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幽霊とでもリア充ですよね  作者: ナギ式
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私、秒読みに気づきます。

今日は私は部室に来るなり、札の練習を始めた。一応材料は少し貰ったのだが、うまく機能しないのは嫌なので、レポート用紙にひたすら練習書きである。


もう流石に3番に頼りっぱなしなのは色々と心に負担もかかるし、一気にお菓子を食べたりされそうで不安要素が強いし、何より面倒くさがりの気まぐれなところがあるから頼んでもやってくれないんだよね。


え、2番は頼りっぱなしだけどもいいのかって?


勿論。コキ使わなければ損ってぐらいに何でもやってくれるからね。多分頼めばお茶とか淹れてくれると思うけど、やってくれるだけで出来るかはわからないので今まで頼んだことはない。


「私が作れるのに~、どうして練習してるのかな~」

「だってやってくれないでしょ?」

「確かに面倒だけど~何か覚え損かな~」

「そうじゃなければそもそも次の段階に進めなかったわけで」

「んん~、じゃあ私は札作っとくね~」


そういうなり、数少ない材料を用いて札を作り始めた。ええー、私の分の材料残るかな?自分の手製の札作ってみたいから練習してるのに...。


そうして30分程黙々と作業をしていると、「うん、いい感じかな~」と3番が喋り出した。手元を見てみると、あれだけの時間があったのに、出来たのはその一枚だけだった。しかも目にした記憶のない紋様が描かれているようにみえる、私が忘れてるだけかも知れないけどね。


「丹精込めて作ってたね。で、どの効果の札を作ったの?見た記憶のない紋様だけど」

「これはねぇ~、人が集まってくる札かな~」

「そんなの習ってないのによく作れたね」

「ただのアレンジかな~、だからこことか一緒なんだよね~」


そんなアレンジをしてしまうなんて、実は天才だったのだろうか?こういった場所に作用する札の使い方は簡単で、こういうタイプの札は壁とか床に貼れば効果を発揮するもので、効果範囲内に作用する仕組みになっている。一応使った後に剥がして何度か使うことも出来るけども、効果が弱くなるので、あまりオススメされてはいない。札を使い回すと、最後は味の抜けきったティーパックのように全く使い物にならないから見極めが出来ないうちは毎回新しい物を使うのが一般的らしい。


まぁそもそもの話札自体が一般的ではないから凄く狭い範囲の一般常識なのだが。


そんなペースで月日は流れ、やっと私が札を作れるようになる頃には文化祭3日前にまで迫っていた。


が、そんな事はすっかり忘れて札作りに没頭していた。現在部室には様々な種類の札が取り揃えられている。追加で習いに行ったもの、独自にアレンジしたもの、習いに行った時に盗み見て真似たもの等様々である。


それにしてもまさか3番がここまではまる趣味に発展するとは。人生って何が起こるかわからないよね、まぁ3番の人生は終わってしまっているけどね。今は幽生?霊生?を生きて?死んで?いるからね。ややこしいなこれ



だがその平穏は瞬く間に喧騒えと変わった。具体的には周りにやっと追い付いたとでも言おうか。どこか上の空で札の改良についてしか考えていなかった日々は唐突に終わった。


「オカ研にチェキ届けに来ました。受け取りサインここの紙に書いてね。」

「わざわざありがとう、もうすぐ文化祭だけど届けるの早くない?」(2番)

「もう3日前になっているから備品を多く使う所ではこのぐらいでもギリギリだったりするから妥当だと思いますよ。じゃあこれで」


私は彼が帰ってからも暫く扉の前に立ち尽くしていた。中の2番も同じである。


そして1番とあきこを除く全ての意識は一つになった。完全に忘れてたと。


そうと決まれば部屋中に札やらそれっぽいものを飾って雰囲気を出していく。幸いにもある程度は飾りつけをしていたので軽い掃除と仕上げであっさりと終わった。


けれど終わったのはそれだけだ。あまりにいきなりのことで、心が付いてきていない。無駄にそわそわする時間がそこには流れていたのだった。


「おーい、お前達もそろそろメイク合わせをするべきだな!」

「あ、1番いたんだ。一月ぐらい会話してないから忘れてたよ」

「ずっと横でメイクされてたんだな!、それはあんまりにも酷いんだな!」

「冗談だって、私が忘れたりするわけないじゃん数少ない友人なんだからさ」

「そうだな、疑って悪かったんだな!」


「絶対忘れてたね」

「忘れてたかな~」

「いっちゃんの事忘れるなんて」

「わしらも忘れてたねぇ」

「そうだねぇ」


「とにかく様々な化粧をずっとされていたからバリエーションだけは保証できるんだな!」

「じゃあ2番とかの化粧を頼んでもいい?あきこさん」

「いっちゃんでたっくさん練習したから任せておいて」


そう言ってメイクルーム(仕切りがあるだけ)の内側に連れていかれた。


ここで勘のいい人なら気づいたかも知れないが、私を動かす人が居ないのである。間違えて2番をメイクに回したわけではない。


元々はそんなつもりはあまり無かったけれども、どうせなら私は自分の力がどれだけついたかを知りたいので、敢えて私は1人で接客をすることにしたのだ。


よくよく考えれば悪魔や鬼と普通に話せるのだ。七光りの例もあるので、お客様は神様と思えばきっと何とかなるだろう。


神に心霊写真を撮らせるのは如何なものかもしれないが。


ああ、人でなければ話せるのに。



札を改良し続けた3番は一月の間という短い期間にも関わらず、多くの種類を作り出した。まだ荒いところはあるものの、これを知ったときの神雷は大層驚いたそうな。



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