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第69話 タマちゃん言うな!

 カオリが都会に帰り一人になると、私は部屋に閉じ籠り食事も満足に摂る事が出来なかった。


 優しかったサトルさんの笑顔が浮かび上がる度、私がサトルさんの忠告を無視してクズの餌食なった事を思い出した。


 その時のサトルさんの悔しいそうな顔、全てを諦めた顔そして、サトルさんの物なのに穢された自分が情けなくて悔しくて生きているのが辛くなるだけだった。


「美和子ちゃん、少しでもいいから何か食べて頂戴」


 ドアの向こうからお母さんが声を掛けてくれる。


「お母さんいらないから下げてください」


 力の無い声が返ってくる。体力が衰弱しているのは明らかだった。


「美和子ちゃん食べないと駄目だよ!」


「うっ、うっ、サトルさん……御免なさい

馬鹿な私で御免なさい……うっ、うっ、」


「美和子ちゃん!」……また泣いている……



「どうなんだ?美和子は」


「一切食事も手を付けていません……

部屋に閉じ籠り泣いてばかりです」


父親もそうかの一言しか言えなかった。


 でも、このままでは美和子の身体が持たない……どうするべきか……病院に入院させるか……


 ふと、思い出した、宮田さんが態々美和子を車で送ってくれた事を、その日が初対面なのに……襲われて男性恐怖症が酷くなったと言っていたな。


 これで男性医師などに診られたら、と思うと生きた心地がなかった。


「これは、お母さんとも共有しておかないと駄目だな」


 女性医師を色々探していると美和子がトイレに駆け込んで来た。


「美和子ちゃん!どうしたの!」


トイレでゲーゲー吐いている?


「美和子ちゃん!アナタまさか!」


「お母さんお願い検査薬買ってきて……」


美和子のか細い声が聞こえてきた。


「分かったわ!美和子ちゃん、先ずは横になって頂戴!」


母親に諭されてベッドに横になった。


「まずは、これを飲んでね」


 スポーツドリンクを渡された少しずつ飲むが咽せてしまった。


 美和子ちゃん!母親は慌てて背中をさする。


「ユックリ飲むのよ」


 チビチビと口に含み飲み込んでいく

三日間何も口にしていなかったが

スポーツドリンクでも口にして貰い一安心する母親だった。




 ノックをして母親が美和子に声を掛けると中から返事があった。


「美和子ちゃん検査薬買って来たわよ

入るわね」


 心なしか、美和子の顔に生気が戻って来たように感じた母親。


 ユックリと身体を起こし検査薬の説明書を読み始めた。


「朝一番がいいのね」


「お母さん私ご飯をたべるよ。その前にお風呂に入るわ」


「そうかい、じゃ準備しておかないとね

お風呂が沸いたら呼ぶからそれまで寝ているといいわ」


嬉しそうに階段を降りていく母親。


「うわー!私の頭ベタベタだよ、顔も洗っていなかったわ!なんか臭いがする。

サトルさんに嫌われてしまうわ!」


次の日の早朝。


 しっかりと検査薬には赤い線がハッキリ見えていた。



「次のターゲットは?」


「おっ!最後の大物松坂メグミだとよ」


 それを聞いた新しく入った男の肩がピクッと反応した。


「ターゲットは男達四人と一緒みたいだな

半グレのチンピラだな」


「バットだけで行けるのか?」


 ヤバいもんでも所持してたらコッチがヤバくなる。


「チャカさえ持ってなければ何とかなるんじゃね」


「不意を突いての奇襲が成功の鍵だな

で今回は助っ人としてチームサンダーランスが来てくれた」


「どうぞ入ってくれ」


ドアから、うら若き女性が登場した。


「お邪魔する」


「おお!」男達が感嘆の声をあげるのだ。


サンダーランスは女性だけの三人組だ。


「皆んな美人だけど荒事は大丈夫なのか」


「その辺はそこいらの男達よりよっぽど腕が立つよ。なんせ彼女達は現役の警察官だったからな」


「ヨロ!サンダーランスで〜す!

警官辞めてマンハントになりました!」


「随分と軽いな元ギャルなのか?」


ジト目で見つめる男達。


「いんや、ギャルじやない!あっゴメン一人いたわ!」


「元ギャルは私です」


「「えっえーー!!」」


「なぜそんなに驚くのだ!」


「だってよ一番ギャルぽっく無いじゃん

なんか、大人になったタマちゃんみたいに見えるんだが……」


 一瞬にムッとしたタマちゃん見たいな人がその男の鳩尾に一発喰らわせる。


「雷槍!弱」


バッチ!


「ぐぇっ!」


男は思わず膝をついてしまった。


「気をつけなタマちゃん一番凶暴だから」


「ぐっ、早く言えよ!」


「タマちゃん言うな!私の名は裕子だ」


「それは、スタンガンなのか?」


「ああそうだ!接近戦用に警棒式のも装備してるぞ」


ひゅぅ〜!


男が口笛を吹いた


「おっかねぇーな」

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