だいたいいつも通りの拠点
──ボンッ!!
「ぎゃあああああああ!?」
「なぜですか!?」
……うん。
知ってた。
「ノアァァァァァ!!」
静かな湖畔?
甘い空気?
微妙な距離感?
全部消し飛んだ。
いつも通りである。
「出力調整を誤りました!」
「毎回誤ってるでしょあんた!!」
拠点の朝は騒がしい。
非常に騒がしい。
実に安心感のある騒がしさだ。
「……平和ですね」
エリシアが真顔で言う。
完全通常モード。
さっきまでの様子が嘘のようである。
「どこがよ」
リナ即ツッコミ。
これも通常運転。
湖。
噴水。
爆発。
悲鳴。
AI暴走。
完璧な拠点日常パッケージ。
「……」
さっきの妙な空気など
もはや誰も話題にしない。
「朝飯どうする?」
何気ない一言。
日常への帰還。
「普通でいい」
リナ即答。
「普通とは?」
ノア余計な疑問。
「爆発しないやつ」
「難易度高いですね」
「高くない!!」
ガルドが笑う。
完全にいつもの空気。
エリシアも淡々。
「本日の異常指数は標準範囲です」
「基準がおかしいのよ」
誰も深く触れない。
誰も掘り返さない。
誰も意識しない。
だが確実に。
ほんの少しだけ。
何かが変わっている。
それを言葉にする者はいない。
この拠点では珍しく賢明な判断だった。
そして。
今日も一日が始まる。
相変わらず騒がしく。
相変わらず非常識で。
だいたいいつも通りである。




