星空の下で
個室での楽しい夕食と昇進祝いのケーキを堪能した後、二人は再び、離れの部屋に戻り、露天風呂へと向かった。昼間に流した激しい涙の痕は、もうすっかり消えている。
熱すぎない湯温に身を委ね、二人は昼間と同じように、小さな浴槽で肩を寄せ合い、寄り添った。
夜の帳が降りた山間は、静寂に包まれ、頭上には満天の星空が広がっていた。
美優: 「綺麗だね、彩花。都会では、こんなに多くの星は見えない。」
彩花: 「はい、美優。この星空の下で、誰にも邪魔されずに美優と二人でいられるなんて……。」
昼間に流した涙で崩れた顔の記憶は、お風呂の湯に流し去られた。そこにあるのは、ただ穏やかで、満たされた二人の姿だけだった。
美優は、彩花の濡れた髪をそっと撫でた。
(*美優(心の中で):「私が弱さをさらけ出しても、彩花は絶対に離れなかった。加藤教官の言う通り、この子がいなければ、私は潰れていただろう。やっぱり、この人を好きになって良かった。この愛を守り抜き、巡査部長として、妻として、この子を支えて行かないと。」*)
彩花は、美優の肩に頭をもたせかけた。
(*彩花(心の中で):「強がっていた美優の本当の涙を見ることができた。そして、私は、この人に心底必要とされている。やっぱり、この人を好きになって良かった。この愛があるからこそ、私は巡査長として、もっともっと強くなって、美優のすべてを受け止め、支えて行かないと。」*)
星の瞬きを見つめながら、二人は、お互いがお互いを必要とする存在であることを深く再確認していた。そして、この愛を胸に、階級と職務を超えて、これからも二人で支え合っていくという、静かで強い誓いを立てた、貴重なひとときとなった。




