ヴァイス(2回目)-5
一気に話飛びます。
断罪フェーズはコバトは一切関与しないので。
ただの傍観者をしているだけなので。
やっと終わった。
ローゼ・ルヴァの処罰が決まった。
最後の彼女はカトレアに絆されたのか、それとも憑きものがとれたからなのかとても晴れやかな顔で馬車に乗り込んでいった。
数日の出来事のはずだが、それこそ数年間の計画のような達成感をヴァイスは感じた。
問題はこの後だ、婚約破棄の話しは盛りに盛られ、俺がカトレアの結婚をかけた試練を乗り越えるための愛の物語と化し始めた。
しかも誰かもわからない恋敵の男というまったく知らない登場人物まで出てくる。
誰だよ、本当に。
婚約破棄は現段階では検討中なのである。
時間の問題だろうな、なぜなら国王が署名したのは違えることを許さない婚約破棄の式をすることの許可のサイン。
つまり、きちんと婚約破棄をしない限り自分は死ぬ。
国王の正統な後継者がヴァイスなので、国のためにも婚約破棄はしなくてはいけないのだ。
「しなくてもいいと思うがな」
窓辺に立っていたのはあの日以来久しぶりに見たメイド姿のコバト。
ヴァイスは驚き固まった。
そんなことをコバトが気にするわけもなく、一枚の紙を見せつける。
ヴァイスの目に映ったのはあの日父に書いてもらった決意の証とコバトの雇用契約書。
それらをまとめ、破ることなどできない紙をコバトはなんの躊躇いもなく一気に引き破った。
パチン、パチンと縛り付けられていた鎖が引きちぎられる感覚がする。
契約が破棄された?
ヴァイスは今まで感じたことのない感覚に確実にそうとは言えなかったが、なんとなくそう思った。
「アンタはさっきから考えすぎなんだよ。もう少し素直になればいい」
コバトはヴァイスの額に指を当てる。
クラクラと脳が揺れるようで、霧が晴れるように今まで考えていたことがバカらしくなっていく。
それと同時に次第に眠気が襲った。
「アンタが幸せにしなくてどうするんだい?」
次にヴァイスが気がついた時、過去のいざこざに関する後悔や後ろめたさなどが一気になくなり、カトレアに対する愛が溢れていく。
その流れのまま、カトレアに告白を飛ばしてプロポーズをした。
思えば、あの時の自分はどうかしていた。
カトレアの返事は意外なもので、1回目では見れなかった笑顔を見ることができた。
そして、念願の結婚式の日。
カトレアに指輪を交換した時、同時にこの国の騎士の忠誠も誓う前代未聞の事態に周囲の反響もあったが、2人の結婚式の日に相応しい笑顔を見た者たちは、口をつぐんで祝福した。
もちろん、婚姻届はヴァイスお手製である。
「今度こそ、幸せにする。カトレア」
「何を言ってるの?一緒につくるのよ」
2人は笑い合って国を支えることを誓った。
かつての後悔も、因縁も、全てゆるして、ゆるされて、2人は精霊の麓で悪魔に微笑んだ。
さらっと書きましたが、ヴァイスの加護によりヤンデレっぽさが出る。実際そうなったけど。
これを出したことにより、ヴァイス編は完全終了。
次回は裏エンディング(ザクロ編)を投稿します。
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