私はすずだよ!
あの挨拶少女が登場です。
むう、これはなかなかに厳しい戦いの気がするよ。
あの友梨さんはどうにも上手く掴めないよ。
ん?私は誰か?そんなのわかっているでしょ。
この学校において良い意味で有名人の桐津 鈴さんだよ。
私の最終目標は全生徒との友好関係を築くことなんだよ。
人と仲良くなることによって出来ることって大幅に広がるんだ。
私は友達を増やして楽しくすごしたいからね。ギスギスした関係はつまらないからそれが起こらないように繋ぎになろうと思って委員長とかも引き受けたんだし、楽しい学園生活を夢見て頑張ってるんだけどね、問題が一つ。
それは、友梨さんの事である。まさかまさかの私のお膝元で事件が起きるだなんてビックリしちゃったよ。
最初は話しかけても余り返してくれないから人見知りなのかと思っていたけど、それから色々問題が起こってさ。
そう言えばゴールデンウィークを境に起こるようになったんだっけ?それでオカルト本を読んでる友梨さんのせいに皆がしたので宥めて落ち着かせようと奔走したっけ。いじめなんて起こさせてたまるものですか。
...という努力も空しく人体浮遊にケンカにカツアゲとかやったりしてたからもう私も混乱しちゃってさ。話しかける機会もきっかけもなくて途方に暮れたときもあったね。
それにたまに人が変わったような振る舞いをすることもあったりさ、もうビックリの連続だったね。
特に驚いたのが体育祭。あれはどう考えても人間の成せる技じゃないよ。どうやったら自動追尾する水鉄砲何て出来るのさ。
そう言えばいつか皆の体調が突然悪くなった日があったような気がするけど...まさか関係ないよね。
うん、今回想してみてもやっぱり変な子だ。でもきっと大丈夫。夏休みの間に話題になりそうな事は沢山調べたしきっと仲良くなれるよ。
長い始業式の後、私は教室へと入った。
今年の目標は友梨さんの攻略だよ。お、いたいた。ん?落ち込んでいるような...ああ、成る程そう言うことか。
「どうしたの友梨さん。元気なさそうに...ああもしかしてこの後の発表に緊張してるのかな?私も緊張してるんだ。頑張ろうね」
「え、ええはいがんばりま...」
最後の方は聞こえなかったけど多分がんばる的な事を言っていたんだろう。
あっ、楓さんに呼ばれたから後でもっかいチャレンジしよう。「えーと、うん。じゃあね」さて、クラスの皆に一通り話しかけながら今後について考えを纏めていくとしましょうか。
「はーい、今から夏休みの思い出を発表してもらいます。小学生みたいだと愚痴を言わずに参加してくれ。これはスピーチの練習で、社会に出るときに必須のスキルだからな。」
出席番号順に発表するので私は男子の後だから直ぐだ。まぁそれでも30分程の時間はあるのだけどね。でもこれ二時間使ってすることかと言われればやっぱり要らないかも。
そして遂に私の番が来た。
「私はこの夏休みの間に様々な経験をしました。キャンプに花火、旅行に祭と言った......」
まぁ私は色々な事を夏休みの間にやっていたのだ。
キャンプではグライダーで空を飛んだりカヤックに乗ったりしたし、花火では最前列の有料スペースで邪魔されることなく見ることが出来た。旅行ではいつもは食べられないようなフルコースを食べたり絶叫マシンに乗ったりと色々な事をしていた。
因みに全て私の友達に誘われた物だ。同年代だけでなく小中の時の先輩や塾で知り合った人、近所の人などかかわり合いのある人の殆どは私の友人で、今も時々交流があるんだ。
だから話の種には困らないと思っていたけれどまぁ友梨さんには通じず、この予定の合間合間に心霊関係を調べたりしていたのだ。
多分夏休みだけなら誰よりもエンジョイしている人だと思うよ。
「...と言うのが私の夏休みの思い出でした。」
「はい、ありがとう御座いました。」
さて、これで私はやることが終わったのでゆっくり出来るわけだ。そう言えば友梨さんは発表出来るのかな?かなり緊張してたけどまぁ大丈夫だよね。
まぁそして数人の後に、いよいよ友梨さんが登場した。
内容的には普通の帰省についてだった。でも何故か話していく度に顔が引きつってきてるような...と言うかちょっと寒くないこの部屋。
まぁ暑いよりかは良いかな。
それより早く仲良くなる方法を考えなければ。
何せ人と交流無いと思ってたのに金剛さんとか会長とかと仲良くしているからね。私ですら近づけない人達に平然と接している所を見ると怖いもの知らずと言うか、何でそれで他の人と会話しないのかが不思議だと思う。
これはきっと友梨さんと仲良く出来たら今まで知らなかった世界を見せてくれるはず。これだから友達を増やすのは止められない。何時だって自分の知らないものを見せてくれるから。
ああ、一体どうしたものか。
この子が一体どのように物語に絡んで来るのか...もともとモブキャラの予定だったので私ですら想像がつかない。




