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18「お人好しの同族」

「よお、契約者でもねぇ人間に肩入れするんだな。相変わらず人間好きのお人好しだな」


子狼は大きくなり、その本来の獣の姿を見せる。

普通の狼よりも大きく、額にはカトレアがいう悪魔であり、それを表す証が刻まれている。

大きな牙で一人のメイドの行手を阻む。

どこからどう見てもただの人間の女。


「久しぶりの再会しては酷い挨拶じゃないか?」


恐ろしいザクロの牙を前にしても、飄々と、また余裕のある笑みを浮かべたメイドはもう隠す気がない。


「こうでもしねぇとテメェは逃げんだろーが!」

「当たり前だろう。アタシはアンタらに直接会いたくもないしね。アンタも同じだろう?」


そう言われると、ザクロは黙り込み、獣の姿をやめ、人型になる。


「アイツが死んでどれくらい経った?」

「さあ、アタシはこの世界にずっといるわけじゃないしね。それこそ、アンタの彼女にでも聞けばいいんじゃないか?」


メイドの言葉にザクロの動きが一瞬、身を震わせた。


「嫌味か?アイツがいねーのに、オレとの関係持ち続けるはずねぇだろ」

「相変わらずの狂人っぷりだねぇ」


ザクロは遅めの初恋相手の顔を思い出すが、今更だなと一瞬で拭い去る。


「ああ、あの女、最終契約まで進ませたのか」


不穏な空気が流れ込み、ザクロは不意に呟く。


「さっさといけ」


厄介者を追い払いようにメイドは手を振る。


「テメェの契約者もいるんじゃねぇのか?」

「アタシとの契約は時間を巻き戻すこと、それだけだ。別に死のうが関係ないよ。アンタもいるしね」

「ふーん」


あまりにも淡白な物言いだが、別に契約を遂行したならいいかと、メイドを見逃すことに決めたザクロ。


「じゃあな、コバト」

「また会おう、ザクロ」


離れ離れになった仲間たちはしばしの会合をあっさりと終わらせた。

コバトはザクロを信頼しているからこそ、移動しました。そのことを理解しているザクロはしぶしぶ仕方ないからくらいで助けます。


お気づきの方もいるかもしれません。

このコバトの未来の話は、『見知らぬ美女が旦那の部屋で寝ていたのだけど』で出てきます。

こちらもぜひ!!

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