私、理解不能です。
うわー、めんどくさ。
辺りは次第に暗雲が立ち込めて来ていた。
「何かヤバそうな気配してるけどこれ大丈夫何ですか?」
「これが大丈夫に見えるなら病院に行くことをオススメします。」
うん、やっぱりヤバいらしい。
「それにしても、悪魔って皆こんな感じでオーラ全開何ですか?」
いいぞ2番。どんどん聞いてくれ。
「いえ、そもそも悪魔と死神の決定的な違いは、力を使えるかどうかなんです。」
「力、ですか?」
「願いを叶えたり出来るのもそのおかげですね。一般的に悪魔は我々とは、格が違うのだそうです。因みに力を出しっぱなしなのは、単に未熟なだけで、収まった方がむしろ危険ですね。」
成る程、格が上がったから不思議な力を使えるようになったのか。悪魔って厨二病なのかな?
「とにかく、あの悪魔を封印しちゃって下さい。何か次第に風が大人しくなって来ましたし。」
「無理ですね。今の私では...すみません。」
「さっきの本のやつは無理なんですか?」
「あれは、同格か、格下にしか使えません。」
なんだそれ、完全に詰んだ?
うっそまじで本当に?
「おお、見える!漂う霊がはっきりと見えるぞ!これで更に俺は強く成れる!」
そう言うなり、回りに漂う霊を集めに行った。
多分高揚感とかで一時的に意識から外れたんだろう。
それにしても、漂っているであろう霊は御愁傷様である。
私犬とかしかまだ見えないからわからないけど。
取り敢えず慌てている七光りを落ち着かせて、少し残念キャラになった副会長を保健室に連れていった。
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「さて、多分もう暫くしたら思い出して帰って来ると思うので、其れまでに対策考えますか。」
「そもそも私はあまり詳しい訳じゃないから対策って言ってもね。」
「...何で男の貴方がちょくちょく女声でしゃべるのですか?確か、2番さんでしたっけ?」
「おい、どっかで頭打ったか時雨?」
まぁ霊が見えるならそう思うよね。
「本体が人見知りみたいなモノだから仕方なくだね」
「まぁ本人の許可があるなら別にいいですけど。それよりも情報ですか。」
少し悩んだ後、思い出したような顔でこう言った。
「ああ、そう言えば先輩後輩みたいな間柄の悪魔がいるそうですよ。」
「それって今回のに当てはまるの?」
「悪魔らしく振る舞っていたから多分当てはまりますね。普通の死神ならあんな行いはあまりしませんので。」
「ふーん、なら倒した時に先輩悪魔がキレてやって来るとかもあるの?」
「まぁありますね。あまり多くはありませんけど過保護な悪魔とかいますから。」
何かますます面倒くさくなってきた。
倒す手段が無いのに倒したら余計厄介になるとかどうしろと?
それから暫くすると、悪魔が帰って来た。空を飛んでるので、直ぐに見つかったのは行幸だった。
不意をつかれるよりは、だけど。
「はっはっは!雑魚にいい様にいたぶられていたのを思い出したのでな、さっさと始末してくれるは!」
「友梨さんと竜也は逃げて下さい。狙いは私でしょうから時間を稼ぎます。」
「バカか!多分見えて無いの俺だけだろうけどそれでもあれはヤバい奴だと解るぞ。それなのに...」
正直、それでも逃げ切るのは無理だろう。
何せ相手は空を飛び回るのだ。逃げられる訳がない。
「まぁそれなら俺も残るよ。囮は少しでも目立つ方がいいだろ?」
そう言うなり、2番が私から出ていった。
「芽依ちゃん、もしお互いに無事に残ったら、その時は溜まっている褒美をくれよ?」
「え?いや、それって死亡フラグなんじゃ...」
「おかしな事を言うね?とっくに死んでるんだぜ?
回避に決まってるじゃん。」
そう言うと、囮として悪魔に突っ込んでいった。
私は、1番に七光りを持たせると全速力で逃げ出した。
が、まぁ上手く行く訳が無かった。結界的なのがこの学校の敷地に張られた。
「逃がすわけ無いだろ?お前ら全員ここで俺の糧となれ。特にそこの霊持ち!」
これって私が1番の標的ってこと?
おかしな、私影で見てただけなのに。
「お前らを倒せば次はこの建物の人間だ。まだまだ俺は強く成れる!そして、頂点に俺はたつ!」
何でこいつは強さに拘るのだろうか?チート主人公でも目指しているのだろうか?
厄介なのには代わり無いが。
「まぁ先ずはお前だ、魔導書持ち!貴様には受けた痛みをそっくりそのまま返してやる!」
さっきまでいた場所から、何かものすごい数の雷が落ちているような音と、光が見えた。
明らかにオーバーキルだろうと思いながら取り敢えず結界端に逃げていると、突然結界が破られた。
そして、私の目の前に、。悪魔っぽい2番が現れた。
「あんた、なにしてはるん?」
思わず変な口調になった。それも仕方無いだろう。
何せ絶対絶命の危機に突然コスプレ2番が現れたんだから。
「お前、俺を知っているのか?まぁいいか。」
そう言って、彼は悪魔の方に向かって行った。
「おめでとう、とうとうお前は悪魔に成れたのだな」
「ク、クラソー様。ありがとうございます。どうですか私のこの力は!」
「いいじゃないか。それで、今は何をしているのかね?」
「はい、誠にお見苦しい所を見せてしまい申し訳ありません。もう少しで忌々しい雑魚を倒し、この建物すべての魂を集めて更に強くなる予定ですので暫しお待ちを...」
うわー、多分あれが先輩悪魔だよ。
また何とも面倒になった。
それにしても、瓜二つなのはどういう事だ?偶然?
「ほう、あの建物の魂全てを集めると?」
「はい...あ、どうぞ好きなだけ持っていって貰って構いません。」
あー、皆殺しエンドに突入かな?
こんなんどうしろと言うんだよ。
だが、事態はそうは成らなかった。
突如、2番っぽい悪魔が悪魔を殺したのだ。
「「「は?」」」
その場にいた2番っぽい悪魔以外の全てがハモった。
「お前はいつまで死神のような思考をしているのだ?お前は誇るべき矜持を、全能足る叡智の一端を汚しているのだぞ?
お前はもう少しマトモな思考を持っていると思ったから育てたものの、とんだ出来損ないではないか。」
何かよくわからないけど助かったのか?
突如、2番っぽい悪魔が2番に気付き、こう言った。
「悠太、お前ここで何してんだ?」
ああ、訳のわからない状況が続きそうだ。




