閑話:明けない夜のクリスマス3
何か駆け足の展開になってしまった。
まぁいいよね。
原因は見えてきた。本人は自分のちからとでも思っているのだろうが、勝手に叶えて恩の押し売りとかごめん被りたいものだね。
「えー、それで貴方は笑顔が見たくて時間を止めた?んですよね?」
「ええ、そうです。これでずっと笑顔が見れます。」
「何故今日なんですか?」
「イブというテンションのあがる日と、次の日のプレゼントを期待した二重の楽しさを感じられる日だからです。」
「はぁ、まぁ分かりました。次に何故こんなに変な時間何ですか?」
「願いがかなった時間だからです」
おい、深い意味とか無いのかよ。
まぁ成仏しないように願ったのだから妥当ではあるけどさ
「ツリーやオモチャが変わっていたのは?」
「それは一体何の事でしょうか?まぁいいですけど。」
え?関係無いってどういう事だろう。
てっきりこの人(霊)を説得するだけで終わるとか期待したけれども、やはりダメだったか。
それにしても、願いに関係無い騒動ね、ますます悪魔の関与ありそうだな。
まぁひとまずは説得するか
「それで、何時になったら時間を進めてくれるんですか?」
「進めませんけど。何故ですか?」
「イブの盛り上がりに関してはそろそろ持たなくなって来てますし、プレゼントを永遠にお預けになっていたらどんな子供でも拗ねて怒ってしまいます」
「持たない?楽しいイベントなのに?」
「いきなり夜が明けなくなったり、電話が使えなくなったりしたら、皆驚きますよ。」
彼女は少し考え出した。
どうやら上手く行きそうだ。後一押しだろう。
「貴方は人々の楽しみを奪って満足していますか?」
「ううん、よし、私時間止めるのやめにするわ。だってせっかくの楽しさを奪う事になってるって気付いたもの。」
何とか上手くいった。
きっと本当に優しい人なのだろう。抜けているけど。
「なら依頼は達成だな。もう少しサービスしても良かったが満足してくれたなら良かった良かった。」
不意にそのような声が聞こえた。
「貴方は一体?」
「お前の願いを叶えた者だ。」
「そうだったのですか。わざわざありがとうございました。」
「それで対価を貰いに来た。」
そういうと、彼女の魂を瓶のような容器に入れた。
「さあ仕事も終わったし帰るか。」
そんな事を言っていた。
悪魔とか天敵過ぎて関わりたく無いんだけどな
まぁ仕方ないか。
「あの、少し聞きたいことがあるんですが」
「ん?おお、他にも誰かいたのか。それにしても魂5個持ちか、どんな願いをお望みかな?」
「取り敢えず質問に答えてくれるなら願いを言ってもいいですよ。」
「ほいきた、それでどんな事が聞きたい?どんな事が叶えられるとか?」
「いえ、ツリーとかを変えたのはアナタのサプライズなのかなと思って」
予想していない質問だったのだろう。
彼は少し驚いて、目を見開いてからこう言った。
「その通り、停滞した世界は暇になってしまうからね、暇潰しを作っていたのさ。そのうち進行パレードとかやってもっと面白い事を計画してたんだけどね。」
「成る程、ありがとうございました」
こいつが元凶と見て間違いなさそうだな。
それなら彼を倒せば万事解決かな?
「さあ、そろそろ願いを言う気になったんじゃない?」
「そうですね。なら私は3つの願いを言えるんですね」
「へぇよく知ってるじゃん。もしかして俺のファン?」
「5人分あるのにも魂があるのに3つとかケチ臭いな~4つにしてよ」
「あー、ハイハイソーデスネ、んー、まぁ一つぐらいならいっか。」
さて、ここからが勝負だ。
時計を見ると、まだ7:00なので取り敢えずこれの解除は必須だろう。
「なら最初の願いはサプライズを消して。邪魔だから」
「それはオモチャを戻したりツリーを戻したり?」
「ええ、その通りですね。」
「別に彼女返さないよ。」
「知ってるよ、それぐらい。不便だからねこのままじゃね。それと2つ目として時間を進めてよ」
そういうと彼は何やら呟いた後、「これで願いは叶ったね。」
時計を見ると、確かに進み始めていた。
「さあ、他にも願いを言ってみてよ。君は不思議な質問や願いを言う面白い人だね。」
さっきの人もこの悪魔を倒しさえすれば解放されるのは知っているからね。別に解放何か願いは要らないのが救いだ。
次の願いは、そうだな、少し私欲を混ぜてみるか。
最後の願いを叶えて貰えないと不味いからね。
「次の私の願いは、人に会っても緊張しなくなるだよ。」
「へ?うんまぁ確かに面白い答えを求めたけどさ、はっきり言えば予想外だよ。」
また何やら唱えると、「これで願いは叶ったね。」と言った。
そして、ニヤリと笑ってこう言いはなった。
「さあ、最後の願いをいいたまえよ」
私の最後の願い、それは悪魔を倒せる力だ。
実は幽霊騒動の後調べたらこの方法で退治が出来ると言う話があったので、参考にさせてもらう事にした。
「私の最後の願いは悪魔を倒せる力だよ」
「ん?なんだそれ?まぁよくわからないけどいいよ。」
そう言って、まだ唱え出した。
実は悪魔は元人だったりするので、取り込んだ人の記憶と自らの記憶いがいは持っていないので、割と悪魔によって性格がガラッと変わったりすることがある。なので悪魔の願いを叶える能力は同じ願いでも効果は千差万別だったりする。
「願いは叶った、では最後の対価を貰うよ。」
「ちょっと待って。」
「なんだい?今さら無しとか無理だよ?」
「そうじゃなくてさ、せっかく願ったのに一回も使わないとかもったいないじゃない。」
「成る程、それは損だね。それなら使えばいいよ。」
言質は取った。
「ならやってみることにするよ」
「うん、えーと、何故俺に向かって構えているんだい?」
「他に打てそうな人がいないからね。今から悪魔を探すのも面倒でしょ?だからあなたが受けてよ。」
「え?まぁ確かにそれで満足するなら」
私はしっかりと拳を握り、悪魔を殴った。
「くたばれくそ野郎!」
「芽依ちゃん口悪いね。こりゃキレてるは。」
なぐなれた悪魔はと言えば、へなちょこパンチを食らった場所から徐々に灰になっていった。
そして、悪魔が完全に灰になった瞬間、沢山の魂が空へと飛び出していった。
これにより、後に「明けない夜のクリスマス」と呼ばれる事件は幕を下ろしたのだった。
ああ、悪魔が間抜けで良かった。




