20 愛留奈の異変
翌日、私は目覚めがとても悪かった。
原因はわかっている。昨日判明した事実――本来なら私が存在していないという事だ。
それを寝落ちするまでずっと考えていたが、どうしてもわからなかった。
しかもそれを一時過ぎまで考えていたから、低血圧の私にはとてもきつい。
そんな私とは正反対で、とてもテンションが高い香里奈に起こされた。
「愛留奈ちゃん、おっはよー! 昨日は楽しかったねー!」
「香里奈……おはよう……。今日はテンション高いね……」
「まぁ、昨日はすごく楽しかったからねー♪」
なるほど。今日異様にテンションが高いのは、昨日がすごく楽しかったからか。
だけど私は謎ができて逆に疲れた……。
いや、そんなこと言ったら更に疲れるはめになるだろうから言わないけど。
私がだるい体を無理矢理起こさせると、立ち眩みからか視界が真っ黒になった。
しかしそれを悟られないように視界をクリアにすると、香里奈が首を傾げている光景が目に入った。
「………あれ? もしかして愛留奈、具合悪い?」
「え……どうし、て?」
「だって若干だけど顔が赤いし、なんだかだるそうだよ?」
私は香里奈の言葉を聞いて、目を見開いた。
おかしい。このくらいなら、隠すことなんて造作もないはずなのに。
もしかして私、そうとう具合が悪い? 香里奈の目を誤魔化すことすらできないほど?
そう思っていると、香里奈が私の額に自分の額を合わせてきた。
しばらくそのままにしていると、いきなりサッと顔を青くしたと思ったらバタバタと外に出ていった。
そんなに熱かったのだろうか? と思って体温計で計ってみるが、平熱よりも1℃ほど高い程度だった。
余計にわからなくなって首を傾げていると、香里奈と生徒会役員全員が部屋に騒がしく入ってきた。
「愛留奈さん、大丈夫!?」
「先輩、大丈夫ですか!?」
「具合はどうだ!?」
「え、どうしたんですか? そんなに慌てて……」
「だって愛留奈、すごい熱があるんだもん!」
私が戸惑いながら聞くと、香里奈が涙目になりながら叫んだ。
それを聞いて私は再び首を傾げて質問した。
「38.5℃って、そんなに高熱ですか…?」
その瞬間、この場の空気が凍りついた。
するとさっきまで黙っていた幸宏が控えめに聞いてきた。
「ねぇ、愛留奈ちゃんの平熱って、もしかして……」
「37℃代ですが…?」
「「「えぇ!?」」」
「「「37℃代!?」」」
「やっぱり、高めなんだねぇ……」
「?」
どうしたんだろうか。高めだと言っているけど、38.5℃ってそんなに高いのだろうか。
そう思っていると、蓮が私の肩に手を置いて言った。
「先輩……今日は安静にしていてください」
「え、何で――」
「良・い・で・す・ね?」
「………はい」
何だ? 私の気のせいなのか? 蓮がすごく怖いんですけど?
もしかして私、変なこと言ったのか?
首を傾げて必死に考えたけど、その答えはどうしてもわからなかった。




