私、決着を着けます。
そんなわけであの幽霊と戦うことになった。正直言って酷くない?肉ダルマの癖にさ、怖じ気づいてか弱い私を囮にするだなんて...そんなのならケンカ売らなければいいのに。
「ん?何だ、かかってくるのは結局そこの鬼だけか?一斉に来てもいいんだぞ?」
「ふん、貴方ぐらいならこの酒呑童子一人で十分だよ」
「ほう、後で後悔しても知らんぞ」
そんな煽られても私には他の攻撃手段が無いんだよね。まぁ1番達に拘束してもらって、その間に本に閉じ込めるのが他の手か。でもきっと警戒してるだろうからパス、あ、そう言えばこの本も何か封印されてるのかな?最悪その方を解放してその間に逃げても...あ、あったあった。
私は本をペラペラとめくり、封印されているものを見つけ出した。
えっとなになに、「夜叉」「鵺」「大蛇」...うん、多分出した瞬間とんでもないことになるようなものばかりだ。
捕まえた所で言うこと聞いてくれるようになる訳じゃあ無いんだよねこれ、変な恨みとか持ってたら嫌だから出したりはしない。むしろ勝手に出てこないよね?
まぁそんな事は一先ず置いといて、問題はどうやってあの親玉を倒すかって事だ。
「さぁとっとと始めようじゃあねぇか」
「ああもう、酒呑童子やっちゃって」
「(^o^ゞ」
酒呑童子は返事をしたかと思うといきなり親玉を殴った。とてもいいグーが入ったらしい。相手が幽霊だから音こそ出なかったものの、コンクリートぐらいなら余裕でヒビをいれてる威力があるだろうとは用意に予想がつく。
えっと、酒呑童子強すぎない?あの親玉をワンパンしたんだけど...見た目だけの幽霊じゃあないからシンプルにうちの子が強くなっただけ?だって親玉が文字通り壁を貫通して遥か彼方に飛んでいったからだ。まぁほとんど不意討ちとは言え勝ちは勝ちだろうからありがたくこの場所は返してもらおう。
「そう言えば何で君たちは此処にいたの?それに親分ってのは?」
「ひい、怖いよ」「答えるから乱暴はやめて」「も、もう覚悟は出来た」「大丈夫、怖くない怖くない」「...」
「えっと、質問に答えてくれるかな?一人でいいから」
「あっ、はい。行き場の無い僕達に住みかをくれました。此処にいる幽霊は全て親分が匿ってくれてるんです」
成る程。と言う事は意外と心優しい一面もあったのか。悪いことしてしまったかもしれない。それどころか私って肉ダルマの意見しか聞いてないし、そもそも奪われたのではなく勝手に逃げ出して来ただけだったような...ああ、つまりはこいつが全て悪くてそのせいで私がしなくていい徒労を強いられたって訳ね。
「ねぇ肉ダルマ、覚悟は出来てるんでしょうね?」
「あはは、一体何の事ですかね?俺はもう満足でこれ以上言うことなしっすよ」
「ねぇ肉ダルマ?貴方確か私のせいでここ追い出されたって言ってたよね」
「ええ。でもこれでチャラっす。いやー、一時はどうなることかと...」
ほうほう、まだ自分の立場が分かっていないようだね。これは少しお灸を据えるべきだね。自分の都合で他人を振り回してコキ使ってくれやがって。
「肉ダルマ、謝るなら今のうちだよ?」
「な、急に何を言うっすか鬼姫。はしょりすぎて思考の流れについていけないっすよ」
「芽依ちゃん、確かに飛ばし過ぎて俺にも理科できないよ」
あー、もしかしてまた一人で思考の暴走してた?まぁそれなら仕方ない。説明してあげようじゃあないか。
「先ず私たちは肉ダルマにケンカを売られたでしょ?」
「そうだね、その結果鬼姫と呼ばれてるもんね」
「で、その後依頼だと言って私に住みかの確保を頼んできたでしょ?」
「まぁ芽依ちゃんのせいで困っているらしいけどね」
「で、いざ来てみてら親玉って意外と悪くないやつじゃん?」
「此処にいる幽霊は力が弱いから匿って貰ってるんだっけ。」
何だ、何だかんだ言って理解してるじゃん。流石頼れる2番だね、それに対してあの肉ダルマは未だに何を言ってるのか分かっていない見たいにポカーンとしてるけど...まぁ解ってくれるでしょ。
「で、本題としては、肉ダルマは親玉から何もされていないって所だよ」
「はぁ?俺はあの親玉にここを追い出されたんすよ?」
「気配にビビって逃げてきたんじゃ無かった?」
「「「あっ」」」
「まぁつまりはこの肉ダルマが一人で勘違いして挙げ句の果てに私を巻き込んでコキ使ったって事だよ。ここまで言えばバカでも理解出来るでしょ?」
「本当に勘弁してほしいっす鬼姫」
「まあまあ、取り敢えずは許してあげたら?それより芽依ちゃん。どうして此処に弱い幽霊が残っているのか気になるんだけど」
ん?2番は何を言ってるんだ?親玉が匿ったから意外に無いじゃん
「だって俺や先輩ですら必死で抗って何とかこの世に留まっているのに、こんな弱そうな幽霊にこの時期まで残っている事って出来ない気がするんだよね」
「成る程、確かにそれは興味深いね。肉ダルマは一旦保留でいっか。それよりもその方法次第では2番も苦しまなくて良いもんね」
うん、これで私の方は一件落着。後はじっくりと話を聞いたりして役に立つ情報を得よう。そう思って見上げた空は、幽霊と死神と悪魔の大戦闘が繰り広げられてるのだった。
ああ、そう言えばそんな事蒼太さんが言ってた。
GWが急がしくてすっかり遅れた投稿。令和一発目なのに...令和も幽リアよろしくお願いします。




