授業のお友達は…
世の中、物わかりの良いこと言うもは、居ないのだと私はこの日、嫌と言うほど思い知らせるのだった。
電車に乗れば、多くの人で(満員状態)ミズチは情けない声を駅に着くまで上げ挙句、私のたゆんたゆんの間に顔を突っ込んできた。(帰ったら乾燥紐にしてやる!)
普通の人には見えない分、私だけが一人、変態を見るような視線に晒される始末。
大学の校門を通り抜ける私と同じように多くの人で賑わっていた。校内を歩き綺麗な建物の後ろに隠れるように、古びた校舎が二棟建て並んでいるのが見えた。
(あ~いうところに、居るんだろうな…禍々しいものが渦巻いている…)
禍々しい妖気が、二棟の旧校舎から立ち上っているのが視えた。
触らぬ神になんとやらで、私は校内のオリエンテーションがある講義室に向かった。
私が選んだ専攻科目は民俗学とetc…。
講義室は既に大勢の人が席に座っていた。
それまで、谷間に潜んでいたミズチがヒョコッと頭を上げ、講義室内を珍しいものを見るように見渡していた。
『人がいっぱいいる…』
頭の中にミズチの声が直接、響いた。
(当たり前でしょ…大学なんだし)
私はミズチの聲に少し笑いながら、一番後ろの席に座った。
キョロキョロするミズチが少し、ほんの少しだけ可愛いく見えた。
まるで田舎から上京してきたときの自分を見ているみたいだった。(いや、ここまで田舎人丸出しじゃ無かったからね!)
少し離れた席では、上げて女子大生たちが数人、黄色い声を上げていた。
「なにあれ…(引くんですけど)。有名人でも…」
何があるのやらー女子たちの視線の先には入口近くの席に居る、目つきの悪そうな(?)長身の青年が黒髪をかきあげ、三白眼の瞳を女子大生たちに向けた。(いや、たまたま視線がこっち向いただけだろ)
その仕草と視線だけで、女子たちが、「キャー、キャー」とよろこんでいる。
(顔はイケメンだけど、なんか…関わらないで…おこう。平穏無事な、キャンパスライフを私は満喫するのよ)
『カイ、あの男、ヤな感じするぉ…』
ミズチが私の谷間に頭を引っ込め、カタカタと震える。
まぁ、全身真っ黒の服に、背後に黒いの背負ってるというか…。
私はまじまじと見ることはあえてしなかった。自分から、厄介ごとに首を突っ込む趣味はない。
(そうね…。同じ学科なのが嫌だけど…関わらないようにしないと)
私はリュックから必要な物を出し、ミズチに答えた。
「あの。お隣良いですか?」
少し遠慮気味な声が横からした。
「ん?あ、はい。どうぞ、どうぞ」
私は顔を向けて少し、横に詰めた。
(まさか横に人が来るとはー、ミズチ…変な事したらお仕置きだからね)
谷間で震えてる怪異の蛇に私の声は届いていなかった。
本格的に始まったキャンパスライフ。
お隣に座ったのはほんわかとした癒し担当のような女の子だった。
「私、日向 亜美。(ひむかい あみ)よろしくね」
栗色のショートヘアに黄色の瞳のまさに可愛いに入る女の子…。
「私は、水無瀬 カイ。よろしく。日向さん」
騒ぐ女子たちとは対照的に落ち着いた私たちは時間まで、おしゃべりをたのしんだ。
これぞ、キャンパスライフ…(私的にね)
好スタートを私は切ったと思ってた。
説明会が始まってしばらくして、おバカ蛇・ミズチは私の体中を這いまわって、余計なことを始める始末。
お隣の亜美ちゃんが、心配そうに何度も声をかけてくれるし。優しい…けど、それが余計に私の心を抉る。穴があったら入りたい…。
その度に、私は妙な声を上げる…(帰ったら、処する!)
そう、心に難く誓うのだった。
(こんなんじゃ、友達出来ないよぉぉぉぉぉ!!!)
心の奥底から、確信が持てた…。




