私、やもりな日2
...結果として、惨敗だった。
今は私に2番が入って対応している。
蒼太は壁付近の端っこで小さくなって落ち込んでいた。見てるこっちが不安になるぐらいかわいそうに見えた。
実際その様子を見てテンションがだだ下がりになった客もいた。
「落ち込むのもいいけどせめてあのなかで落ち込んでてもらえます?人に見えないところで」
「うん、どうせ俺なんて人様に見せられるようなもんじゃないよね。はぁ、何でこんなのやってるんだろう。田舎に帰って畑でも継ごうかなぁ」
「蒼太にぃが壊れた。俺んちは代々畑なんてやってないし、そもそも生きてすらないよ蒼太にい」
「ははは、そっかあ。俺には何も残ってないんだなぁ」
「とりあえずあの裏手に行って、回りの視線が痛いから」
「わかったよ、今すぐ消えることにするよ。今まで迷惑ばかりかけてごめんね。」
そう言いながらとぼとぼとメイクルームに入っていった。
回りの視線が痛い、まるで私が悪者かのように見られている。
そもそもこうなったのは蒼太のせいである。接客ぐらいやってやらぁと頑張ったのは良いが、態度が悪いのと必死さが伝わって少しずつ避けられて行き、しまいには端の方に追いやられることになりこの程度もこなせない事と、弟にボロボロにされたことでプライドが崩壊し、この様である。
こんな姿はなかなか見れないレアではあるが、やかましくても大人しくても邪魔になることだけはわかった。
それから暫くは接客をしていた私だが、そろそろ一時近くになるので、一旦休憩にすることにした。
この学校では必ず全ての人が最低でも3時間は休憩に入ることが義務としてあるため、一人しかいない私の部では閉めるのは致し方ないのである。
因みに以前終了3時間前までぶっ通しで働かせれば効率と条件を満たせると言うことでやったところがあるらしいが、それは休憩ではないためそれ以後禁止されたそうだ。
その抜け道を使うために3時間10分前まで働かせて最後の10分間また働かせる何てのも考案され、現在許す許さないの議論が続いてたりもする。
因みに夜8時までやっているのがこの夜守祭なので、3時間程度なら開けても特に支障は無いのだ。
そういう訳で、並んでいる人を捌き切った後、部屋を一旦閉めた。
蒼太が残っていたことは忘れていたがまあ大丈夫だろう。悪魔だし、人じゃないし、そもそも熱中症になる時期とかじゃないし。
私は校内を出て、グラウンドに向かった。そこには屋台が並んでいた。唐揚げ、焼きそば、焼き鳥、もろこし、etc...
値段は祭料金程高くは無いが、それでも300円前後はするので若干値段に不満のあるやつなどは積極的にはぶいて食べれるものを買っていった。
「芽以ちゃん、そんなに食べれるの?完全に完食したら太ると思うんだけど」
「このぐらいならペロリと行ける...とかじゃなくて一応部屋に転がっている蒼太にもあげようかと思ってね。頑張ってはいたから」
「なるほどな!ツンデレと言うやつだな!」
「へー、蒼太にぃが好みだったなんて意外だなぁ。もしかして俺にも気があったりする?」
「やっぱりやめようかなぁ」
なんだろう、このすごくバカにされている気持ちは。どう考えたら私が蒼太の事を好きになったりすると考えるのだろうか?
「俺がここで頑張れば蒼太にぃに春が来るかもしれない。」
「いや、まだ続けるのそれ」
「芽以ちゃんの蒼太にぃへの気持ちはその程度なのか、もう一度よく考えてみてよ」
「家族へのお土産にしようかなぁ」
「酷い、人の兄を弄んでおいてよくもまあノウノウとしていられるね」
こんなに真剣に心配される蒼太の生きてたときの恋愛事情ってどれだけ悲惨だったのだろうか。あれ?蒼太って不幸話等で心配されるような人だったっけ?
何かそんな可哀想な奴ポジションに私のなかで変わりそうになっているけれど止めた方がいいのだろうか。いや、もともと|可哀想な頭してるから大丈夫か。
適当に幾つか食べた後、それを部室に置いて、校内散策に向かった。
射的、クイズ、輪投げ等の子供向けの簡単なものから、ダーツ、パズル、タワー崩し等のちょっと難易度が高い奴。模型、コスプレ、中身当て何て変わったものもあった。
私は特に見るもの等は決めていなかったので、一番近くにあった鉄道模型研究会の展示をみることにした。私はミニチュアはわりと好きである。あの小さなもので自分の住んでいる街何かを再現すると言うのは何て言うか、ロマンがあるって感じというか...とりあえずミニチュアが好きなのだ。
入ってみて思ったのは、少し思っていたのとは違うという事だった。
確かに間違ってはいないけれど、私が思っていたのはミニチュアのなかを模型が走っているもので、ここでは模型を沢山展示しているだけで、走らせているのはほんの少しの建物を置いてあるだけだった。まあ高校だからそんな本格的なものは出来ないんだけどさ
「ふむ、なにやら不満そうな顔をしておりますなぁ」
「え?」
「ああ、私はこの部の長の金道です。よろしく」
「これは丁寧にどうも。私はオカ研部長の友梨です」(in2番)
「あの有名な幽霊少女が来てくれるとは意外だったなぁ」
ああ、私って有名人何だね。
実はこの新キャラ、芽以ちゃんの前に有名3人に入っていた人です。みんな忘れてる。私も忘れてる。




