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第38話 お庭でバーベキュー

「と言う訳でバーベキューをする事をなったんだサトル」


突然そう、のたまう親父。


「どう言う訳か分からんが賛成だな」


「でだサトルは母さんと買い出しに行け」


「おう、色んな物買って来たら良いんだな」


「木炭と飲み物と後チョットしたお菓子も必要だな」


「じゃ母さん行くか!皆んなもチョット買い出しに行って来ます」


「私も行きます!」


 三和子さんは、慌てて僕に駆け寄って来た。


「この時期スーパーも混んでいると思うから三和子さんには少しキツイかも知れません。直ぐに帰って来ますので皆んなと待っていて下さい」



「三和子、庭でタープテント立てるって」


「うーん、分かったわ!サトルさん気をつけて行ってくださいね」


「あいよ!」



「タープテントって何?おじさん」


「新太君おじさんは酷いなお兄ちゃんと呼んでもいいんだよ」


「分かった」


 素直な新太君は可愛いと皆んなが思ったようだ。


「タープテントは屋根だけのテントなんだ。

寝泊まりはしないけど皆んなが集まってお話ししたり、食事をしたりするんだよ。

壁代わりの布はメッシュになっていて風通しも良くて虫除けにもなるんだ」


そこで美紅が補足をする。


「北海道ではバーベキューをする時はタープテントか、ガレージで行う所が多いよ」


「うん、分かった!ありがとうお兄ちゃんと美紅姉ちゃん」


「うひょー!メンコイわ!ウチの子にならない?今なら毎日一緒に寝てあげるよ」


腕を組み斜め上を見る新太君。


「う〜ん今は特に必要がないかな?」


「ガッハハハ!美紅周りを見て見ろ!

お前なんて地べたを這いずる芋虫だろ」


「ムキーー!実の娘に言う言葉か!」


 くっそー!なんてバカデカい乳してんのよ!メグミさんが普通に見えるけど相当のデカさだべさ!


 糞ニィの会社、容姿とデカパイだけで採用してんのよ!間違いないべや!

という事は私もワンチャンありね。




「えー!中出しさんって中田さんなの?」


「中田タダシで周りの人は中田氏と呼んでいるわ」


「へー、てっきり、初対面の女の人にも平気で中出しする鬼畜な人かと思っていたのに」


「良子さんと同じ事言うわね」


「皆んながそう思っているんじゃない?」


「でも、中田氏経験が無いのよ」


「えー!今のが、なまらビックリした!中田さん糞ニィと同じ歳なんでしょ?

 なら、このまま行けば後二年で魔法使いになるんだよね。

そしたら、肉便器まっしぐらの女子校生を助けて異世界に行ってハーレム王とかセクハラ大王とか呼ばれんのね」


「あはは、そこまでは行かないけどセクハラ大王には成りそうだね」


確かにと良子と三和子は思った。


「わるい!屋根を立ち上げるから手を貸してください!」


「おう!野郎ども行くぜ!」


「ひゃー!メグミさん男前ー!」




 車のエンジン音が聞こえて家の前で車が止まった。


「あ、糞ニィが帰って来た」


「皆んな見てくれ!凄い物を手に入れて来たぞ!コレだ驚け!」


 サトルは大きな発泡スチロールの箱から何かを取り出した。


「見ろ!」


「うわーー!!糞ニィ!!タラバじゃん!

それも糞デカいやつ!」


「お母さん!あれ蟹なの?凄い大きいね」


「ウワッハハハ!脚一本で腹一杯になるぞ!」


「お高いんじゃなくて」


「お高いぞ!毛蟹とズワイもあるぞ!」


「すげぇーな神島!王様かよ!」


「まだまだ、あるからな牛さんの焼肉セットもあるぞ貝付き帆立や牡蠣もアスパラとトウキビもだー!」


「うっひょー!糞ニィ、速焼くべや!」


 早速、真っ赤に燃えた炭の上に金網と鉄板が敷かれ帆立や牡蠣、タラバが置かれ、その横では、カルビやハラミ、タン、ロースなどが焼かれ、肉の焼ける良い匂いが辺りに広る。野菜やトウキビも忘れてはいない。


ぐぅ〜っと誰かのお腹が鳴った。


「皆んなご飯は行き渡ったか?

喰うぞー!!」


「「「おー!!」」」


「ワッハハハ!ほら中出し君、本場の札幌ビールだ飲め飲め!」


「お父さん、いただきます!」


ぐびっ!


「ぷっはーー!うめぇーー!」


「ほら、良子さんも飲んだ飲んだ」


「あら、お父様、私酔っちゃうわ」


プッシュ!


「ぐびっ、ぐびっ、ぷっはーー!」


「冷たくて美味しいです!」


 良子さん色っぽいですよ。ってかさっき迄ビアガーデンで飲んでたんだよな。


「あ、お母さんのお口に白い髭だ」


「あらやだ、恥ずかしいわ」


 そそくさとハンカチを取り出し口紅を着けないないように軽く押し当てる。


「帆立も口を開いたか、上の貝がらを外して醤油を掛けて、ひと煮立ちで食べれるぞ!ウロだけ食べたら駄目だからな」


「ウロ?」


新太君が頭を傾げる。可愛いぞ!


