第82話 いつの日か
レイラは走っていた。それ用ではない使用人服に足を取られそうになりながら、人混みを掻き分け近くにあった藪へと飛び込む。まだ自分が逃げ出したことに気付かれていないのか、騒ぎは大きくなっていない。
「どっちいけば……」
帝都を取り囲む城壁は見えるが、どうやって侵入すればいいか分からない。だが自分の首からせっかく奴隷紋が無くなり、いつの日かの恩が返せるのなら。そう今は止まってられないとまた走りだそうとする。
だが、ふと肩を掴まれその足は止められる。
「……」
レイラは振り返れなかった。遠巻きにある兵士達が心なしか騒がしくなっている気がする。
「……ッ」
ナイフを抜こうとしてもそれを許さぬように、強く肩を握られてしまう。心拍がうるさくなる。鼓膜が激しく揺れている。わざわざ逃がしてもらったのにこんなあっさり捕まるのか。
「……こんな所で」
失敗してたまるかと。肩の痛みを振り払いナイフを抜いてしまおうと、柄に手を当てる。だが、後ろから出てきた浅黒い手はレイラの口元を覆う。
「~~~」
声を張って暴れ抵抗しようとするレイラだが、後ろから耳打ちされたのは。
「兵士が近い。静かにしろ」
その声に固まる。そして恐る恐るその声を辿ると、白髪に浅黒く耳の長い女がそこにいる。彼女はその長い腕でレイラを抱え、首を伸ばして辺りを見回す。そして数分経った頃に、レイラを解放して。
「行くぞ。時間がない」
何も説明はしてくれない。だがディアナの監視役であった彼女がここにいて、私を連れて行こうとしている事。その情報でディアナの仲間だと勝手に判断し、頷いて走り出す。
「どうやって侵入しますか?」
景色の緑はぼやけ後ろへと流れていく。レイルベルに手を引かれているとは言え、かなりの速度で森を走り抜けている。
「街へ不法侵入するのは慣れてる。任せておけ」
レイルベルはそう得意げに笑い、とうとうレイラを抱えて走り出す。そして辺りは森ではなくなり、平原が広がると、咄嗟に川岸へと向かい体を落とす。
「え、え、え、これ大丈夫なんです!?」
流石に見通しが良すぎる。川で多少地面が窪んでいるとはいえ、城壁の上からでは丸見え。戦争中に簡単に侵入できるとは思えないが。
「運が悪かった死ぬだけだ。その時は仕方ないと諦めろ」
そんな投げやりともとれる言葉にレイラは冷や汗をかかざる負えなかった。
「えぇそんな軽く……!!」
だが確かにレイラの足は長く伸び地面を蹴っていく。それは止まる事無くレイラの黒髪を揺らし、気付けば城壁の真下に張り付く。そしてレイラを眼下にレイルベルは二っと笑う。
「運が良かったな」
そう言って街の中へと続く川。それに降ろされた鉄柵に手をかける。それでどんな魔法をするのかと思えば、その細かった二の腕が肥大化し煙が上がる。
「下がってろよ」
レイラは言われるまでも無く、やばいと後ずさっていた。そしてレイルベルはその肥大化した腕で勢いに任せ、鉄柵を引っ張ってしまう。それは激しく軋む音を辺りに響かせ、水面を大きく揺らすほど。それだけすれば鉄柵は大きく歪曲し、人一人通れるようになるが。
「おい!何の音だ!」
城壁の上が騒がしくなってしまう。流石に音を出し過ぎたらしいと、レイラは上を見上げていると、その手をレイルベルが引っ張る。
「急ぐぞ」
既にレイルベルの腕は元通りになっている。初めて見る魔法に動揺するが、レイルベルに連れられるがまま地下水路を、2人の足音が響いて行く。
「館の位置を確かめたい。どこかで一回地上に上がるぞ」
