ミナトを上回るがゆえ、アソウに手放しに賞賛されることなど滅多にない。
そんな後輩の、最上級の褒め言葉を引き出せたミナトの口角は、自然と上がった。
「最後の1つの画面もデフォルメ赤いウサギに変わったわ……ミナト……」
「オレは休暇中だったんだ!」
「要するに……呼び出されて気分が悪いと……」
「ボス、カウント!」
インカムのイヤホンから聞こえる、チョット残念な子を嗜めるようなカナエの声色にミナトは反発し、まだ続きそうな小言を封じ込めるため、逆命令を出す。
「これで、プログラムの発見だけに集中できる」
ミナトの呟きはインカムを通して伝わったせいで、カナエの小言は続かず、また狂いのないカウントが再開された。
「20分前……7、6、5……」




