楽園を探す者たち
「本当にあるのか……?」
荒野を進む小さな一団。
疲弊した装備。
消耗した表情。
「噂だろ」
「だが……」
視線の先。
遠く。
わずかに揺れる光。
「……水?」
終末世界で最もあり得ない光景。
「まさか……」
歩調が速まる。
疑念と期待が交錯する。
「噴水……?」
「なんで?」
理解不能。
だが確かに見える。
巨大な水柱。
湖。
そして。
「……建物……」
沈黙。
誰も言葉を失う。
「本当に……あった……」
楽園。
噂の領域。
理不尽の象徴。
その異常存在を、
彼らはついに視認した。
「……どうする」
極めて重要な問い。
「近付くのか?」
「危険だという話もある」
「だが……」
喉が鳴る。
乾ききった世界の住人。
「……水がある」
その一言が全てを覆す。
「行くしかないだろ……」
一団、慎重に接近。
恐怖よりも渇望が勝る。
一方その頃。
楽園内部。
──ボンッ!!
「ぎゃああああああ!?」
「なぜ爆発するのですか!?」
「お前だよ!!」
「……」
「……え?」
「……爆発……?」
外部勢力、新たな真実に困惑。
「楽園では……?」
「なぜ日常的に爆発音が……?」
最悪の第一印象である。
「……帰る?」
「いや待て」
「ここまで来てそれは……」
終末世界の住人。
極めてタフである。
「……とりあえず」
「様子を見るぞ……」
こうして。
新たな来訪者たちは、
世界でもっとも信用できない環境へ足を踏み入れた。
主にノアのせいで。




