21 驚きとあみだくじ
初の龍次視点!
「皆さんっ、お願いですから起きてくださいっ!」
今朝はそんな大声で目が覚めた。
朝は苦手だ。カーテンを開ければ照らされた光が室内に入ってきて眩しいから。
だから大声を出した人物に文句を言おうと身を起こしたが、顔を見たらそうはいかなくなった。
――――そこには、涙目になっている三宅香里奈がいたからだ。
俺には何故彼女がこんなことになっているのかわからなかった。
しかし傍に親友の佐渡山愛留奈がいないのを理解した瞬間、ある考えに至った。
(まさか……佐渡山愛留奈に何かあったのか?)
そしたらさっきの怒りなど忘れ、彼女達が寝ていた生徒会室に駆け込んだ。そんな俺に続くようにして他のやつらも生徒会室に駆け込む。
「愛留奈さん、大丈夫!?」
「先輩、大丈夫ですか!?」
「具合はどうだ!?」
最悪の事態を考えてハラハラしたが、彼女の姿を見て一気に脱力した。
何故なら彼女はだるそうにしているだけで、普通にケロリとしていたからだ。
意味がよくわからなくて横で彼女達の言い合っいを聞いていた時、とんでもない一言が佐渡山愛留奈から飛び出た。
「38.5℃って、そんなに高熱ですか…?」
…………………ん? 38.5℃?
その言葉に呆然としてしまったが、幸宏が恐る恐る平熱を聞いたら「37℃代」という答えが返ってきた。
というか平熱が37℃代って……高すぎだろ。
横で蓮が佐渡山愛留奈に安静にするよう言っているのを見てから生徒会室を出た。
(何なんだ、たく……。俺の態度をこんなにもコロコロと変えさせるとは……面白い女だ)
俺は壁に寄りかかりながら口角をつり上げた。
その直後に幸宏が室内から顔をヒョイと出してきた。
「龍次、ちょっと話し合いをしたいからこっちに来て〜」
「ん? ああ、わかった」
俺はなんとか無表情を保ち、生徒会室へと入った。
生徒会室に入ってみると、椅子に座って腕に体重をかけるようにして机に突っ伏している静悟と、難しい顔をしながら机に置かれた紙とにらめっこしている四人の姿があった。
……この光景を見て「どんな状況だ!」と叫びたくなった俺の考えは、常識的に間違いではないだろう。
しかしそれを悟られないように、相変わらずの無表情で机に近づいた。
そして四人がにらめっこしている紙を見てみると、合計七本の縦線が書かれていた。
意味がよくわからなかったので、机に突っ伏している静悟に声をかけた。
「静悟、これは何だ?」
「これ? ……あぁ、そのまんまのあみだくじですよ。これでアイツを看病する順番を決めるんですって。俺は製作者だから余りですけどねー」
「ほぉ……」
つまり、運次第では一番始めに佐渡山愛留奈の看病係になれるということか……。
俺はニヤリと笑ってペンを手に取り、さらさらと紙に自分の名前を書いた。
目を見開いている四人を一瞬見てから俺は呟いた。
「俺はここな」
そしてそのまま近くにあった椅子に座って全員が決め終わるのを待った。
しばらくすると、皆の声が聞こえてきたのでそっちに目を向けた。
「やったぁー! 二番だぁー♪」
「あーあ、俺は六番ですか」
「ぼ、僕が四番、ですか…!」
「あっ、七番だぁ」
「五番、か。まぁ、七番とかよりはマシかな」
「………ほい、先輩」
そっぽを向きながら、静悟があみだくじに使用した紙を俺に見せてきた。
それを見て、俺は頑張って無表情を保ちながら立ち上がった。そして騒いでいる五人に近づく。
「ほら、順番待ちは外でやってろ。つーか授業に出ろ」
俺はそう言って、五人を廊下へ追い出した。
その後のろのろとした足取りで静悟も廊下に出る……が、俺の方を振り向いてニヤリと笑いながら小さな声で呟いて扉を閉めた。
その場に残った俺は、溜め息をついて椅子に座った。
『先輩、襲っちゃだめですよ?』
「………誰が襲うかってーの」
俺はそう呟いたが、正直自信がなかった。
だけど襲うなと自分に渇を入れ、寝ている佐渡山愛留奈に近づいた。
次回も龍次視点になると思います。
愛留奈はダウン中ですのでww




