第50話 翌朝
「ここはどこだ?……知らない天井……
あーホテルか……左腕が痺れてる?」
更に右手に大きな幸せの塊が……
「はっ!まさか!……三和子さんか……」
裸の三和子さんに僕が寄り添って寝ていたのだろう僕も裸だ。
僕はホッとした。新婚初夜からやらかしたのではないかと……
痺れた左腕を起こさない様にそっと引き抜き右側に寝返ると、また幸せの塊の感触が左手に伝わる。
無意識に揉み、先端をクリクリすると、あ〜ん……と女の人の悩めかしい声が……?
「えっ?!!」
「いやぁぁーー!!だれぇなのーー??
えっ!メグミさんーー?!!」
「どうした?朝っぱらから大声出して」
バスルームから髪の毛をバスタオルで拭きながら裸の良子さんが現れた。
「良子さんもいるぅーーー!!」
「サトル昨日は凄かったぞ!久々に白目を剥いたわ、それに顔に掛けるから髪に着いたのを落とすの大変さ!」
「えっ……スンマソン」
「ありゃ?三和子ちゃんまだ白目を剥いてるのか」
「えっ寝ているのでは?」
良子さんが三和子さんを仰向けにすると確かに白目を剥いていた。半開きの口からは涎が垂れている。
「なんか、ごめんね三和子さん」
「ひやー!酷い目にあったわ」
「あっメグミさんおはよー!」
「サトルのここはどうなっているのよ!」
あうっ!いきなりメグミさんに掴まれ
僕は身動きが取れなかった。
「いや、朝だから……ただの生理現象です
御免なさい……」
「なんで謝るのよ!こっちは大変コレにお世話になっているのよ!」
「ほら、メグミちゃん折角三和子ちゃんが白目を剥いている隙にシャワー浴びて部屋に戻るわよ」
「ああ、そうね三和子も起きたら私達の事夢だと思うわね」
「そう言う事さ」
シャワーを浴びてそそくさと部屋を出るメグミさんと良子さん、こそドロ感が滲み出ているように見えた。
「う〜ん、あれ?私寝てしまったのね」
いいえ、貴女はずぅーと、白目を剥いていましたよ。と教えてあげたいが彼女の名誉の為僕は口を閉じる。
「うふふ、サトルさん!」
裸の三和子さんが抱きつき僕とキスをする。
「三和子さん」
「あれ?サトルさん、私でこうなったのね」
いえ、さっきまでメグミさんに扱かれて彼女はそのままシャワーを浴びて部屋に戻ってしまったんだよと、彼女に教えてあげたいが僕の名誉の為、僕は口を閉じる事にした。
僕達はお互いを感じ合う様にゆったりと愛し合った。
「あれ?なんか忘れている様な……」
「三和子さん!」
僕はベッドに座り彼女を抱え込む。
「あ〜ん!サトルさん〜!……あっ!
思い出した!メグミと良子さんだ!」
メグミさん達はルームサービスを装って僕達の部屋に乱入して来た。
なんか手慣れているしヤバい人達かもしれないと僕は思ったのだ。
貴方達の愛の記録を残すのよ!
って、新婚初夜の記録だとスマホで撮影を始めたのだ。
三和子さんも普段からこのメンバーだから緊張もせずに気にもせずに受け入れていた。
決して僕が調教したのではない。
僕達の自然な流れなのだと自分に言い聞かせる。
当然この二人も我慢が出来なくなり乱入して来た。後はいつものようにやっただけさ。
朝食を取りにレストランに入ると泊まり組が、ほぼ揃って食事をしていた。
食べ終わった人は窓際のソファに座りながら食後のコーヒーを飲んだり談笑して寛いでいるのだ。
大きなガラスの向こうには美しい庭園が見え都会の中とは思えない落ち着いた雰囲気がある。
「おはよーお父さん」
「おはようございます」
「三和子にサトル君か、おはよーだな」
「あらあら、アンタ達後でもいいから皆様にご挨拶するのよ」
「分かっているわよお母さん」
「うぇへへっ!昨日はお楽しみでしたか?
新婚初夜だもな、やるよな絶対」
軽薄そうな親戚のおじさんポジションなのか周りが、また始まった様な顔をしている。
「なあ、なあ、三和子ちゃんの旦那は上手いのか?ガフッ!……」
ほら、奥さんに殴られた。確実に肝臓を狙ったレバーブローだったぞ。
旦那さんは激痛で蹲り動けないようだ。奥さん何者?
