ダークマター=サブスクリプション㊸
「おい、如月。この雨みてぇなレーザーはどうにかならねぇのか。」
「亀に訊いてくれ、亀に―」
そこへ2人の会話を遮る砲撃が降り注ぐ。一旦離れて攻撃をかわし、また話の通じる距離へ近付く。
「俺が盾になってやるから、如月は撃ちまくれ。」
「いや、逆の方が―」
集っては離れ、近付いては別れ、素直に話をすることすらできない。作戦を練ることもできなかった。
「どうしよう、ラビちゃん。淳ちゃんとくーちゃん、なかなか攻撃が当たらないよ。逃げてばっかりだし。大丈夫かな・・・」
「う~ん・・・・・・」
答えに窮するラビ。あいつらなら問題ないとは言えない戦況。当然ラビだって助太刀に入りたかった。救済のイメージトレーニングを行った。フィオの回りにバリアを張って、苦戦を強いられる2人を助けてやって、情けない奴等だな~、なんて見下ろしてやりたかった。ありがとう、助かったぜ、なんて言わせたかった。けれども彼の渦中に飛び込んで攻勢に出る自分の姿が想像できなかった。
MP切れや呼吸の間といった隙をついてどデカい一撃をぶち込むつもりで、どうにかこうにか繋いできた集中力が途切れ始めた。如月、クォーダ共に窮する場面が目に見えて増えてきた。そこで蘇るラビとの約束。
「勝てないと踏んだら引くぞ。」
簡単に逃げられるだろう。なにせ速度ゼロだからな。亀では追うことも回り込むこともできまい。仕切り直して、万全の状態で、作戦も緻密に構築して―その間、ラビが苦しむことになる。だから絶対に弾くことは許されなかった。敗北を絶対に認めない。俺達は前ていない。俺達の方が強い。作戦も立て直しも要らない。意地でもこの場で片付ける。けれども打つ手が見出せぬ。段々、腹が立ってきた。亀と自分をぶん殴ってやりたい。マジで言う事訊かねぇと、その辺の山ごと吹き飛ばすぞ、クソが・・・
そこへ駆けつける者がいた。それはかつての仲間。予期せぬ友との再会だった。




