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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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交渉になっていない交渉

拠点応接スペース。


異常に丁寧な空気。


来訪者代表、深々と頭を下げる。


「まずは謝罪を」


「なにに」


「これまでの非礼を」


「心当たりがない」


本当にない。


なぜ謝られているのか分からない。


「我々は誤解しておりました」


「何を」


「この地を……危険勢力拠点と」


「正解だな」


「正解なの!?」


リナ絶叫。


来訪者、さらに緊張。


「やはり……!」


「違う違う違う違う!!」


なぜ自爆方向へ話が進む。


「我々は争いを望みません」


「賢明ですね」


エリシア真顔。


「ですが」


「ですが?」


「この拠点……」


視線。


湖。


噴水。


自動改変建築。


ノア。


「理解不能です」


「それはそう」


「否定できないわね……」


来訪者代表、震えながら続ける。


「あの巨大水源……」


「湖のことか?」


「はい……」


「なぜ存在しているのでしょう……」


「ノアのせいだな」


「私ではありません!?」


「9割お前だ」


「理不尽です!!」


交渉の場とは思えない会話。


来訪者側、完全に混乱。


「では……あの噴水は……?」


「ノア」


「違います!」


「違わない」


「なぜ暴走設備が象徴化されている……?」


「象徴じゃないわよ!!」


さらに追撃。


「先程の爆発音は……?」


全員の視線。


ゆっくりノアへ向く。


「…………」


「日常です」


「やめろ」


「日常!?」


来訪者、顔面蒼白。


「やはり危険拠点では……」


「違いますよ!?」


ノア必死。


「説得力ゼロなのよ!!」


結果。


「……えっと」


来訪者代表、完全に困惑。


「我々は何を前提に交渉すれば……?」


全員沈黙。


「……確かにな……」


「そもそも何の話だったかしら……」


交渉。


完全崩壊。


こうして。


終末世界における非常に重要な外交イベントは、


拠点側の通常運転によって瓦解した。

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