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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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楽園の意味

夜。


湖畔。


珍しく静かな時間。


爆発なし。


巡礼なし。


ノアもいない(奇跡)。


「……」


水面が揺れる。


風が流れる。


終末世界とは思えない光景。


「……なあ」


誰ともなく口を開く。


「この拠点ってさ」


リナが小さく視線を向ける。


「……楽園なんだよな」


「……不本意だけど」


否定しない。


エリシアも静か。


「客観評価として妥当です」


水。


安全。


安定。


日常。


外の世界にはないもの。


「……でも」


ガルドが呟く。


「このままだと」


「世界の重心がズレるぞ」


妙に重い言葉。


だが間違っていない。


「……」


俺は湖を見る。


「ここがあるから」


「人が集まる」


「争いが生まれる」


「奪い合いが起きる」


楽園は希望であり、


同時に火種でもある。


「……皮肉ね」


リナが苦笑する。


「平和に暮らしてただけなのに」


「だいたいノアのせいですが」


「違うと思う」


今回は本当に世界のせいである。


「……どうする?」


シンプルな問い。


だが重い。


拠点を維持するのか。


閉じるのか。


拒絶するのか。


受け入れるのか。


「……」


沈黙。


夜風だけが流れる。


その時。


「私は」


エリシアが口を開いた。


全員が視線を向ける。


「この場所は嫌いではありません」


極めて珍しい発言。


「……ですが」


一拍。


「選択は必要です」


夜の湖畔に、


静かな現実だけが残った。


そして誰も、


まだ答えを持っていなかった。

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