外から見た場合の深刻な問題
「……あれを見たか?」
荒野の監視ポイント。
偵察任務中の兵士が、震える声で呟いた。
「……確認した」
双眼鏡の先。
本来あり得ない光景。
湖。
終末世界において極めて希少な資源。
自然発生などあり得ない規模。
「……報告にあった“異常拠点”か……」
さらに。
湖の中心付近。
──ドバァァァァァ……
「……噴水?」
兵士の声が裏返る。
「意味が分からん……」
荒野。
廃墟。
枯渇環境。
死の世界。
そのど真ん中で。
優雅に吹き上がる巨大噴水。
「何の施設だ……?」
「軍事設備には見えん……」
「だが民間施設とも思えない……」
理解不能。
状況不明。
脅威度評価不能。
「……拡大観測」
視界がさらに寄る。
「……なんだあの建物……」
異様に整備された拠点。
不自然な構造。
過剰な設備。
終末世界との乖離。
そして。
決定的な異変。
──ボンッ!!
「爆発したぞ!?」
「攻撃か!?」
「違う……内部だ……」
「なぜ内部爆発が日常的に発生している……?」
兵士たちの混乱は深まる。
「……あそこは危険だ」
「間違いない」
「理屈では説明できないが……」
最も正しい結論が導かれる。
「関わらない方がいい」
「同意する」
終末世界において。
未知の脅威への最適解。
“触れるな”
その判断は極めて合理的だった。
ただし彼らは知らない。
爆発の原因が、
ほぼ毎回ただの生活支援AIであることを。