確かあの使者は館に火の手が回っていると言っていた。だがあの時は忙しすぎて場所まで聞くことが出来なかった以上、どこかでリスクを冒して確認をしなければいけない。
「はいっ!」
だがレイラも腹をくくっていた。ここまで来てビビッて何もしない選択肢は無い。こう思うとあの時助けてもらった事を、自分の中ではかなり大きな恩に感じていたのかもしれない。
「借りっぱなしは嫌だから」
奴隷商の奴がいるはずの舘へ。私の時の様に無茶をして、火の中飛び込んでしまっているかもしれない、奴隷商を助ける為。そうレイラは痛む肺に足を無視して足をひたすらに回す。
そしてその下水にいた彼女ら。それらと都合よく出会うのだった。
ーーーーー
クラリスは慣れない鎧に身を纏い、その重さに押しつぶされそうになりながらも剣を必死に握る。
「下がれッ!西門は放棄するッ!!」
最初は交渉で時間を稼げた。こちらから投降する仕草だけ見せて、家臣を説得させるためだと返信を先送りにした。だが、流石に一日も経てばあちらもしびれを切らし攻めてきたのだが。
「……煙がッ」
火矢を放たれあちこちに火の手が回り、煙が立ち込める。そんな混乱する館に対して、プレヴァルの手勢が攻め込んできたが、数の不利は中々押し返す事が出来ず。
「東門も突破されましたッ!南門も時間の問題です!!」
入ってくる伝令はどれもこれも自軍の劣勢を伝える物ばかり。援軍はいつになっても来ず、仲間だったはずの彼らは蜂起せず、それどころかこちらに剣を向けてさえいる。
「地下に籠るぞ!動けるものは走れッ!!!」
喪失感や無力感を感じている暇はなかった。出来るだけ時間を稼ぎ父上ら援軍が来るのを待つ。そしてあわよくば、彼がここに来てくれるかもと、そう期待してしまっている。
「……出迎えの用意なんざ出来てないが」
煌びやかなドレスも自身を際立たせる化粧も全てなく、あるのは煤と重々しい鎧。こんな姿で再会したい訳が無いが、彼なら来てくれると、そう確信に近い期待は、劣勢になりつつある戦況と反比例して大きくなる。
それが現実逃避だとクラリスが気付くことなく、僅かな手勢を纏めて地下室へと逃げ込んでいく。ここで使用人ら女子供は先に、下水道へと続く逃走路から逃がし、出来るだけ時間を稼ぐ。
「治癒魔法出来る者はすぐに手当てをッ!動けるのはバリケードを築け!!」
使用人らは細い通路へと消えていく。結果残った兵士は20人が良い所。相手は未だ数百以上おり、階上からは私達を探す足音が響く。
「……手紙を出して一日」
あいつのいる施設からなら1時間とかからない距離。もう既に手紙が届いているはず。それなのにここに来てくれない。その事実だけがクラリスに押しかかる。
そして多少冷静になってしまったからなのだろう。湧き上がっていた期待は反発するように冷え切り、心臓を刺していく。
「一方通行だったって事か……私だけが」
ここが見つかったのか地下室の金属製の扉が叩かれる音。それがドンドンと叩かれ、その地響きで、パラパラと石片が散る。
「……まぁこんな性格の女誰だってか」
胃が萎むような痛み。必死に強がろうと自嘲してみるが、死に際となると手が異常な程震え、その怯えを隠せない。
「……もっと早く会えてたら変われてたのかな」
そう呟くと同時に部屋に響く轟音。それは今まで耐えていた金属の扉が突破される音だった。そして差し込む炎の光と共に、雪崩のように敵兵が、地下室へと転がり込んでくる。それを見てクラリスは、震える喉を抑え叫ぶ。
「行くぞッ!!」
焚火だけが頼りの暗い地下。そこでいくつもの剣の銀色の刀身が煌めき、それを朱く染めていく。気付けば地面の石畳には血で溢れ、誰が仲間で誰が敵かも分からなくなっていた。だが確かに言えるのは、地面に斃れる人間はどれも、クラリスの見知った顔ばかりだったという事。
