私、支配者に会う。
「うっ、ぐすん。大丈夫もう平気」「怖かったよ」「チビるかと思った」「あんな怖い幽霊のとこに居たなんて」「ガクブルガクブル」
「そこにいる鬼姫の方が怖いっすよ。何せ鬼を呼び出して手も足も出ないぐらいボコボコにされたっすから」
うん、その通りだけど何か...あれ?私の持ってる鬼って幽霊殴れなかったはずなんだけど。何でそういえば勝てたの?
「ねぇ2番、あの鬼って幽霊触れられなかったよね?何で殴れたの?」
「さぁ、確かにそれは不思議だね、芽依ちゃん」
「呼び出して真相を聞いてみる?」
「ここで?騒ぎにならないかな?まぁいっか、それはそれで面白そうだし」
と言う訳で出てこい鬼!
「あれ?鬼姫サン...ドオシテココニオニガイルンデスカ?」
何故かビビってる肉ダルマがいるけど今は関係無い
「ねぇ鬼、何で幽霊触れるようになったの?」
「?」まぁ会話は無理か。普通そうだよね。
それにしても鬼って名前じゃ無いよね。何か味気ないから名前をつけるべきかな?鬼っぽい名前...酒呑童子、茨木童子、前鬼、後鬼...もう酒呑童子でいっか。有名だし
「貴方は今日から酒呑童子ね。よろしく」
「!」鬼は慌てて近くの壁に文字を書き出した。
"私はそこまで強い鬼ではありません"
意思疎通は出来るみたいだ。しかも無駄に達筆なのが少し以外だ。
"殴れるようになった訳は、練習しました"
「練習?そんなのでなんとかなるの?」
"頑張ればなんとかなりますよ。私も霊体みたいなものですし"
「そう言う物なのか。その内何でもありな気がする」
"いえいえ、流石にそれはな"
あっ、壁が途切れた。少し鬼は困った顔をしたのち諦めた。
「まぁ名前負けしないように頑張って」
「(^_^;)」
あ、それで気持ちに伝えるのね。まぁ表情でもわかるなら意思疎通出来るしいっか。
さて、では本題に入ろう。
「さっきは何であんなに慌ててたのかな?」
「あはは、あれっすよ、急でビックリしただけって言うか...」
「本当は?」
「すいません。鬼だけは勘弁を」
「内容が知りたいんだけどなぁ私。」
「う、えっと、どれだけ恐ろしかったのか誇張して喋りました」
また要らんことして、これで私の方が怖がられたらどうするつもりなんだか。お仕置きだね。
「わかった。なら酒呑童子には誇張異常の頑張りをしてもらえば解決だね」
「え?それってつまり...」
「いや、折角最強の鬼の名前をつけたんだから名前負け何てしてられ無いからね。強くなってもらわなきゃ」
ガタガタ震える肉ダルマとプラスαな5人組
「まさかこっちの方が怖いなんて」「敬われるだけのことはあったんやな」「今日が我らの命日やー」「いや、元々幽霊やで」「ガタガタガタガタ」
「ねぇ2番、そういえば肉ダルマって追い出されたんだよね?」
「そう言ってたね。それがどうかした?」
「いや、あんな5人組にビビって逃げると思う?」
「それは確かに無いね芽依ちゃん」
そうなのだ。明らかに弱い幽霊の5人組に腐っても威圧感だけはある肉ダルマが逃げ出すとは到底思えない。
「ねぇ、肉ダルマ。本当に彼らから逃げ出してうちの学校来たの?」
「いえ、別の奴です。多分その後に彼らが来たんだと思うっすよ鬼姫」
「それってつまりここがテリトリーな可能性があるってこと?」
「そうかも知れないっすね」
「どんな見た目なの?やっぱり威圧感すごいの?」
「そうっすね、ちょうど鬼ぐらいあって...そうそう、そこにいる幽霊ぐらいの感じっす」
へー、と思ってその示された方向を見ると、明らかにヤバそうな幽霊がそこにいた。
世紀末感バリバリなモヒカンにサングラス。立派な筋肉とその手に持ったショットガン
いや、かなりヤバイじゃん。飛び道具は卑怯だって。
「お前ら、俺の支配領域でさっきから騒ぎやがって、何してやがる」
「お、親分」「えっとですね」「これはその」「用心棒採用試験です」「それで力試しを」
「そうか?それならいいが。それにしてもそこのやつ以外頼りねーな」
酒呑童子が誉められて喜んでる。あの見た目なのに少し可愛く思えてきた気がする。以外と表情豊かなんだね。
「やいやい、俺は用心棒何かじゃないやい!俺は丸井 強。この場所を取り返しに来たんだ!」
は?あのアホは一体抜かしてくれてんの?銃持ち相手に喧嘩売るって...って物理効くの私と鬼だけか。チクショウ
「ほう?お前は俺と戦おうってのか?」
「は、お前と戦うのは俺じゃねぇ。大将鬼姫、あんなやつやっちゃって下さい」
「はあ?何で私が?と言うか巻き込むな」
「ほう?お前が鬼姫とやらか。面白い、やってやろうじゃないか。」
今まで史上もしかしたら1番ヤバイかもしれない場面で売られたかも知れない。
ああ、もうどうにでもなれ。
平成の終わりが刻一刻と近づいてくる。
年の瀬にも似た物悲しさを少し感じています。




