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第一章 主導者の帰りを待つ世界 第八話 冷酷な王国の末路

カン… カン…

 

法廷の様な場所に、5名の王と3名の秘書がいた。

 

一番高い席の法壇の場所に、神界大帝國の国王『ハボリム』

その隣には、神界大帝國の秘書『トゥマイニ』

 

裁判員として、神界大帝國の裁判官が数名…

 

傍観席には、ラント王国の国王『レプブリーク』

その秘書の『レプッブリカ』

 

クンペル王国の国王『ヴァッサー』

 

ドンナー・サンダー王国の国王『ミスト』

その秘書の『ネブラ』

 

ベツィーウング王国の国王『トォオーノ』

 

其処に、手錠をされた白髪の女性。後ろには、5cmほど地面から浮いた状態のヴィントが入って来る。

そのまま証言台の場所まで連れて行かされる。

 

被告人が、証言台の場所まで行けば、ハボリムが喋り出す。

 

 

ハボリム

「……被告人、今回は貴様の所の王が死んだ。その代わりだ。秘書のズィヴァーチ・ガラクスィー」

「異論は、ないな?」

 

ズィヴァーチ

「異論なんて、あるわけない。早く罪状や判決を言ってください」

「私にも、仕事があるんですから」

 

ハボリム

「反省の色はねぇのか?」

 

ズィヴァーチ

「反省する必要性はない。これは、神界の為にやったことです」

 

 

バチバチと火花が散りそうな睨み合いから、裁判が始まった。

トゥマイニから手渡される紙を見て行為

 

 

ハボリム

「貴様の王国が起こした問題行動は合計66にも上る」

「だが、その中でも問題なのが、最(・)上(・)級(・)神(・)様の誘拐と新神界計画、神界大帝國への宣戦布告」

「そして、擬似界と言う神脈を模倣した空間作成」

「どれだけの罪を犯せば気が済む」

 


ズィヴァーチは、無言で話を聞く。何も答えない。何もしない。

ただ、聞くだけ

その行動は、冷静を装っていたハボリムの神経を逆撫でする行為だった。

 

 

ハボリム

「このままでは、貴様の王国には死よりも辛い恐怖が起こるかもしれない事が分からんのか?」

「この様な事をする頭脳があるのであれば、そんな事は余裕で考えつくだろう!」

 


傍観席では、全員が厳しい顔をしている。

 

 

ミスト

「これは死刑は、確定です」

 

ネブラ

「うん…」

「でも、レーラー王国はどうなると思う?」

 

トォオーノ

「まぁ、下手すれば神界大帝國に吸収される可能性は大いにありそうね」

 

 

別の席では…

 

 

ヴァッサー

「レーラー王国無くなっちゃう?」

 

レプッブリカ

「その可能性の方が高いですけど、無くならない場合でも神界大帝國からかなり干渉されそうね」

 

レプブリーク

「嗚呼、だろうな」

 

 

ハボリム

「……他に罪は犯していないだろうな」

 

ズィヴァーチ

「調べきれてないのかしら、そんな無能なのね」

 

 

ハボリムの頭に、血管が浮かぶ。

相当キレている事は目に見えてわかった。

 

 

ズィヴァーチ

「そろそろかしら、あの人が起きるのは…」

  

 

______________________________

 

 

大きなベットに眠っている、オレンジ髪の少女が一人いた。

その隣には、シンソウがいた。心配そうな顔で、見守っている。

 

 

シンソウ

「主人様、起きてくださいよ…」

 

 

______________________________

 

 

夢の中では、沢山の六角形のガラス

周りを見渡せば、六角形のガラスに映像が浮かび上がる。

 

昔の映像だった。

 

皆んなと笑い合った時。守る為に戦った時。皆んなを導いている時。

 

全ての過去の出来事が、映像として映し出されていた。

 

コツ… コツ…

 

 

神陽導

「あっ、久しぶり!」

 

 

其処に、藍色髪の軍人がやって来る。

 

 

軍人

「嗚呼、久しぶりだ。元気そうだな」

 

神陽導

「うん!でも、ここどこ?」

 

軍人

「記録観だ。だが、早く起きた方がいい」

「此処に来たのもアイツのお陰だ。さぁ、行きなさい」

「死なせてはならない。お前は、そう言う人だ」

 

 

そう言った。

それを聞いた導は、軍人が現れた方向へ走る。

 

 

神陽導

「ありがとう!」

「それじゃ、助けに行ってきます!」

 

軍人

「嗚呼、行ってらっしゃい」

 

 

優しい声が記録観に響き渡る。

 

 

軍人

「記録観、対象の記憶を全て映像として具現化する空間」

「それを応用して作った、それが、擬似界。そうだろう?フェルス」

 

 

フェルス

「はい、正解です」

 

軍人

「今、お前は重篤だ。シ(・)ス(・)タ(・)ー(・)に一部始終は報告してある」

「手当てしてもらえ、フェルス」


フェルス

「はい、ありがとうございます。臨時秘書様」



臨時秘書と呼ばれた軍人は、背中に藍色の正十角形の魔法陣が現れ、姿を消す。


フェルスも同様に背中に、正六角形の魔法陣を出して消え去った。

記録観は、音もなしに、ヒビが入り崩壊して行く。



______________________________



大きなベットのある広い空間



神陽導

「ん…?」


シンソウ

「主人様?」

「!……主人様?起きたんですね!」


神陽導

「ハァ!」



導は、ベットから飛び起きると、入り口へと向かい、ダッシュで何処かへ向かう。

シンソウは、ビックリして数秒固まったが、正気を取り戻し、導を追う。



______________________________



法廷では…

裁判が始まってから、約一時間が経過した。

ズィヴァーチは、沈黙を貫いていた。

ハボリムは、厳しい顔をして言い放つ。


ハボリム

「被告人、ズィヴァーチ・ガラクスィー」

「貴様には、死刑をいい…」


バン!


