王国への疑心
一度マダムとマスターの自宅へと帰り、合流する。
「ピュア大丈夫か!?」
「スター…?ど、うして…」
危険が及んでいなかったかを心配するテスター。
傷だらけの体を見て、自分のせいでは無いかと心配するピュア。
互いに、いの一番に想うのは互いのこと。
「とりあえずテスター、あんたはこっちに来な」
「悪いマダム…」
「良いさね、困った時はお互い様さ」
魔法で治すことは出来ないので、包帯を巻いて応急処置だけをする。
体を拭いて、体中に付いている血を拭き取り、マスターの服を拝借し着替える。
「……」
「テスター、一体何があったんだい?あんたが傷を負うなんて、誰に」
「ブレイズ・パーガトーリィって言ってた」
「今の王国最強の魔法使い、だね…」
「だからってテスターが、ここまでやられるはずが…」
「分かんねぇけど、とんでもない魔力を感じた瞬間にパワーアップしていた」
「とんでもない魔力…」
「強化魔法なんだろうが、あいつが使う魔法は炎だった」
「…誰かが遠隔で使ったってことかい」
「いや、魔力の反応はあいつ自身だった。それは無い」
そもそも周囲を顧みずに攻撃をしてきたことを考えると、それは無いだろうと言う。
「じゃあ、何だって言うんだい…」
「……私、その魔法知ってる」
「知ってるのか」
「私の、お母さん」
「…!」
「多分…」
「多分って、知らないのか?」
「うん、お母さんとは会ったことない」
ピュアが言うには、自分の母を知る同じ白人から教えて貰ったと言う。
「…そうか」
「ブレイズはピュアの母親の魔法を使った、ってことか」
「似た魔法を使えるって、線はないのかい?」
「何倍ものパワーアップをしてた、並みの魔法じゃねぇ」
「けどよ、だったら何でピュアの母親の魔法をブレイズは使えたんだ?」
「それは俺にも、さっぱり……」
「まぁ、分かれば苦労は無いさね…」
「……いや、思い当たる節がある」
「思い当たる節?」
「ブレイズは自分が改造を受けた、って言ってた」
「改造?」
「詳しいことは本も分かってなかったけど、手術室で麻酔で寝ている間に隣に居た白人が死んでいたらしい」
「なっ!?」
「そ、それは!どういう!」
「分からねぇけど何か、とんでもないことをされたってのは間違いないだろう」
原因は分からず仕舞いではあるものの、王国にはテスターすら知らない深い闇があると見て良いだろう。
「とりあえず、今日の所は寝な」
「…そうだな」
「俺も頭の中がこんがらってきた…」
こうして4人は夜が遅いのもあり、細かいことは起きてから考えることにした。
(父さんは一体、何をしようとしてるんだ…?俺に教えてくれたことも、俺に見せてくれていた顔も全部、嘘だったのか…?)
ブレイズのこと、白人の魔法、白人達の居場所、そして王国の、ヴァイスとウォーの目的とは。