「お館様が城外にはいるはずです!そこまでお逃げください!!」
残ったのは僅か3人。それがクラリスを守る様に囲み剣を敵へと向ける。彼らはどれも父の配下だが、ここで命を果たしても構わない覚悟だった。だがそれを背負うにはあまりにクラリスにとって重く。
「私1人だけおめおめ生き残る訳には……」
私のせいでここまで人が死んだ。なら責任を取るべきなのは自分自身だと、そう剣を震える手で握るのだが、彼らは。
「私達はお館様に忠義を誓いました。そのご令嬢の命を守る事で死ねるなら本望です」
ジリジリと距離を詰めて来る敵兵たち。それらを牽制するように剣を振るい、一歩詰めてしまう。そして最後に強く叫ぶ。
「私達の死を無駄にしないでくださいッ!!」
だが、そう叫んだ彼は目の前で振るわれる大斧に気付かなかった。叫び終わると同時にその頭にあまりにも重い衝撃が伝わり、頭蓋の形を歪ませてしまう。
「良い配下をお持ちだ。流石屈指の名門貴族」
そこにいたのは首に紋紋を入れたプレヴァルの側近、クロヴィスだった。この所よく表舞台で見る様になったが、いつまでも実働部隊として数多の人間を殺して来た男だ。
そしてその男に向かって残りの2人が仇を取ろうと剣を振るうが。
「このッ!!」「よくも!!!」
クロヴィスの横薙ぎでその上半身と下半身を真っ二つにされてしまう。その風圧はクラリスにまで届き、生臭さを鼻腔に届ける。そして正真正銘1人だけになってしまったクラリス。背後にある脱出路もこの距離では、背中を向けた瞬間に体を半分にされてしまう。そんな予想だけは出来た。
「君が公爵令嬢だね。交換材料になるし大人しく捕まってくれる?」
そうクロヴィスが手を差しだしてくるが、それを嬉々として受け取るクラリスでは無く。
「……もう少しまともな誘い文句はないんですか」
返事と言わんばかりに剣の切先をクロヴィスの喉元へと向ける。だがそれをまるで危険と捉えていないのか、クロヴィスは気の抜けた笑いをして後頭部を掻く。
「いやぁ裏社会ばかりだったものですから。社交界には疎く……」
そう言いつつもクラリスが一歩踏み込んで剣を振るっても、微妙に届かない位置で立ち止まっているクロヴィス。だがその大斧のリーチでは、今にでもクラリスの首を掻き切れる距離感。
「ならもう一度勉強してから出直してください。そうなれば考えなくもないですよ」
クラリスが一歩引くがクロヴィスも更に一歩踏み込んでくる。背後にある脱出路からは生暖かい空気が流れ込んでくる。
「はは。やはり私には性に合いませんな。人攫いの方が慣れてるような人生でして」
クロヴィスの眼光が鈍く光る。それが合図の様に一歩踏み込んでくると、それまで意地を張っていた糸が切れ、クラリスは剣を落としてしまう。
カランカランと通路に響く。クラリスは目を閉じ頭を守る様に腕で覆う。だが大斧は振り下ろされる事無く、ただため息だけがあり。
「あぁ。そうですか。残念」
落胆をしたクロヴィスは、大斧を下ろして怯え縮こまったクラリスに歩み寄っていく。するとその時だった。水面を蹴る2つの足音、それがクラリスの背後から現れる。
「お、まだいましたか」
そうして現れたのはダークエルフの女と、使用人服を汚した少女。そのダークエルフであるレイルベルはその勢いのまま、ナイフをクロヴィスの喉元目掛け投げ飛ばす。
咄嗟にクラリスの配下では無いと判断し、クロヴィスは数歩引いて距離を取りナイフを躱す。そして行き場の失ったナイフは、力なく石畳に落ちる。
