ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭! (前編)
今日から授業開始だったが、どれも授業方針の説明と教科書のさわりだけという簡単なものだった。おそらく二回目からが本当の始まりなのだろう。
よってほとんど退屈していた一般的な男子高校生の千歳は放課後のHR中に爆睡してしまい、起きた時には教室で一人ぼっちになってしまっていた。
「二人っきり……ですね、キャッ」
否、一人いた。
赤茶色の髪をふわりとなびかせながら、芝居ががったセリフを吐く少女が隣の席に座っている。
「由良さん、なんでここにいるの?」
「あら津雲君、同じクラスなんですからいてもおかしくないじゃないですか」
「え、あ、ごめ…………いや嘘だよね!? 由良さん隣のクラスだよね!? あやうく騙されかけたよ!!」
「隣のクラスなんて実質同じクラスですから」
そんな事はない。
「それはそれとして、津雲君はどこか部活に入るんですか?」
「帰宅部かな、別に強制じゃないし」
「ここ敷地が大きいから色んな部活や同好会があって一覧見てると楽しいですよね」
「それはほんとにそう。チョコバット部てなんだよ」
「あぁ、このチョコバット部強いですよね、去年は全国大会で準優勝したらしいですし」
「僕が知らないだけで結構メジャーな競技だったのか。由良さんはどこか入るの?」
待ってましたと言わんばかりに元気よく「はい!」と返事した詩織が立ち上がる。
「私は電脳遊戯部を復活させる事にしましたわ」
「昨日のあれか、いいんじゃない?」
「ええ! まずは私と津雲君の二人で頑張りましょう」
「ちょっと待って」
「はい!」
「由良さんと僕の二人で?」
「はい!」
「電脳遊戯部を?」
「はい!」
「僕帰宅部だって言ったよね?」
「そうですね、電脳遊戯部でしたね!」
「そんな強引なルビ振りってないよ!!」
というわけでやってきました電脳遊戯部の部室。
「流れで来てしまった」
「さあ今日もレッツプレイゲームですよ」
「ただゲームしてるだけの部活っていいのかな」
「ただボードゲームしてるだけのボードゲーム部もありますし、あとeスポーツでの活動をメインにしてるゲーム部もありますから、いいと思いますよ」
「eスポーツのゲーム部あったんだ。ボードゲーム部は素直に気になるな」
「もちろん私は大会に出る予定とか無いので同好会として活動するつもりですけどね」
昨日と同じソファに並んで座る。今までこうして肩がぶつかる程女子と密着して座る事が無かったので否が応でも緊張してしまう。
隣から漂う女の子特有の甘い香りを鼻腔に感じて自分は臭くないだろうか、ちょこんと肩が触れる度に彼女が儚く見えてくる。
「へへ、私こうやって男の子と並ぶの無かったのでドキドキしちゃいます」
「そういう事言ったら余計意識しちゃうじゃん」
思春期の男女が顔を真っ赤にして気まずい雰囲気が出来上がってしまう、非常にまずい、理性的に冷静に落ち着かないと彼女に対して落ちてしまいそうになるし、彼女も自分がと勘違いしてしまいそうになる。よくない、非常によくない、落ち着け、先週プレイした四八(仮)を思い出せ、虚無を取り戻せ。
「よし、平常心を取り戻した。今日は何をプレイするの?」
「立ち直りが早いですね! 今日はこれをやりますわ!」
鞄から取り出したのはSwitchと一本のパッケージ。
「今日は部活の話をしましたからね、ウマ娘プリティーダービー熱血ハチャメチャ大感謝祭をプレイしますわ!」
「部活関係あるのか?? 確かくにおくんライクなゲームをウマ娘でやったやつだよね」
「はい! 津雲君はやった事あるんですか?」
「ウマ娘好きな友達が持ってて遊んだ事があるくらいかな、ウマ娘自体はアニメしか知らない」
「私もウマ娘は詳しくないのですが、それでもこのゲームは楽しいので遊びましょう!」




