意地悪な提案 と 愛ゆえの指摘
互いに10個の「好きなところ」を言い合い、深い抱擁、深い接吻を交わした後、二人は言葉にできないほどの幸せすぎる聖域に包まれていた。
その至福のあまり、美優は、いつもの意地悪な美優が顔を出した。
美優: (笑みを浮かべながら、彩花の頬をつつき)
「ふふ。彩花。好きなところをお互いに10個言ったから、今度はちょっと刺激的にいこうか。3つ、嫌いなところ、というか、直してほしいところを言い合おう。」
美優の提案に、彩花はふくれた。その表情は、「好きな人に嫌いなところなんか無いもん!」と言いたいのを必死で堪えているようだった。
彩花: 「ええー、美優。せっかくいい雰囲気なのに……。嫌いなところなんて、無いですよ。」
美優: 「そう言うな。愛しているからこそ、成長してほしいところもあるだろう? 私の巡査部長としての指導だと思って、遠慮なく言うんだ。」
美優にそう諭され、彩花は渋々、だが真剣に考え始めた。そして、美優の顔を見つめながら、愛情と、時に感じるストレスの両方を込めて、指摘を始めた。
彩花: 「分かりました。じゃあ、一つ目……美優の、自分自身の弱さを認めないところ。いつも頑張りすぎて、私に助けを求めないところは、正直、嫌いです。」
美優は、その直球な指摘に真摯に頷いた。それは昼間、涙で告白した内容の裏返しだ。
彩花: 「二つ目は……時々、私に対して『巡査長』と呼んで、わざと距離を取ろうとするところ。公の場なら仕方ないけど、二人きりの時までそうするのは、ちょっと寂しいです。」
美優は、苦笑しながらも、その指摘が的を射ていることを認めた。
彩花: 「そして三つ目は……。これは仕事でもそうなんですけど、ご飯を食べるのが、いつも少し早すぎるところ。もうちょっと、ゆっくり味わってほしいです。せっかくの美味しい料理なのに。」
彩花が三つの指摘を終えると、美優は優しく彩花を抱き寄せた。
美優: 「ありがとう、彩花。一つ目と二つ目は、君が私を愛してくれている証拠だ。そして三つ目は……直す努力をするよ。美味しいものを、君ともっと長く味わえるようにね。」
そして美優は、今度は意地悪な瞳で彩花を見つめ返した。
美優: 「さあ、彩花巡査長殿。次は、私の番だ。」




