私、やもりな日4
「と、友梨さん?どうしてそんなに怒り気味なんですか」
「いやいや、そんな事ないよ。人が頑張って得た成果を名前が似てるからってだけで棚ぼたに人を集めてるだなんて、ねぇ」
「一応私らも色々やってのこれだからな、その言い方は癪に障るな!」
「そ、そもそも頻繁に廃部を促す学校が悪いんですよ」
そう、我が部が廃部に巻き込まれるのは学校が悪い。この学校は、申請さえすればいくらでも部が増えるのだ。
よって真面目に成果を出せないものを振り落とす為にことある事に危機にさらされる。
なお、廃部した次の月に申請してみた所はあったらしいが、最短でも1年は申請が通らないらしい。
つまり負けてしまえばそこで終了と言っても差し支えないので無いかと私は思う。
「ま、まぁとりあえず混んでるし占いしてみよっか」
「ええ、そうね」
それから10秒ぐらい待つと、水晶玉から青い光が飛び出してきた。光り方からしておそらく下にライトでも仕込んであるのだろう。
「うん、私と友梨さんとの相性はピッタリだね。安心して大丈夫だよ。はい次々、次の方どうぞー」
こうして私はおざなりに部屋を追い出された。
少し納得は行かなかったが、彼女達もそれなりに頑張って来てここにいるのだと理解する為に思い込んでいると、部屋の中から大声が聞こえてきた。
話し声から察するに結果に文句があったらしい。あの金剛さんの目の前でそんな態度が取れるなんて命知らずだと思ったが、まぁ裏を返せば金剛さんがいる限り被害は無いに等しいので、外で待っていると、文句を言ったとされる人が文字通り摘み出されてきた。
「なんか、大変だね。さっきはごめんね」
「ん、まぁいいっていいって。」
「うちの部に来れば良かったのに」
「いやぁ、なんか迷惑にならないかなとか思ってさ」
「絶賛人手不足なのに遠慮しないできて欲しかったな」
「ここがダメそうになったら考える事にするかな」
そう言って少し会話したあと金剛さんは部屋に戻って行った。因みに摘み出された彼は一目散に去っていた。
そうこうしているうちに、時間になってしまったので、部に戻って準備を始めた。
3時間ってあっという間に終わってしまうと実感出来た。
「ねぇ芽衣ちゃん、コレ(蒼太)どうする?」
「とうとう弟にまでコレ扱いって、まぁその辺に置いてたら邪魔だし奥にしまっといて」
「了解、本当になんでこんなに役に立たないんだろうね」
物扱いされ、ボロボロに言われて蒼太の瞳から涙がこぼれ落ちた。
そもそも蒼太は幽霊などに関しては文句無しの働きを見せることが出来るが、変わりに日常生活を送る上では必要最低限しか出来る事がないのである。
逆に2番(悠太)は掃除洗濯料理は勿論、役者にもなれるような幽霊で、やって出来ることはなんでも出来る天才のようなものだ。
因みに幽霊関係はそこまで強くない。幽霊なのに、幽霊なのに!
それから、開いていることに気づいたら人がぼちぼちと集まり始めて、そこそこの人が出入りして行った。
そんな感じで一日目は終了。
初日にしてはいい滑り出しだったと思う。
でも明日以降は、これだけでは人が来てくれない可能性のが高いので、何とか対策を考えなければならない。
今日来てくれた人はそれで満足して明日は来ないだろう。そして、明日、明後日となるにつれて、話を聞くだけで、まるで来たかのように思われて来なくなってしまうかもしれない。
ショー等でも見た当初は興奮しても、しばらくすると内容がうろ覚えになるのだから、写真1枚じゃその印象は残念ながら薄すぎるとしか言えないのだ。
とはいえ何かを準備する時間はあまり無い。まぁ人が大勢来るので心配し過ぎなだけかもしれないが、それでもいくらかは足掻いて、より多くの人に来てもらいたい。せっかくのお祭りなんだからその成果を残さ無いとね。
それから1晩中考えに考えたがいい案は浮かばなかった。
そして、次の日。昨日と同じ感じに実践して、その傍らに最終日にやることを考えることにした。
「ねぇ、今のところ1番人気な衣装はどれなの?」
「うーん、そうねぇ。4、5番の落ち武者とかは鉄板ネタとして人気あるわね」
「それ以外は?」
「3番の幽霊っぽい格好ねぇ」
「因みに1番は?」
「だから...ああ、いっちゃんの事ね。うん、なんて言うか暑くるしい幽霊ってポクないからって人気が少ないのよ」
「それで満足なの?」
「私としては人気が出て欲しいけどでも一方では独占してるみたいでそれもまたアリかなって思っているの」
なるほど。つまり1番はコスプレさせられ損って事か。強く生きてね1番。
そんな感じで午前中を過ごし、ちょろちょろと来た客の相手をしながら時間を過ごし、昼の休み時間と設定した時間になったので、私は歩き回ることにした。
時間ガガガガ...気がつけば1週間が経っていた。
な、なんて事だ。