「ごめんね三和子ちゃんに旦那さん、この馬鹿が二度と軽口ができない様に躾けて置くからね」
「「あい……」」
背筋に悪寒が走った。
「サトル君ちょっと……」
お父さんが僕にチョット、ツラ貸せやと言っている。僕は三和子さんに目を向けると彼女は静かに頷いた。
お父さんとこの場を離れるとこう切り出して来た。
「最終確認だ。不貞の確認が取れたなら」
「一発離婚ですよね。どんな理由に関わらず。そうでしたね」
「ああ、それは三和子を守る為そして、君への牽制にもなる」
「それは、僕も同じ事を考えていました」
「なに!ウチの三和子が不倫をするだと」
「今の世の中何があっても可笑しく無いですからね。万が一なんて普通に起こりますよ」
「……話はそれだけだ」
「僕もキチンと確認が取れましたし、その為には僕も義務を果たしませんとね」
「分かっていれば良い」
「僕の奥さんですから、大切にするし守りますよ」
「ああ、三和子を宜しくサトル君」
「はい!」
「何を話しをていたの?」
「ん?男と男の話さ、この街の風俗情報ね僕は良く知らないけど中田から聞いた話をまるっと伝えたよ」
「でも中田さん北海道旅行まで経験がないんでしょう?」
「だからさ、その時の為に異常なほど情報収集をしているだろう」
「確かに……」
「糞ニィと姉さんここに居たのか」
「あ、なんだお前か?まだいたのか
親父達と帰ったと思ってたぞ」
「折角の都会じゃん糞ニィの所で暫くやっかいに、なろうと思ってね」
「えー!お前、邪魔だし煩いからヤダ」
「おい!可愛い妹だろ兄貴の度量見せろや
生え際だけ広くなりやがっギャッ!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
アイアンクローは止めろ!」
「美紅ちゃんは、ホント可愛いよねハグしてあげる」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
何が!ハグだベアハッグだべや!!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
腰が折れるーー!!離せ!ハゲ!」
「美紅ちゃん、可愛いいからチューしてあげる。何処がいい?オデコ?ほっぺ?
それとも唇?唇は今ならオプションで舌を絡ませてあげるよ」
「止めろー!変態ー!糞っ!死ねハゲ!」
ドンッ!
「ギャッ!」
短い悲鳴と共にサトルは床に蹲った。
まるで土下座をするかの様に。
「テメェ!兄の兄玉に膝をぶち込みやがって……」
「サトルさん!」
「痛いよ三和子さん〜!」
「サトルさんもやり過ぎよ!」
「えっ?」
「クッソ!愚妹よ兄からのサプライズだ学校の裏サイト見てみ」
股間を押さえ丸まった背中で床に這いつくばったままで、顔だけあげるサトルの顔は歪んでいた。
「裏サイト?……ギャーー!!何を晒してんのじゃー!糞兄貴ーー!!」
そのサイトには二人の顔だけにモザイクが掛けられただけの例の写真だ。
「テメェ!!投稿者の名、私のフルネームじゃねぇかっ!!」
「ふっあはははははは!ザマァ!!」
「死ね!糞ニィ!!」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
踏みつけるな!ストンピングすんな!」
「神島!大丈夫か?今僕が止めるからな」
中田は背後から美紅を抱きしめ凶行を止めようとしたが……
「いやーー!!テメェーーー!!!
金も出さずに女子高生のオッパイ触ってどうなるか、分かってんのかーー!!」
ドゴッ!ドゴッ!と美紅の左右からの肘打ちが中田の脇腹に見事に決まり悶え苦しみ、床に崩れる中田氏。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
踏みつけるのは止めてー!美紅さん!」
「煩い!助平親父!!」
「ひぃーーっ!!」
「三和子さん、本当に旅行に行かないのかい?」
娘の愚行に気にもせずに話し掛けてくるお袋は、美紅が口だけだと言う事を知っているからだ。
口の悪さが治ればいい子なんだけどね。
「あ、お父様お母様、実は忙しさにかまけて新婚旅行の事が頭からスッポリと抜けていたんですよ」
「そうなのかい?」
「それで、落ち着いたら改めて出掛けることにしたんです。二、三日は家でゆっくりしていますよ」
「サトルが甲斐性なくて申し訳ない」
「お父様頭を上げて下さい!
サトルさんはとても素敵な人です。私結婚出来て幸せです!」
「三和子さん……」
サトルの両親は三和子を見てホッコリと微笑んだ。
「サトルには勿体無い嫁さんだ」
「お父さん私もよ、美紅帰るわよ新婚さんの邪魔をすると婚期が遅れるわよ」
「えっ!マジ……じゃ帰る!
糞ニィ!写真削除しておけよ!」
それを離れて聞いていた人達が居た。
「えっ!婚期が遅れるって良子さん」
「何、今更ビビってる?新婚初夜に乱入する女なんて、遅れるのに決まっているだろう」
「んー確かに」
「自覚あったんかい」




