私、初めての体育祭です。2
ああ、楽なのっていいね。
私は、体育館の端で1人でゆっくりと過ごすのだった。
本番まではまだ二週間以上ある。
「練習に参加しなくてもいいの?」
「いいのいいの、だってすることないし。」
「確かに綱引きも玉入れもそこに居るだけだもんね」
「そゆこと」
「友達と一緒に練習は~、青春だよね~」
グハッ......なんて事を言いやがる。
それは少し心に刺さったぞ。
そもそも私は人と話せないのは分かっているだろう?
唯一の友達の金剛さんは敵対チームなので私は1人なのだ。
そんな事より、今の私の懸念事項は、生徒会種目がどうなったのかと言うことだ。
きっともう内容は決まっているんだろうな。
あんまり無茶なのではなければいいのだが、彼らなら知っているだろうか?
「ねぇ、生徒会種目って何か知ってる?」
「へぇ、意外だね。まさかカンニングを芽依ちゃんがしようとするなんて。まぁ質問の答えだけど、分からない」
「え、本当?」
「隅々まで探したけど見つからなかったな!余程上手く隠しているのだろうな!」
まさか彼らの手から逃れるなんて、
もしかして、最近彼らが入っているのがバレて対策をとられたのだろうか?
流石会長だ。
伊達にエリートの道を進んでいるだけはある。
素直に感服だ。
そんな事を考えていたら、皆が綱引きの練習をやりだしたので、私も参加する事にした。
私がいたのは1番後ろである。
何故なら、他の人との間に入るのが苦手なのだ。
そうでなければ、ボッチ等やっていない。
そういう事なので、私はえっちらおっちらと引いてはいたが、
残念な事に、勝てなかった。
かなり手を痛めたのに、その結果なので残念に思ったが、
良く考えれば私は余り勝ち負けにこだわれるほど貢献していないので、練習だと割りきった。
綱引きを終え、何となく外を見たら、雨が降りだしていた。
校舎に戻って行く彼等を見て、羨ましく思った。
この練習の時間は毎日三、四時間目にやっているので、
この後は昼御飯である。
余談だが、私は弁当やコンビニで買ったものを食べるのが多い。
何故なら、パンや定食を買おうとすると人が避けていって、とても気まずい空気になるからだ。
人混みを割る権力は未だに健在である。
まぁそんなわけで特にすることもなく、私は1人校舎の方を眺めて時が経つのを待っているのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
所変わって放課後の生徒会室
「さて、そろそろ決めてください。」
「いやだってさ、君否定しかしないじゃん」
「あなたが何度言っても団体種目しか出さないからでしょ」
そう、実はここ生徒会室ではまだ種目について話し合いのようなものが続いていたのだ。
無いものは隠せない、そういう事だったのだ。
「で、七光り会長は何時になったらまともな意見を出してくれるのですか?」
「分かったよ出すよ、出せばいいんだろ?後七光り言うな」
「そうだな、尻尾とり何てどうだ?」
「却下です。高校にもなってやるものではありません。それにある生徒が有利過ぎます。」
「ある生徒?前半はともかく後半は意味がわからんぞ、お前らしくもない。」
「友梨と言う生徒ですね。サイコキネシスの使い手です。」
「なにそれ超カッケー、俺にもやり方教えて...冗談だよね?」
一体どうしたというのだろうか。
いつも真面目な彼女が今日はふざけまくっているようにしか見えない。
厨二病にでもなったのだろうか?
まぁいい、少し調子は狂うがどうという事はない。
「他は水で合戦とか?」
「合戦好きですね。まぁそれなら何とかなるんじゃないですかね。幸いにも着替え必須は伝統みたいなものですし。」
「ならもう確定な。それはそうとしてさっきの友梨さんについて詳しく」
内容としては以下の通りだ
曰く、人を宙に浮かせた。
曰く、霊を使役している。
曰く、金剛を従えている。
曰く、突如として性格が変わる。
等だ。
そんな非日常がすぐそばにあったことに驚きを隠せない。
「何故もっと早く教えてくれなかった」
「だって七光り会長が仕事しなくなるじゃないですか。」
「よし、今から会いに行くぞ」
「もうすぐ下校時間ですから今日は諦めて下さい。」
「待ってろよ不思議っ子。会いに行くからな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オカ研部室
「ううっ。何か変な感じがした。」
「私も同じ感じがした~、厄介事の予感~」
「これ以上面倒な事にならなければいいけど」
ああ、厄介事は勘弁して欲しい。