皆が音のなる方へ視線を送れば、其処には息を切らした導がいた。

ハボリムが立ち上がる。



ハボリム

「最(・)上(・)級(・)神(・)様!?どうしてこちらにって、眠ってたんじゃ」


神陽導

「えっと、あなたは?」


ズィヴァーチ

「ズィヴァーチ・ガラクスィー。4代目国王の秘書です」

「あとは、貴方が国王室で会った4代目国王のフェルス・レーラーの妹です」


神陽導

「3代目さんは、どうなったの?」


ズィヴァーチ

「此処では、お答えできません。お答えするのであれば、2人の時以外私は答えません」


神陽導

「わかった。その時間を後で用意してもらう」

「それで、判決はどうなるの?」


ハボリム

「あ、あぁ、国王は死亡している為、秘書を臨時の国王として罪を償う必要があります」

「ズィヴァーチは、問答無用で死刑です」

「レーラー王国には強制的に開国して貰い、合計で100%もの税金を掛けます」


神陽導

「貴方は、それでいいの?」


ズィヴァーチ

「国民は、この事を知らない。国民への罰は無しにして貰いたい」

「今回の事件は、国王様と私が行った計画です。重役の一部も知っていますが関与はさせていません」

「私を死刑にするのは、構いません。ですが、国民は何も知らない」

「そう私は、主張します」


ハボリム

「……反神運動などは、させてないな?」


ズィヴァーチ

「させても、私たち王国側にはなんのメリットもない運動をしてなんになるんですか?」

「私たち、レーラー王国の民は、貴方や神界大帝國は恨んじゃいない。恨んでいるのは先代国王のみ」

「私たちの国民性は、メリットのある事しかしない」

「デメリットは、極力避ける。それが我々の国民性でもある」


神陽導

「貴方は、死ぬのが怖くないの?」


ズィヴァーチ

「怖いかどうかは知りません。ただ、私が死ぬことで国民への罪滅ぼし兼安定的な生活を明け渡すことができるのであれば、私はそれを望みます」

「ただ、それだけです」


神陽導

「機械みたい…」


ズィヴァーチ

「褒め言葉として頂きます」

「こうもしてなければ、国は運営できません」

「600年前の悲劇は、私もお忘れ出来ません」

「ですが、制裁のやり過ぎは、私も居た堪れません」


ハボリム

「それをまだ引きずっているのか?」


ズィヴァーチ

「その様に言うのであれば、今すぐに、レーラー王国の民の魂を神脈に返せる様に、神脈を直してください!」


ズィヴァーチ以外

「ハァ?」


トゥマイニ

「何を言っているんですか?」


ズィヴァーチ

「言葉通りです。600年前に起こった悲劇」

「あの時は、3代目は激怒し神界大帝國の国王と相打ちとなりました」

「そして、報復として臨時国王となった当時の秘書が、レーラー王国の民の魂を神脈に戻れなくしました」


神陽導

「今から直そうか?」


ズィヴァーチ

「そんな簡単に直せるものなのですか?」


シンソウ

「主人様…どこ行ってたんですか?」

「もう!急に飛び出して来て!私、とってもビックリしたんですから!」


神陽導

「あっ、ごめんごめん」

「で、貴方の質問に答えるなら、破損状況で変わるけど、新しく作るにしても、一日あれば作れるよ」


ズィヴァーチ

「意外でしたね。私たちが創り出した擬似界は、制作に100年以上掛けたので」


神陽導

「まぁ、あれ慣れれば簡単だけど…初めて作るなら意外と苦労するもんだよ」

「よくもまぁ、100年で作れたね。って逆に関心を私が持つよ」


ズィヴァーチ

「感謝致します」


ハボリム

「最(・)上(・)級(・)神(・)様…」

「貴方なら、判決をどう言い渡しますか?」


神陽導

「私なら、今すぐにとはいかないけど、準備ができたら早急に開国してもらって、まぁ、過去の出来事諸々加味しても、数年ほどの国王や秘書としての業務を停止してもらう」


シンソウ

「主人様!?それは、優し過ぎます!」

「普通は、死刑になってもおかしくないんですよ!」


神陽導

「分かってる。でも、私は、更生の機会を与えたいから!」


ズィヴァーチ

「ほんとにお優しい方ですね」


神陽導

「えへへ」


ハボリム

「そうですか。では、判決を言い渡す」

「被告人、ズィヴァーチ・ガラクスィーは、6年の秘書業務停止とする。レーラー王国側には、開国を申し渡す」

「異論はないな?」


ズィヴァーチ

「はい」


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