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羅針盤が示す異世界で。  作者: AIで書い太郎
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第47章 世界の始まり


 光の階段は、どこまでも続いていた。

 一歩踏み出すたびに、周囲の景色が溶けるように変わっていく。

 星々が生まれ、消え、時間そのものが流れているような不思議な空間。

 レイはアリアを背負い、ゆっくりと歩いた。

 アリアの呼吸は弱いままだ。

「もう少しだけ待っててくれ。絶対に助けるから」

 その言葉に、アリアは小さく微笑んだ。

「……はい」

 やがて階段の先に、巨大な円形の神殿が現れた。

 柱は空まで届くほど高く、床には羅針盤と門を組み合わせた巨大な紋章が刻まれている。

 神殿の中央には、一枚の巨大な水鏡が静かに揺れていた。

 創世の選定者は、その前で立ち止まる。

「ここが、この世界の始まりです」

 レイは辺りを見回した。

「ここが……?」

「はい。あなたが今まで旅をしてきた世界。その誕生の記録が、この鏡に眠っています」

 彼女がそっと水鏡へ触れる。

 波紋が広がり、映像が浮かび上がった。

 そこには、まだ何もない真っ白な空間が広がっていた。

「昔、この世界には何もありませんでした」

 その白い空間に、一筋の光が生まれる。

 やがて光は巨大な羅針盤となり、ゆっくりと回り始めた。

「最初に生まれたのが、『世界羅針盤』です」

「世界……羅針盤?」

「世界の未来を選び、無数の可能性から最善を導く存在です」

 その光から、大地、海、空、命が次々と生まれていく。

 まるで世界が描かれていくようだった。

「では、虚界は?」

 レイの問いに、創世の選定者は静かに頷く。

 映像が変わる。

 世界の外側に、真っ黒な闇が現れた。

「光が生まれた瞬間、その影として虚界も誕生しました」

 黒い闇は世界へ何度も侵入しようとする。

 そのたびに光が押し返す。

「光と闇は均衡を保っていました。しかし──」

 映像が激しく揺れた。

 一人の青年が映る。

 腕にはレイと同じ羅針盤の紋章。

「この人は……」

「二代目選定者です」

 青年は世界を守るため戦い続けていた。

 だが、最後の戦いで導者を失う。

 膝をつき、絶望した青年は叫ぶ。

『もう選びたくない……!』

 その叫びと同時に、羅針盤が砕け散った。

 世界全体が激しく揺れる。

「まさか……」

 創世の選定者は悲しそうに目を閉じた。

「選定者が希望を失うと、世界羅針盤も傷つきます」

「その傷から生まれたのが……」

 水鏡に巨大な黒い影が映る。

「虚界王です」

 レイは息を呑んだ。

「虚界王は最初からいた存在じゃないのか……」

「ええ」

「虚界王は、人々の絶望と、選定者の後悔が集まり生まれた存在です」

 静寂が流れる。

 つまり──。

「俺が絶望したら……」

「第二の虚界王が誕生します」

 重い現実だった。

 アリアが弱々しくレイの手を握る。

「だから……レイは、笑っていてください」

 レイはアリアを見つめる。

「そんな状態で、俺の心配かよ」

「……はい」

 苦しそうなのに、優しく笑う。

 レイは強く頷いた。

「約束する。俺は絶望しない」

 その瞬間、神殿全体が金色の光に包まれた。

 創世の選定者が微笑む。

「その言葉を待っていました」

 神殿の奥で、大きな扉がゆっくりと開いていく。

 その先には、七色に輝く巨大な結晶が浮かんでいた。

「レイ。あれが世界羅針盤の核です」

「核……?」

「アリアを救う方法は、あそこにあります」

 しかし次の瞬間。

 バキッ──!!

 世界羅針盤の核に、黒い亀裂が走った。

 神殿が大きく揺れる。

 創世の選定者の表情が一変した。

「そんな……もう虚界王がここまで……!」

 黒い霧が神殿へ流れ込み、聞き覚えのある低い笑い声が響く。

「ククク……ようやく見つけたぞ」

 闇の中から、虚界王が姿を現した。

「世界の核ごと、すべてを終わらせてやろう」

 レイは静かにアリアを下ろし、羅針盤を握る。

「もう逃がさない」

 創世の神殿で、最後の決戦が始まろうとしていた。

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