私、説明を聞きます。
何もしない。
それが彼女の言った最善策なのだ。
だが、私には理解できない。
「何もしないって言うのは冗談ですよね?」
「言葉通りの意味で、それ以上でも以下でもありません。」
「でもそれだと死んでしまうのでは?」
「それは自業自得でしょう。」
勝手にやって来た死神に殺されるのが自業自得って
一体どのような恨みを買ったのだろう?...じゃなくて見殺しは出来ないね。
「流石にそれを自業自得というのはどうかと思うんだけど」
「...ああ、もしかしてあの死神に殺されるのが自業自得だといってはいるけど、無差別ならその限りではありませんよ?」
やっぱり理解できない。
死神は無差別に殺しにくるモノじゃないの?
だから擦り付けたり出来るって...あれ?何で生きてるの先生?
「その顔は理解出来た様ですね。あの死神は無差別には人を殺しません。何故なら魂をかなり溜め込んでいるからです。」
「それとどういった関係が?」
「魂を貯めた死神はやがて悪魔となります。そして、悪魔は基本的に対価として命を取って行きます。」
そこまで言われてピンときた。
つまりはあの死神は悪魔の真似をしているのだろう。
「ここまで言えば部長の貴方なら理解出来ますよね」
「つまりは契約を結ばなければ良くて、仮に結んでも願いを言わなければいい。だから自業自得と」
「その通りです。」
「でも何で悪魔は契約何て持ちかけるんだ?」
「そこのオジサンいい質問しますね。それが彼らにとっての知性の証明だからです。」
「知性の証明?」
「力無き者から奪うのが蛮族なら、力無き者に施すのが知恵有るもののやり方だと彼等は思っています。」
何かよく分からないけどそんなもので示せるのだろうか?
まぁ優越感とかそんなのも有るのだろう。
「他に質問はありませんね。では、この件にはこれ以上関わらないで下さいね。」
そういった後、彼女は部屋から出ていった。
「さっきの話、どう思う?」
「まぁ死神がニコニコしていたから裏付けはあるんじゃないかと思う」
「完全に関われなくなったな!」
「説明に念押しだからね~、これで関わって許される振りとかでは無いからね~」
まぁ実際、先生次第では直ぐに急がなくてはいけない事態では無いので、関わらなくてもいいかと思えてきた。
そもそもこういったのは、興味本位で手を出して結果悪いことになるのはお約束だからね。
専門家?に任せて置けば大体は何とかなるんだから。
そういえば、何でこんなに必死にこっち側に突っ込もうとしてたんだろ?私は平穏な日常が送りたいのであって、裏の世界とか出来れば遠慮願いたいので、 関わるのは止めにすることにした。
それはともかく、気になるのは副会長の事である。
一体彼女は何者なのか、是非調べて貰おうと彼等を期待の眼差しで見たが、かえって来た反応は芳しくなかった。
「幽霊見える相手にどうやって近づくのか?」
「多分余裕で浄化とかしてきそう~そもそも自分で行けば~」
「そもそも幽霊に触れられるほど力使いこなしてる相手に芽依ちゃん勝てるの?」
と言った言葉が帰って来た。
成る程、全くその通りです。
人任せに頼りきりですみません。
そんな感じで時間が過ぎて行き、気がつけば、もう下校時刻だった。
なんと無く心に靄を残しながら帰宅し、明日を迎えるのだった。
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次の日
教室に登校すると、まだ先生はいて、案の定死神がニコニコとしていた。
なんと言うか、やっぱり不気味である。
私と同じ霊能力者(自称)なら何とかして欲しいものである。
何て考えながら、1日を過ごした。
何回か死神を見かけたが、特に危害を加える様子はなかった。
それから、約3日間特に何か起こるわけでもなく、
ただただゆっくりと時は流れていった。
だがその次の日には、かなり大きな変化があった。
先生がやつれて来たのだ。
むろん、もともと太っていた訳ではないが、それでも割と若い健康的な人だったのに、この日は誰が見てもわかるくらいには痩せてしまった。
流石に心配になった私は、副会長に聞いてみる事にした。
多分見破られているであろう2番の出番である。
「すみません、死神の事で聞きたい事があるんですけど」
「一体なんですか?関わるなと私は言いましたよね?」
「いや、流石に痩せて来るとは思って無くて、本当に大丈夫なんですよね?」
「痩せて来る?一体何を言っているのですか?」
どうやら知らなかったらしい。
先生が教室目に見えて痩せてやって来たんですよ。
「成る程...?ストレス?それとも不眠とか?いや、...」
「あの、それでどうなんですか?」
「取り敢えず様子を見てきます。方向ありがとうございます。」
何とか伝えることが出来たので、部室に行こうとすると、手を引っ張られた。
今いる場所は生徒会室。
そう、七光りの生息スポットである。
「一体、いつから時雨と仲良くなったんだ?それに今の面白そうな話は一体?さぁ!とことん語って貰おうか!」
ああ、この上無くめんどくさい。




