私、報酬を得る。
面倒事は全て終わった。初日からこれじゃあ思いやられるね
だが私はウキウキしながら学校へと向かうのだ。
「芽依ちゃん、テンション高くない?」
「そうかな?」
つい鼻歌でも歌いそうなテンションで私は登校している。理由は勿論報酬である。100万円が貰えるなんて夢みたいだね。いやぁ蒼太さまさまだね
「絶対このテンションは報酬の件なんだな!」
「でも蒼太兄が素直にお金を渡すものかなぁ?」
「蒼太は上級悪魔より~、500万円相当を貰ったらしいかな~」
「あ、相当か。成る程」
「つまりはお金じゃあない可能性が高いんだな」
「そもそも悪魔に~、お金は必要無いかな~」
「「「お疲れ芽依」」」
トリオが不吉なことを喋っている気もしなくはないが、それは今は気にしない。嘘から出たまこと何て言葉もあるくらいだから三猿のように見ない言わない聞かないを実践していくよ。
さて、学校について真っ先に向かったのは職員室。何を隠そう夏休みの提出がこの騒動の解決のせいで提出出来ていなかった為である。
尚余談ではあるが、露葉はドッペルゲンガーを用いて提出していた。元凶となっても焦っていても真面目に課題は出すのであった。
教師からは宿題をしてないのでサボっていた等と疑いをかけられたが、今の私には説教何てどこ吹く風である。そのせいで余計長くなったことは認めるが、やはり右から左へと抜けていくだけなのであった。
さて、そんなわけでいよいよもってお楽しみのこの時間、放課後がやって来た。部室には私、金剛さん、すずさん、蒼太、それと露葉さんがいた。
「さて、蒼太さん、ご褒美くださいな」
「わかったわかった。はいこれ」
手渡されたのはどうみても日本人形だ。しかも少し怖いタイプのやつだ。しかし衣装は素人の私でも高いことは想像つくほどのものであった。
そして金剛さんとかを見ると、ブランド物の服とかアクセサリーとかを貰っていた。露葉さんは古そうな本だったけど。
「ねぇおかしくない?何で私が不気味な人形で皆がブランド物とかなの?」
「友達の少ない芽依ちゃんが欲しがるものって考えたときに形ある友達を上げれば喜ぶんじゃないかと思ってね。今まではイマジナリーフレンド(幽霊)だったけどこれからは抱き締められるお友達だよ。やったね」
「いやいや、動いて意志疎通が出来る分幽霊の方が友達としてはふさわしいと思うよ?」
「大丈夫だって、髪も伸びるし呼べばそっちの方を向く、しかもどれだけ離れていても夜寝るときには枕元までやって来てくれるから無くしても安心だよ」
ザ、呪いの人形じゃんこれ。夜中に笑ったりしないよね?しかもこれってどこに捨てても寝てるときに戻ってくるとか凄いホラー。
「こんなメリーさんモドキの人形は遠慮しようかな」
「しょうがないな、わがままな芽依ちゃんにはもう一つあげるよ」
「なんだ、ちゃんとしたのもあったのか。驚かせないでよ」
「はいこれ」
手渡されたのは西洋人形。やっぱり何処か怖い
「メイチャンメイチャン、アソビマショ。ワタシトイッショニアソビマショ」
「喋ったー!!」
突然私の方に首をグリンと向けたかと思うと途端に喋り出した。
「なにこれ」
「喋って動く西洋人形だよ。因みに電話も使えるからメリーさんごっこだって出来るよ。」
私はそっと2体の人形を椅子においた。椅子の上で2体の人形は談笑?を始めた。
西洋人形は片言に、日本人形はどこからか出してきた五十音表?(コックリさんの時に使うやつ)...を髪の毛を操って指し示していた。
「因みにこれだけで300万円近いんだからね。現存する動く人形何て世界広といえども10と残ってないと言われているんだから。」
「ウワー、ソンナキチョウナモノウレシイナー」
「芽依ちゃんが棒読みになった」
それを見ていた人形達は、「メイチャン、ワタシノマネシタ。ウレシイアソボウヨモットモット」「ススス...(あそぼうあそぼうずっといっしょに)」
「ねぇ有栖ちゃん、これって夢なのかな?」
「わからんが、とてつもなく混乱してきているのは確かだ。」
「私、昔は人形とお話してみたいなんて考えてたけど普通にホラーだったよ。」
「私はお前がたくましいと思ってしまったな。」
と二人は現実から若干目をそらす形で夢ということにしてしまう努力を必死に、されど意識なく行い続けた。
そして全ての元凶こと露葉はそのあまりの非現実さに言葉を失っていた。何も人形が動いたことを驚いているのではない。むしろこのような世界に10とない強い呪いの人形が2つもここにあること事態に驚いているのだ。
分かりやすく言うなら大好きなアイドルが目が覚めたら目の前にいた。そのぐらい非現実的な類いのものである。しかも探して見つかるようなものではない。
つまりこの部屋はいろんな意味で混沌としているのだが、それを引き起こした蒼太が笑っているだけなので、わかる人には凄さがわかる。そうでなくても怖さがわかる。
ああ、これは百万円の夢が...。
報酬を何にしようか全然決まらなかった。