そんな一連のやり取り。それを音でしか把握していなかったクラリスだが、怯えながらもゆっくりと目を開く。
「え……あんたら……誰」
クラリスにとっては初体面の2人。だがレイラ達とっては、クラリスはついでで本命は。
「奴隷商の奴はッ!?」
レイラがそう叫ぶ。レイルベルはすぐにクラリスを後ろにしてクロヴィスを警戒する。そんな状況を掴めないながらも、奴隷商という言葉に敏感に反応して。
「あいつ来てくれたの!?」
こんな状況だというのに思わず声が上ずってしまうクラリス。だが、それもすぐに勘違いだと、目の前のレイラは顔を暗く苦い顔をする。
「……いないん……ですか……?」
レイルベルもそれを聞いて眉を上げる。そして判断早く後ずさり始める。
「いないなら私の目的を優先するぞ。探すのは多少面倒だが」
レイルベルが奴隷商を必要としたのは同胞であるシレアの居場所を知っているから。それが果たせないとなれば、一刻も早くしらみつぶしにでも探しに行かないといけない。それこそあまり長い事メイベルの元を離れれば、疑いが深くなってしまう。
だがレイラはそう簡単に受け入れられるはずも無く、クラリスの腕を掴む。
「い、いるんですよね?だって貴女が助けを求めて……あいつ見捨てるような薄情な奴じゃ……」
そう縋られた所でクラリスも助けが来ると信じて、結局1人になっていた。それを受け容れられるはずも無く、動揺が伝染してしまうが、それを遮る様にクロヴィスが大斧の切先で地面を叩く。
「あ、何。彼も来るの?旦那から恩赦して貰ったのに逆らうんだねぇ」
初めて見せる感情らしい感情。それは確かに怒りを滲ませていた。そしてもう待たないとクロヴィスは一歩踏み込む。
「まぁとにかく君らは捕縛だね。情報持ってそうだし」
レイルベルはすぐにレイラとクラリスの手を引いて走り出す。実力に自信のあるレイルベルでも、この短い時間で男と一対一でも勝てるか怪しいと自覚したからだ。
「義理は果たした!逃げるぞッ!!」
だが、あまりに時間をかけすぎたのか。それとも最初からこの経路は想定されてしまっていたのか。そう駆け出した地下の脱出路の先。下水道に待ち構える大勢の騎士達。
そしてそれを目の当たりにして足を止めるしか出来ない3人と、急ぐことなくゆっくりと追いかけて来るクロヴィス。
「何度も下水を使って逃げられたら敵わないからねぇ。さ、死ぬか投降するかどうする?」
ここにいるだけで騎士は50人が見え、レイルベル達を囲む。後ろも前も通路を塞ぐその騎士達。
それら状況をレイルベルは冷静に判断し、冷たく勘定をする。そして結論はすぐに出る。クラリスとレイラがいて、この状況で逃げるには到底不可能だと。そして彼女にとって、生き残りアルエシアを守り続けるのが第一の使命。それを考えればやる事は1つだった。
「すまないな。私もやるべき事があるんだ。ここで死ぬわけにいかない」
その意味をクラリスとレイラが問い返す前に、レイルベルの姿が目の前から消える。そして僅かに水面が揺れる音と共に、それは遠のいてしまう。
「……え、なんで」
レイラが振り返った時には、その白く長い髪が騎士達の後ろに降り立つ所だった。それもすぐに見えなくなり、ただただ動揺と疑問だけしか残らない。
そしてクラリスはそれを横目にしつつも、諦観の色が強く乾いた笑みを零す。
「……」
何も言わない。ただ肩を揺らして壊れたように笑い続け、それが下水道の中を木霊し続ける。レイラからすればそれは恐怖でしかなく、レイルベルが居なくなったこともあって、何がなんだか分からなくなる。
「ちょ、ちょっと……何笑って……」
