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羅針盤が示す異世界で。  作者: AIで書い太郎
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第45章 導者の宿命


 白き光と黒き闇。

 二人の導者が放つ魔力は、終焉の地そのものを揺るがしていた。

 アリアの白い翼が大きく広がる。

 イリスの黒い翼もまた、空を覆うように羽ばたく。

 互いの視線が交わる。

「イリス……」

 アリアは静かに名を呼んだ。

「今なら、まだ戻れます。」

 イリスは小さく笑う。

「お姉様は昔から変わりませんね。」

「最後まで誰かを救おうとする。」

「ですが、それでは世界は変わらない。」

 黒い杖がゆっくり持ち上がる。

「《虚門解放・アビスゲート》」

 無数の黒い門が出現し、虚界の魔力が噴き出した。

 終焉の地の空が闇に染まる。

 レイは羅針盤を構えた。

「アリア!」

「はい!」

 二人の紋章が共鳴し、金色の光が広がる。

 しかし、その時だった。

 ズキッ……。

「ぐっ!」

 レイが膝をつく。

 胸の紋章が激しく痛む。

 アリアが慌てて駆け寄る。

「レイ!」

 ゼロも表情を変えた。

「まずい……。」

「どういうことだ?」

 ノアが尋ねる。

 ゼロは苦しそうに答えた。

「二つの羅針盤は、本来ひとりの選定者が長時間使えるものではない。」

「命を削っている。」

 レイは息を整えながら立ち上がる。

「……それくらい覚悟の上だ。」

「馬鹿者!」

 ゼロが初めて怒鳴った。

「私が何のために数千年待ち続けたと思っている!」

 その声に、レイは目を見開く。

「君には生きてほしい!」

 ゼロは拳を握り締める。

「私は救えなかった!」

「導者も、未来も、自分自身も!」

「だからこそ、お前だけは生き残れ!」

 その叫びには、数千年分の後悔が込められていた。

 レイは静かに笑う。

「ゼロ。」

「俺は一人じゃない。」

 隣にはアリアがいる。

 仲間たちがいる。

「だから、きっと違う未来を選べる。」

 その言葉に、ゼロは目を閉じた。

「……そうか。」

 わずかに笑みが浮かぶ。

「やはり、お前が最後の選定者でよかった。」

 その瞬間――。

 イリスが巨大な魔法陣を展開した。

「終わりです。」

 黒い空が割れ、虚界王の力が流れ込む。

 巨大な黒い槍が空から落下する。

 狙いは――レイ。

「危ない!」

 アリアが飛び出した。

「アリア!」

 レイが叫ぶ。

 ドォォォォン!!

 凄まじい衝撃が終焉の地を揺らす。

 土煙が舞い上がる。

 やがて煙が晴れると――。

 そこには、レイをかばうように立つアリアの姿があった。

 しかし、その胸には黒い槍が深く突き刺さっていた。

「……え?」

 レイの思考が止まる。

 アリアは苦しそうに微笑んだ。

「……よかった。」

「間に合いました。」

「アリア!!」

 レイは駆け寄り、その身体を抱きかかえる。

 白い服が赤く染まっていく。

 イリスも驚いた表情で立ち尽くしていた。

「そんな……。」

「お姉様……。」

 アリアは震える手でレイの頬に触れる。

「泣かないでください。」

「私は……導者ですから。」

「そんなこと言うな!」

 レイは必死に傷を押さえる。

 だが、傷は塞がらない。

 導者の身体を蝕む虚界王の力。

 アリアは静かに首を振った。

「レイ。」

「お願いがあります。」

 その言葉に、レイは息を呑む。

 アリアは涙を浮かべながら、それでも優しく微笑んだ。

「最後まで……未来を選び続けてください。」

 その瞬間、アリアの紋章が淡く光を放ち始めた。

 まるで何かが始まろうとしているかのように――。

 終焉の戦いは、誰も予想しなかった悲劇へと大きく動き出した。

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