閑話:明けない夜のクリスマス2
もう少し続きます
時計は未だに夜の7:00から動いていない。
かといって、時が止まった様に見える様子もない。
外では相も変わらずクリスマスソングや人の話声も聞こえる。
「一体どういう事?」
「別に気にしなければいいんじゃない?」
確かに実害を今のところ感じていない。
ならば気にしなくてもいいんじゃないだろうか。
そう思うとどうでもよくなり再び寝ることにした。
......目が覚めてもまだ7:00だった。
何でこんなに中途半端な時間なんだろうか。
試しにタイマーを使って見るも、時間は計れる。
十分に寝た私は、着替えて外に飛び出した。
商店街まで来ると、そこは人で賑わっていた。
お酒を飲んで騒いでる人達もいる。
一晩中騒いでるようなものなのに疲れないのだろうか?
時間以外には特に変な所は無いのだろうか?
そう思い散策を開始した。
そして、明らかな違いをここで初めて見つけた。
駅前の広場には、クリスマスツリーが一つ飾ってあったのだが、そのサイズが明らかに大きくなっていた。
超ゴージャスになったクリスマスツリーには、飾りも沢山ついていた。
てっぺんに輝く大きな星や様々なイルミネーション等が飾られていた。
しかし、その中にひときは目を引く物があった。
それは時計である。
本来駅の壁に引っ付いていた時計がクリスマスツリーに飾られていたのである。
その時刻はやはり7時。
他に大きな変化を見られなかったので、多分ここが原因と見て間違い無いだろう。
まさかこんなに身近に原因があったなんてな。
それともこの町だけこのような状態なのだろうか?
「芽依ちゃん、町の外には行けなかったよ。」
「あれ?いつの間に来たの?確か置いてきた筈なのに」
「目が覚めたらいなかったから町中を飛び回って探したらここにいた。」
「それで外に行けない事が解ったのか」
ううん、まぁそこまで広い範囲で事が起こっている訳じゃないと言うのはわかった。
それから色々試した結果わかった事があった。
まず、電話が町の中の人しか繋がらない。
テレビは見れる。
電車が来ない等である。
そして、1番重要な事が解った。
それは町の外の世界は止まっていると言ったものだ。
偶然境界付近に人がいたのだが、動く気配が無いのである。
そこから推測されるに、多分ここで何年たとうが外の世界は1秒にも満たない時間なのだろうというあまりにも突拍子もない事であった。
それに、流石におかしいと気付いた人もちらほら出てきた。
あまりにも悠長にしていたらパニックになったりもするだろう。
物事は面倒になる前に終わらせるに限る。
しかし、駅前ではこれ以上の収穫は無かったのであった。
「これは他におかしな所を探して見るべきなのかな?」
「まぁ妥当だな!他にクリスマスに関係ありそうな所は無いのか?」
「何故クリスマス関係?」
「そりゃ変わっているのがクリスマスセールをしていた駅前のツリーだからじゃない?」
「成る程」
他にクリスマスに関係ありそうな所で駅前から遠い所は...それこそケーキ屋とか、他、他、他...オモチャ屋?
「ケーキ屋とオモチャ屋に行ってみよう」
「まぁ悪く無いと思うよ。強いて言うなら肉屋もあるかな?」
私達はそれぞれ、二人づつに別れて、それぞれに向かった。
私はケーキ屋担当だ。
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店に着いてみると、そこはしまっていた。
完売の札が掛かっていたので、理解は出来た。
まぁ一晩たっているようなものなのだ。
そして、店の周りを見渡すも、特にこれといっておかしなモノは無かった。
暫くすると、肉屋の二人も合流したが、やはり何の成果も無かった。
しかし、オモチャ屋に行った二人がかれこれ30分待ってもやって来ない。
「1番と2番は何をしているんだろう?」
「もしかして迷子に~、なっているのかな~」
私達はオモチャ屋に向かった。
だいたい30分程歩いて、着いたそこで見たものは、オモチャの行進だった。
コルク銃を構えた人サイズの木の兵隊人形や大きくなった熊のぬいぐるみ、木馬や車等が積み木で作ったであろう建物に入って行っている。
おそらく百はいるだろう。
「これって積み木の城なのかな?」
「多分そうだろうね」
気がつけば後ろに2番がいた
「それにしても彼等は何の役割があるんだろうね」
「役割?強いて言うならプレゼントとか?」
「それなら何故歩いているんだろ?」
「さあ?それよりもこの店って木の人形何て置いてたっけ?」
「多分電池で動くオモチャが主流だと思うよ」
何ともわからない事になってきた。
お手上げとばかりに空を見上げると、一人の霊が漂っていた。
それはあの依頼人の霊だった。
気になった私は、呼んできて貰う事にした。
「いいですね、皆さんの笑顔が見れるクリスマスは素敵ですね」
彼女は最初にそう言った。
「あの、時間が7:00から進まなくなったんですけど何か知ってます?」
「ええ、もちろん。だって私の願いですから」
「どういう事ですか?」
「私がもっと笑顔を見たいから永遠に笑顔の見れる場所を作るまで成仏出来ないと願ったんです。」
話を聞いてみると、どうやら依頼をこなしていた時かにみた笑顔が忘れられないらしく、そんな笑顔が永遠に見れるような場所を望んだらしい。
「幽霊になってまで叶えたいってすごい執念だね」
「いや、そんな事普通無いから」
「そうなの?じゃあやっぱり悪魔関係?蒼太呼ぶ?」
「うん、例えば誰かが死ぬまで成仏しないと強く願っても実際は相手が寿命で亡くなるまでそこにいるだけ何て事が普通だから」
「まぁ普通は頑張っても地縛霊止まりか良くても浮遊霊程度で祈ってかなうなんて悪魔しかないね」
「そゆこと。まぁ思いは幽霊の原動力だからやろうと思えば何でも出来るっちゃ出来るけどね」
悪魔にでも魂渡したのだろうか?彼等なら不可能ではないはずだしそこまでの思いならほぼほぼ確定でいいだろう。
ああ、真実は目の前だ。




