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盛大な勘違いを伴う進軍
荒野。
武装車列。
明らかに物騒な集団。
「目標は例の湖だ」
指揮官の声。
緊張した空気。
「報告通りなら……」
「超資源地帯」
「高位技術保持者」
「環境支配領域」
「……確保すれば世界が変わる」
非常にそれっぽい理屈。
だいたい間違っている。
「ですが指揮官」
「危険性評価は?」
「問題ない」
自信満々。
最悪のフラグ。
「あれは所詮、単独勢力だ」
実態:
生活支援AI+日常爆発拠点。
「制圧可能と判断する」
「了解!」
完全にダメな流れである。
数時間後。
「……あれか」
車列停止。
視界の先。
湖。
噴水。
異常拠点。
「……なんだこれは」
全員沈黙。
「報告の誇張ではなかったのか……?」
「規模がおかしい……」
「本当に終末世界かここは……?」
だがもう遅い。
勢力は動き始めてしまった。
「……前進」
極めて不安を含んだ命令。
一方その頃。
拠点。
「なんか外うるさくない?」
「気のせいじゃないか?」
「武装反応多数接近中」
エリシア真顔。
「え?」
「え?」
「え?」
いつもの平和な朝。
終了のお知らせ。
「ノア」
「違いますよ!?」
まだ何も言っていない。
「なぜ毎回疑われるのですか!」
「実績」
こうして。
世界の命運を賭けた勢力は、
だいたい間違った認識のまま
最悪の拠点へ接触しようとしていた。




