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鉄パンツの王女、宮廷に現る  作者: まこ


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2/6

王太子と王女の静かな駆け引き

不思議そうにフリードリヒを上から下まで眺めてくるリンドル王女に、

フリードリヒは穏やかな笑みのまま問いかけた。


「どうかされましたか?」


その微笑みに、リンドル王女は今度こそ露骨に目を丸くする。


……なんだよ、その反応。


「へぇ~……」


……へぇ~って。あんた王女だろうが。


後ろで控えていたテオドールも、同じく首を傾げてリンドル王女を見る。


「さすがは王太子殿下。私は学園での殿下しか存じませんので──ふふ」


……何が可笑しい?


テオドールが怪訝な目を向けると、王女は肩をすくめて笑った。


「だって。学園時代の殿下といえば、

いつも品の無い令嬢たちを侍らせて、

まあ……とても楽しそうでしたもの♬」


……そこまでは言ってない!


テオドールは恐る恐るフリードリヒの横顔を窺う。

だがフリードリヒは、変わらない微笑で話を聞いていた。


「そうでしたか。しかし王女こそ、さすがは王女。

公式の場となればこのように見違えるほどお美しい。

私の記憶には、いつも本の虫になっておられた姿しか残っていませんのでね」


柔らかな笑みのまま、きっちり嫌味を返す。

リンドル王女はぴたりと笑みを消し、鋭い視線でフリードリヒを射抜いた。


「まあ……お互い過去がどうであれ、王族・貴族の結婚など課題の一つ。

務めを果たした後は、気楽にいきましょう」


フリードリヒは優雅に脚を組み替え、余裕を演出する。

だがリンドル王女は、その一挙手一投足を冷めた瞳でじっと見つめていた。


「テオドール、後は頼むよ」


そう言い残すと、フリードリヒは王女へ笑顔を向け、礼をして部屋を後にした。


……ったく、何なんだよ……。


扉が閉まるなり、フリードリヒは頭をぐしゃぐしゃとかきむしり、

そのまま苛立ちを抱え私室へと向かっていった。

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