第二章 支配に侵された魔の手 第三十話 Yksi tähti
赤い月が夜空に浮かぶ。
白い光を放つ星が、満面に浮かび上がる夜の空
そんな綺麗な夜空に、流れ星が次々と流れ始める。
今日は、数千年に一度の確率で起こる。
魔流星の日だ。
魔流星
人間界で言う“ 流星群 ”のことである。
だが、魔界の魔流星は、規格外であり、一番凄い時に同時には夜空が全て流れ星に埋め尽くされることもあり得る程だ。
この美しい現象が起こる日は、魔界でも珍しい争いの起きない日でもある。
すると、一際、輝く流れ星が流れる。
魔界にいる民が、胸に手を当て目を閉じる。
その流れ星に向かって、祈りを捧げる。
一際、輝く流れ星が消える。
魔界の民が、各々の家に帰り始める。
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大きな巨木の枝に、2人の子供の霊が座っていた。
2人の霊は、手を重ね合わせて、流れ星を見ていた。
???
「お兄ちゃん!流れ星綺麗だね」
兄
「綺麗だな」
???
「まるで、僕たちに仲良く飛んでるね!」
兄
「……そうだな」
???
「ねぇ、お兄ちゃん」
「俺、ずっとお兄ちゃんの近くに居たい」
兄
「それは出来ない…」
「でも、1年に一度、流れ星が離れる日に此処で会おう」
???
「お兄ちゃん…」
「うん!分かった」
???の目には、涙があった。
だが、すぐに腕で、涙を拭って笑顔を見せる。
また、一際、輝く流れ星が流れ出す。
それは、一つだけではなかった。
2つ流れていた。
2人の霊の体が、光の粒状になって空に消えていく。
兄
「もう時間だ」
「お前も頑張っておいで、私も頑張るから」
???
「うん!僕、頑張る!」
バアル
「嗚呼、頑張っておいで、バアルゼブル」
バアルが、バアルゼブルの頭を優しく撫でてあげ消えていった。
その様子を、密かに見守っていた一人分の人影があった。




