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文明が滅びた近未来で、俺の万能ナノマシンが便利すぎて静かに暮らせない  作者: 月灯り庵


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主人公視点:まあ、いつものことだ

朝。


目が覚める。


……騒がしい。


「おはようございます女神様!」


「違います!」


いつもの声が聞こえる。


いつもの光景。


いつもの騒動。


──ガコン


「ぎゃあああああああ!?」


「だから穴を作るなって言ってるでしょ!」


「旧式です!」


……うん。


いつも通りだな。


窓の外を見る。


湖。


噴水。


相変わらず終末世界とは思えない景色。


最初は驚いた。


そりゃもう驚いた。


世界観どうなってるんだと本気で思った。


だが。


「……慣れって怖いわね……」


リナの呟きに少しだけ同意する。


確かにおかしい。


この拠点は明らかに異常だ。


常識的に考えて色々おかしい。


でも。


危険な感じはしない。


これが一番妙な話だ。


終末世界。


荒野。


不安定な環境。


本来なら緊張して当然。


警戒して当然。


安心などできるはずがない。


なのに。


「朝から騒がしいな」


普通にそう思っている。


ノアが騒ぎ。


信者が騒ぎ。


設備が騒ぎ。


世界観が騒ぎ。


だが結局。


誰も本気で怯えてはいない。


「問題ありません」


エリシアが真顔で言う。


この人もだいぶ染まったな。


ガルドは笑っている。


リナは呆れている。


ノアは暴走している。


信者は跪いている。


……本当にカオスだなこの拠点。


だが不思議なことに。


「……はいはい……」


この光景が少しだけ落ち着く。


理由は分からない。


論理的説明もできない。


ただ。


ここにいる連中は、


皆どこか楽しそうなのだ。


世界は終末。


環境は過酷。


未来は不透明。


なのに。


笑い声だけは妙に多い。


「……変な場所だよな……」


思わず呟く。


だが。


否定する気にもなれない。


完璧ではない。


問題だらけ。


騒動だらけ。


非常識だらけ。


それでも。


「……まあ、悪くない日常か」


そう思ってしまった時点で。


多分、俺が一番重症なのだろう。


ノアが何かを爆発させた。


リナが絶叫した。


エリシアが止めた。


ガルドが笑った。


信者が感動した。


……うん。


今日も平和だな。


基準だけが完全に狂っていた。

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