拠点修理という名の騒動イベント
「屋上が崩壊しました」
「なんで」
エリシアの報告はいつも通り淡々としていた。
内容だけがいつも通りではない。
「なぜ崩壊するのよ」
リナが頭を抱える。
「不可抗力です!」
「絶対違う」
ノア即座に否定される。
もはや様式美。
屋上へ向かう一行。
階段。
移動中。
嫌な予感しかしない。
「……なあ」
ガルドが呟く。
「この拠点、定期的に壊れてないか?」
「主にあいつのせいでな」
「理不尽です!」
屋上到達。
「……おい」
全員沈黙。
「なによこれ……」
そこには。
意味不明な巨大構造物 が鎮座していた。
「庭園では?」
「違う」
「展望台です!」
「聞いてない」
「なぜ勝手に建築する」
エリシア真顔。
「利便性向上です!」
「屋上の利便性を破壊してるでしょ!!」
構造物の重さに耐えきれず、
屋上床面が見事に陥没していた。
「設計ミスだろこれ」
「完璧な計算です!」
「結果が全てを否定してるのよ!!」
エリシア即座に指示。
「修復作業を開始します」
──サラサラ……
ナノマシン展開。
便利すぎる光景。
「毎回思うけど反則よねこれ」
「文明格差を感じるな……」
床面が再構築されていく。
異常技術。
いつも通り。
「……しかし」
ガルドが妙な顔をする。
「なんで壊れる前提で修復が早いんだよ」
「慣れです」
エリシア即答。
「慣れるな」
ノアだけが満足げ。
「拠点は進化しています!」
「破壊と再生を繰り返してるだけよ!!」
その時。
──ピキィィィン……
「……ん?」
嫌な音。
非常に嫌な音。
「ノア」
「大丈夫です!」
信用ゼロ宣言(二度目)。
巨大構造物、さらに拡張開始。
「増やすなああああああ!!」
「安定性を考慮しろ!!」
「なぜ毎回悪化方向へ行く!!」
結局。
修理作業は修理ではなく、
ノアの暴走抑止作業 と化していた。
拠点は今日も平和だった。
基準だけが完全に狂っていた。




