第76話 皆んなでお引越し
翌朝、早速引っ越しの荷物をまとめるが家具や家電は備えてあり食器や細かい物まであるそうだ。
つまりは、自分達の衣類とか個人的な物だけを持てば良いようだ。
後は全て処分するとの事だった。
「ロロちゃんは凄いね」
『なんもだよ、当たり前の事しかしてないよ!お姉ちゃん』
「電話とメールだけで全てを終わらせるなんて世の中進んだんだね」
「母さん、山から出て来た。おばあちゃんみたいだよ」
「ぷっ、新太さん言い過ぎよ」
「あっ、ごめん聡子ちゃん……」
「新太、あんた聡子ちゃんのオッパイ見過ぎだぞ!」
「なっ!み、見てねぇし!余計な事言うなよ母さん!」
「おーおー!赤くなっている。もしかして新太まだしてないのか?」
「と、父さんまで!」
「とっくに良子さんに喰われてたと思っていたんだがね」
「まあ、サトルがいたからね。扱いてやったくらいかな?誰かさんみたく、平気で息子とは出来ないよ」
ぐぬぬぬ。
「ロロちゃん……僕……」
『新太君の部屋は下の階に用意してあるよ!念願の一人暮らしだね』
「ありがとうロロちゃん」
少し涙ぐむ新太であった。
聡子はタクシーの中で話す会話では無いとずぅーと思っていた。
「ほぇ〜!」マンションを見上げた聡子の口が閉まらない。
「ほぇ〜!」一緒に見上げていた美和子が
呆けていた。
「ほらほら、呆けてなくて自分の荷物を持ちなさい!」
タクシーの運転手さんから、キャリーバッグを受け取り、二人に声を掛けてる良子さん。
「俺も初めて見るが相当のモンだぞ!」
少しビビる俺氏……
「あっ!ここの部屋が俺名義だと!」
今更ながら気付いて慌てている。
『お兄ちゃんなんか勘違いしてない?
マンションの一部屋でなく、マンション一棟全てだよ』
フンガッ!鼻を鳴らしたサトル。
「お父さん固まっているよ。白目剥いているし」
「パパは庶民派なのよ沢山お金を持っていてもね。そこがまた素敵なのよね」
路上でクネクネし出す美和子に、恥ずかしく思う聡子だった。
「もう、お母さんったら行くわよ!」
オートロックを過ぎ、エントランスに入ると品のある豪華さだ。
エレベーターの横を通り越すと一基のエレベーターがある。
事前に渡されたICカードを通すとエレベーターが開いた。
皆んなで乗り込むと静かに上に向かって上昇して行く。
「カードだけだと、落としたり盗まれた時、セキュリティもクソもないよね」
『カードを通した時顔認証も同時に行っているのさ!勿論パスコードでも作動するよ!
って聡子ちゃんもお兄ちゃんに似て口が悪いよね』
「エヘッやっぱり親子なんだね」
妙に納得する聡子は嬉しいそうだ。
エレベーターは最上階で停まった。
「おい!ロロまさか俺達の家って……」
『そうだよ、この階のフロアまるごとに決まっているでしょ!お兄ちゃんだからね』
「ロロ、忖度し過ぎだろ!」
「ほぇ〜!」部屋の中に入った聡子の口が閉じなくなった。少し垂れた涎が眩しい!
「ほぇ〜!」美和子は呆然としている。
「ほらほら、アンタ達!部屋を見てから部屋決めするわよ!」
良子さんの目もキラキラしている。
ほぇ〜!
ほぇ〜!
おぅ〜!
すげぇ〜な、は良子さん。
『新太君の部屋はここの半分だけど全部備え付けだから新しく買う物はないよ』
「ロロちゃん!ありがとう……」
嬉し泣きに咽ぶ新太。
「新太さん、女の人連れ込み放題だね」
ニシッシッとイヤラシく聡子が笑う。
「そんな事しねぇーよ!」
顔を赤らめた新太が言うが説得力がまるでない。少し膨らんでいたからだ。
「この部屋って寝室だよね?」
「大きなベッドがあるよ」
「行った事ないけど動画にあったラブホテルみたいだね」
『この部屋は所謂ヤリ部屋なんだあらゆる物が一式揃っているよ。防音もしっかりしているから、お姉ちゃんも良子さんも遠慮なく出来るよ』
「あら、美和子ちゃんの声が大きい事バレているのね」
「良子さんもでしょう!」
いや、二人ともケモノの様な声を上げるから、縮みあがるんだけど……
一通り各部屋を周りリビングで腰を下ろし、一休みだ。
聡子がお茶と茶請けを出してくれた。
なんて、良い子なんだろう捻くれないで良かった。良かったが、当然の様に俺に跨って来るのは、美和子の異常な愛情の元で育った所為なのか?
「良子さんとお母さん何となく似ているよねプロポーションとか雰囲気とか話さないで黙っているとそう思うんだ」
突然に聡子がブチ込んで来た。
俺も薄々感じていたけど……なんかヤバくねぇ!俺氏。
「でしょう!私が抱かれてい時よく美和子って言ってたよ」
複雑な顔をして良子さんを睨みつける器用な美和子さん。
「だから私はサトルに跨り高速ピストンで搾り取ってやったのさ!」
ガッハハハハと笑う良子さんは男前だ。
「だからなんだ、昨日お父さんが嬉しそうにやっていたでしょう」
辞めて!聡子さんそんな言い方……
「お父さん私の耳元でお母さんの名前を言ってたよね。多分だけど良子さんも私もお母さんと思ってしていたんでしょ?