「黒い塊だよ」


「あ、コレだね」


 帆立の貝柱の後ろに丸っとした黒い玉のようなものがある。それがウロだ。


「そう、食べないようにね」


「はーい!」


「よしサトル、ワシがカニ甲羅焼きを作ってやる」


 少し酒が回り調子に乗って来た親父が蟹の甲羅を外し出し、味噌と日本酒を少し混ぜ、剥いたカニの身を甲羅の中に入れて刻みネギをまぶして、網にのせた。


「カニ自体はボイルされているから、そのままでも、美味しく食べられるがこの甲羅焼きを食べたら人生が変わるかもしれんぞ」


 何を大袈裟なと思い、ふと、周りを見るとメグミさんは毛蟹、中田と三和子さんはズワイ蟹に被りついていた。


「やけに、大人しいと思ったよ」


「糞ニィ、カニを食べると無言になるって本当だったんだ」


「俺も今気付いた」


 愚妹美紅と新太君は焼肉を母さんはトウキビに醤油を塗って食べている。


「サトル、今年のトウキビの出来はいいようね」


 業者さんのように言う母さん、それは去年の冷凍ものだよと、優しい僕は言えなかった。


「どれ、良い具合に火が通ったようだ。

良子さん騙されたと思って、食べて見なさい」


「えー!私お父様に騙されるのですか?」


小聡明いよ、良子さん。

親父も鼻の下が伸びてんぞ!


 皿に乗せたカニ甲羅焼きを受け取ると

箸で一掴みを口に含んだ。


 くわっ!と音がしそうな程両手眼を見開く良子さん、思わず叫んでしまったようです。


「なんじゃ!これっーー!!」


「メグミちゃん!コッチ向いて口を開けなさい!」


「えっ?」


ぱくっと、口にするとメグミさんも、


「なんじゃー!コレっーー!!」


「ガッハハハ!どうじゃ!美味いだろ冷たい冷酒もあるぞ」


「「是非是非!いただきます!!」」


二人の声がシンクロした。



「三和子さんの分は僕が作るよ」


「ありがとうサトルさん」


 くっそー!神島の奴二人の世界に入りやがってまるで、恋人同士じゃないか!


「恋人じゃなくて婚約者じゃない?

中出しさん」


「えっ!美紅ちゃん」


「全部声に出していたよ」


「えーー!!」


 驚愕の事実に狼狽える中田、今更感がするが……


「中出しさん、私が貴方の分を作ってあげるよ」


「ええ!いいのかい?君みたいな可愛い

女子高生に作って貰って!

幾ら払えばいいのかな?」


少し引く女性陣、中田キモいぞ!


「お金なんて要らないよ!だから私の作っている所をちゃん見ていてね」


「分かったよ美紅ちゃん」


 中田は一切美紅から目を離さなかった

顔、胸、太腿からは。


すげぇーな、若いから肌にハリがある。


「中出しさんって童貞なの?」


「ど、ど、童貞ちゃうわ!」


「オッパイなんて触った事あるの?」


「そんなの、あるワイッ!たんと聞いて驚けメグミさんのオッパイだぞ!」


「えー!ウソ?」


「中田キチンと説明しないと駄目だぞ!」


「分かってるワイッ!メグミさんをおぶった時、僕の背中にメグミさんのオッパイの感触が残ってんだ!

帰ったら背中のその部分だけタトゥーを入れようかと思うほどだ!」


拗らせ過ぎね。

馬鹿だね。

中田さんキモい!

ひゃー!変態!

一途じゃのう中出し君。

母さんはふふふと笑っている。


「直接触れた事はないんだね?

じゃ、これは?」


「ひゃー!美紅ちゃん!」


美紅は中田の腕にしがみ付いた。


 美紅はタンクトップに短パンのラフな姿で、中田に新たな記憶を植え付けたのだ。


「み、み、み、美紅ちゃんのが……直に感じられましゅ……」


「あらら、中出しさん私で、そうなったんですか?」


中田の前は膨らんでいたのだった。


「ち、ち、ち、違うわいっ!

メ、メ、メグミさんでこうなったんだぁ!」


「僕は最低でも毎日、朝昼晩とトイレに三十分間篭り、メグミさんに祈りを捧げているのだぁ!」


ドガッ!


「ぐぇっ!」


「中出しさん!!」


「ひぃ!サトルさん……私ビール瓶で人を殴る人、初めて見ました……」


「ボ、僕もだよ……」


 白目を剥いた中田の襟首をムンズと掴みテントの隅に転がすメグミさん。


彼女は普段通りだった。


「なによ、頭じゃ無いでしょ血が出てないし、明日は少しだけ肩と首の付け根が痛いだけだよ」


それで、済むとは思えないないが……


「さあ、こんな御馳走は滅多に当たらないんだから皆んなで食べるべし!」


「……はい」


「中田君寝ていてもキモいわね。そうだコレを顔に掛けてあげればいいんじゃない?」


 良子さんはテーブルの、こぼしたタレとかを拭いていた雑巾を中田の顔に優しく掛けてあげた。


「死んだ人みたい……」


 美紅が呟くとメグミさんは、しれっと、寝ているだけよと、言った。


バーベキューは始まったばかりの筈だ。



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