「はじめてのプレイ編④」
「そもそも、お金ってどうやって稼ぐの?」
怜は尋ねた。
『一般的なのは、アイテムを売ったり、魔物を討伐したり、任務をこなしたり、アルバイトをしたり——そんな感じ』
閃が説明する。
「結構いろいろあるのね」
「何が一番手っ取り早いの?」
怜が尋ねる。
『最初のうちは、魔物討伐とアイテムを拾って売るのが手っ取り早いかな』
閃はそう答えた。
「なるほど。ちなみに、閃は今いくら持ってるの?」
怜が何気なく聞く。
『んと……1800チップ!』
閃は(なぜか)誇らしげに答えた。
「私より少ない……」
どうやら閃は、なかなかの貧乏プレイヤーのようだった。
◆
「でも、戦うのって難しくない?」
怜が少し不安そうに尋ねる。
『戦闘自体はシンプルだから、そんなに難しくないよ。特に最初は』
閃は気軽な口調で答えた。
「そっか。なら、討伐に行こ」
『あ、それなら先に装備を整えよう』
「貰ったやつは?」
怜は木の剣と木の盾を取り出して見せる。
『それは売ろう』
閃は即答した。
「売るの?」
『初心者装備のままじゃ効率悪いし、まずは資金に換えて少しでも良い装備を揃えた方がいいよ』
「なるほど」
怜は納得したように頷く。
こうして2人は、村にある武器屋へと向かった。
◆
店に入ると、さまざまな武器や防具が所狭しと並べられていた。
怜はその中の一つに目を留める。
(この“氷の杖Lv.1”、10000チップもするんだ……)
思わず値札を見つめた。
『まずは、さっきの木の装備を売ろう』
閃が言う。
怜が木の剣と木の盾を売却すると、200チップになった。
現在の所持金は3200チップ。
『なんか良さそうなのあった?』
閃が尋ねる。
「これ」
怜のマイキャラは、先ほど見ていた氷の杖を指差した。
『怜にピッタリだとは思うけど、今は買えないね……』
現実でも、シラユキの武器は杖。
確かに怜によく似合う武器だ。
「“レンタルしてます”って書いてあるけど」
怜は説明欄を見ながら言う。
『レンタルできるけど、セール中とかじゃない限りはちょっと割高かも』
閃が答えた。
「そっかぁ……」
怜は少し残念そうに呟く。
「何かおすすめはないの?」
『杖っぽいのがいいなら、これとかどう?』
そう言って、閃のマイキャラが指差したのは——“鉄の棒Lv.1”
価格は2000チップ。
『鉄装備は序盤だと結構役に立つよ』
閃は説明した。
「なら、これにする」
怜は迷うことなく鉄の棒を購入した。
所持金は1200チップになったが、手にはしっかりとした鉄製の棒が握られていた。
◆
店を出た2人は、そのまま村の出口へ向かって歩き出した。
「閃の武器はどんなの?」
怜が尋ねる。
『俺のは、コレ!』
そう言うと、閃のマイキャラは武器を取り出した。
“ビリビリヌンチャクLv.3”——それが閃の武器だった。
「剣とかじゃないんだ」
怜は少し意外そうに言う。
『前は、めっちゃ強い魔法剣を使ってたよ』
『紆余曲折あって、今はコレに……』
「そうなんだ……」
怜は少し呆れたように言った。
こうして2人は、魔物討伐へ向かった。
——つづく。