ナイフを握りつつもクラリスの腕を引っ張るが、その意識がこちらに向くことはない。そして一部がクラリスを追いつつも、殆どは包囲を縮めて来る騎士達。
「わ、私も戦いますからっ!!だから貴女も!!!」
すると、ピタッとクラリスの笑い声が止まり、ギョロっとこちらを見下ろしてくる。
「戦って戦ってきた結果がこれなんだよ」
その目は酷く淀み何も光を反射させない。彼女の中にある何かが折れてもう修復が出来ない所まで来てしまった様な。そしてその声は震え涙を混じらせる。
「勘違いだったんだろうな。何もかも」
レイラの縋っていた手は力なくクラリスから離れていく。それが頼れる大人ではなく、ただ生を何もかも諦めた人間だと分かってしまったからだ。
「じゃあ投降って事で良いのかな?」
クロヴィスが騎士達を手で制しコツコツと足音を立て歩み寄ってくる。だがレイラはまだ何とかナイフを握り、その男へと向ける。
「お、君はやる気かぁ。でも強くなさそうだし……」
と、そう呟いた時。騎士の中から聞き覚えのある嫌な声が響く。
「あれっ!!似てるなぁって思ったらいつかのガキじゃねェか!!また会ったな!!」
その声に息が詰まり音が聞こえなくなる。僅かに残った勇気の全てが冷え切ってしまう。だが視線だけは、その近付いてくる水音を辿ってしまう。
「……ひッ」
そこに見えるのはベトついた長い緑の髪と、ひょろっとした体格の男。2度遭遇してレイラにトラウマを与えたそれが、ニタニタと笑い駆け寄ってくる。
「……いや……お前だけは……」
駄目だった。幼い頃に植え付けられたトラウマはそう簡単に消えない。吐き気が一気に湧き上がり、必死に握っていたナイフは、水面の下に消えてしまう。
「つれないねェ。また前の続きしようやぁ!」
その男はクラリスを無視して乱暴な足取りでレイラの目の前に立つ。
「前は邪魔が入ったしなァ」
固まるレイラに絡みつくその男。名前すら思い出したくないクレートという男だった。それは割れ物を扱うようにレイラを撫でてくる。そしてクロヴィスはそれをただ無視して。
「じゃあ公爵令嬢はこちらに。クレートも殺さない様に。今回は本気のマジの命令ですからね」
それだけ言ってクラリスの肩を掴むクロヴィス。そしてクレートは満足げに笑い喉が痙攣するように笑う。
「わーってますって!せっかくの再会ですからァ!」
レイラは何も動けなかった。手足を動かそうにも全く言う事が利かず硬直してしまう。それどころか呼吸すら忘れてしまいそうになる。ただクレートの手の感覚が虫が這うように全身を纏う。そしてその大きな蛇のような眼が、こちらを覗き込む。
「じゃ、行こうか」
まただ。またこうなる。それだけは固まっていても実感してしまう。だが実感した所で、私がこれからどうなるか。それは全て目の前のニヤケ面に委ねられてしまう。
だがレイラの呼吸は暖められたかのように僅かに自由を取り戻す。
「……て」
僅かに漏れた声のような物だった。だがクレートは聞こえないと顔を顰める。
「あ?なんて?」
レイラの体は固まったまま。恐怖に支配され何も動けない。だがその喉だけは動き、僅かに瞳には色が取り戻す。
「……けて」
クレートは更に怪訝そうし、不愉快そうにする。
「だから聞こえねェっての!」
そう体を揺らされ下水道にクレートの声が響く。だがそれらはレイラに聞こえず、ただその水音だけを拾い脳内に響かせる。
そして目いっぱいその恐怖と体の強直を振り払うよう叫ぶ。
「助けてッ!!!」
レイラの叫びが下水道に響き渡る。そしてそれを反響させるように、その水音が大きく跳ねた。