うひょー!お母さんが三人いるー!
ってやっていたんでしょう?」
ぐぬぬぬ。
「反論が無いから肯定とするぞ!」
真っ赤になってモジョモジョし出す美和子。
あー!暑い暑いと手団扇で胸元を仰いでいるその姿が色っぽい。
「けど、俺は自分からは決してやって無い誓ってもいい!」
「えっ?良子さんは」
「良子さんは俺がやらないと、知らないオヤジに着いて行くかもって言って来たんだ。そしたら美和子を思い出して……」
「えっ?サトルさん……」
「えー、私そんな事言ったかなぁ?
サトル以外でそんな事する訳無かろう
サトル一筋なんだからな!」
また、ガッハハハハと笑う良子さん。
「じゃ、なんで相思相愛の二人が十五年もの間会わなかったの」
新太の素朴な疑問だった。
「はぁ〜俺はあの時、簡単にメグミの口車に乗って俺の話を聞かない美和子にムカついた。それと獄門坂のやり方にハラワタが煮えくり返っていたんだよ」
「だが、相手はこの国の陰の支配者だ巨大過ぎる。だから俺はロロの起用を考えていた。力も金も権力もない平凡な男がどう頑張っても女一人も守れない事は分かりきっていたからな」
「その後の事を考えると、どうしても美和子と居るのが不味い、彼女に多大な迷惑を掛けてしまう。それどころか、俺と同じ罪を着せられる可能性もある事だ」
「結果的に美和子を生贄にして獄門坂を一族ごと抹殺する事になったんだけどな
この国の動乱を引き起こし世界中を利用して目的は果たしたが、今じゃこの国は国連の管理下にある」
「美味しい所は全て外国に持って行かれているのが今の現状だ」
「まあロロがいるからそこ迄は酷くはなっていないけど、もう直ぐに全ての手足の枷も外れるだろな、ありがとうロロ」
「それで、父さんは自分の手が汚れているからお姉ちゃんが、戻って来ても素直に受け入れられなかったんだね」
苦笑いのサトルだった。
「でも、相手側がお姉ちゃんの妊娠を知ったら手を出して来なかったって事は?」
「それこそ、喜んで奴らはやって来ただろ!
そういう連中だ!」
『お兄ちゃんの言う通りにだよ!結果もっとお姉ちゃんが酷い目にあうでしょう』
「……」
「私は実家に帰ってから食事も取らず引き篭もっていたわ。その時実家まで連れてきてくれたのが、警官をしていた時のサンダーランスのカオリよ!彼女とは友達なのよ」
「まさか、あの中田氏さんと結婚するとは思わなかったわ!直ぐに出来ちゃった婚すると思っていたけどね」
中出しさん?初対面でも中出しする鬼畜な人なんだ。
一人呟く聡子は聡明な子だ。
「その後直ぐに私が妊娠しているのが分かってとても嬉しかった。サトルさんと切れていないと運命を感じたわ」
「私は一心不乱に聡子を大事に育てた。
サトルさんと私の子だもん」
「でも、サトルさんと連絡も出来なかった。会いに行く事も出来なかった。
今の私にはその資格が無いと分かっていたから……」
「お母さん、サトルさん、サトルさんって毎日の様に言っていたよ!
サトルさんはこうすれば喜んでくれるのよって私に色んな事を教えてくれたわ」
やっぱり美和子か。
「聡子が中学生になった頃ロロちゃんが現れて色々教えてくれたのよ。
今迄の真実をね。メグミが死んだのは中田氏さんから聞いていたけどその背景までは知らなかった。テレビも少ししか見てなかったし」
「その時ロロちゃんの、言う通りにすると高校進学時に皆んなで暮らせる様になるって聞かされたのよ」
「それから二人で頑張ったわ私は聡子ちゃんのサポートに徹して応援のよ」
「ん?所で仕事は何をしていたんだ?」
「色々探したんだけど全て駄目だったわ
私が耐えられなかったのよ!女性ばかりの職場だと言ってたのに面接では気持ち悪い男が出て来て逃げ帰ったし、リモートだからと応募したら男ばかりで私事色々聞いてくるから、パソコンぶち壊してあげたわ!」
以外と短腹な美和子さんだった。
「生活費はシングルマザーだと役所からの補助が出るし毎月サトルさんの口座から20万振り込まれていたわよ」
「えっ!俺の?」
『結婚当初、生活費の足しにしてくれとお姉ちゃんの口座に自動振り込みをしていたんだよ』
「そうなん」
「今じゃ倍にしてお返し出来ますよ
ロロちゃんが銭ゲバ君に対抗して投資などで増やしてくれたから」
はぁ、やり過ぎたんだろうな……
ニッコリ笑う美和子さんは素敵だ。
「それで、チェーンカッターを持って来たのか」
「チェーンカッターは私のアイデアだよ
運命に雁字搦めに縛られた私達の鎖を断ち切る為だよ」
自分でも名言だと胸を張る美和子。
ぽよ〜んと揺れるオッパイにムラムラが止まらない。
「それにサトルさんはいつもドアチェーンを掛けていたでしょう?」
「あー!僕自分の部屋に行っているから」
「そうか、晩御飯出来たら呼ぶよ」
「じゃ、待っている」
そそくさと、エレベーターに乗り込む新太の前が膨らんでいた。




