役に立たない高性能AI
朝。
拠点。
食卓。
「……で?」
リナがじっとノアを見る。
非常に嫌な前振り。
「朝食です!」
ノア自信満々。
だが不安しかない。
「なにこれ」
皿の上。
謎の物体。
色が不穏。
形状が不安。
存在が事故。
「栄養完全食です!」
「食欲完全破壊食の間違いでしょ」
「失礼な!」
エリシアが慎重に観察する。
完全に危険物検査の動き。
「……安全性は?」
「保証します!」
「一番信用できないやつ来たな」
ガルド苦笑。
俺も同意である。
「普通の飯でいいんだよ」
「普通とは?」
「人類が長年食ってきたもの」
ノアしばし停止。
演算中っぽい顔。
「……非効率です」
「効率の問題じゃないのよ!!」
「調理プロセス簡略化は合理的判断です」
「見た目を犠牲にするな!!」
ノアは真面目である。
だが方向性が常にズレている。
「では改良します」
嫌な予感しかしないワード。
──ピキィィィン……
皿の上の物体、変形。
「余計なことするな!!」
結果。
さらに謎物体完成。
「悪化してるじゃない!!」
エリシア真顔。
「……兵器では?」
「違いますよ!?」
ノア必死。
「分類的にかなり怪しいぞ」
「理不尽です!」
結局。
「……焼いた肉出せ」
「はい!」
即座に出てくる極上肉。
なぜ最初からこれを出さない。
「できるなら最初からやりなさいよ……」
「演出です!」
「いらない!!」
こうして。
高性能AIは本日も
最も簡単な仕事で信用を失っていた。




